Cheap Trick - We’re All Alright!

Cheap Trick - We’re All Alright! (2017)
ウィア・オール・オーライト!

 ロックを肴に酒を飲むってのはそれなりにはあるのだが、マニアックに本気で会話しながらってのはそうそう多くはない。そりゃもちろん好みや志向がありきでのお話になるからアレ知ってるコレ知ってるという次元だけでは満足するまで飲み尽くすってのはね、やっぱり少ないですよ。しかも皆それぞれ進化してるから昔話は合うけどここ最近のお話はよくわからない、なんてのはザラだしさ。自分含めてね。それでも存分に楽しみ、また発見があるのが楽しいロック話。

 Cheap Trickのこないだの新作「We’re All Alright!」だけど、Van Halenが出したように、一部は昔のデモテープを再度聴き直して、今の時代に録音してみてリリースしたという作品なだけあって、要するにテイストやソングライティングそのものは70年代のままで録音したのとやってるのが今という曲もある作品。それでも十二分に現役感バリバリの音だから違和感ないんだけどね。歌声だってしっかり出てるし、バンドのタイト感だって十分にドライブしてるし、ドラマーこそリック・ニールセンの息子さんに替わってるけど、それが割と良い方向に向いていて、バンドが若返ってるしね、ロビン・ザンダーの歌声なんか圧倒的なパワーを誇ってるもん。これで今の音かい?って言われてもちょいと不思議な感じはするね。

 初っ端からドライブしまくった曲で、そりゃ昔のあのヘンのアルバムに入れるとなるとちょっと物足りなかったのかもな、って思う節はあるけど、それでも今じゃ結構なドライブ感のある曲ばかりでさ、見事に曲が復活してる感じか。コーラスワークも健在で、勢いもホント、意外なくらいに若々しくドライブしてるから驚くなかれと言ったトコロ。このノリは確かに昔の写真であしらったジャケットがユニークなトリップ感を出してて楽しめる。70年代のチープ・トリックの新作、という訳の分からないニューリリース、と言えるかな。



Bon Jovi - Keep the Faith

Bon Jovi - Keep the Faith (1992)
Keep the Faith [Special Edition]

 アメリカを席巻したバンドのひとつにBon Joviがあるけど、途中からAOR路線に走り自身達では曲を書かずに売れ線に走ったという印象があって、実はそれ以降ってのはもうほぼ聴いてなかった。ところがその辺も聴いてみると、自分達で曲作って頑張ってるのもあって、魂売ったんじゃなかったのか?そういう作品もあるんだ…、なんて不思議に思ってしまった。しかも出て来る楽曲がこれまた新しい作風でもあってなかなかに奥が深い部分があるバンドなのかも、なんて思った次第。もちろん世界に名だたるバンドなんだから何でもやれるぜ、ってのが当たり前の姿なのだろうけど、最初期から知ってるとどうもそうは思えないからね、不思議な気がしただけです。

 Bon Jovi1992年リリースの5枚目の作品「Keep the Faith」。グランジが全盛期の90年代、アメリカ的には退廃的でドロドロで暗いものがひたすら受け入れられていたデスな時代、そんな所に快活なAORで参入するんだ、なんてほどにバカな試みはしなかったことで、Bon Joviのセンスは保たれたのかもしれない。ユニークなのは世間が後ろ向きで冷たい視点でしかものを見ない時期に前向きに熱い魂そのものを振るい上げた歌詞を持ってきた事か、バンド自身の意思の表れだったようだが、世間的にもそれが受け入れられたからこそのヒットもあったんだろうから、やっぱりそこはBOn Joviというヒットバンドしか出来ないワザか。もっとも単なる流行でしかないから歌詞がどうのとかってのはあんまり関係ないのかもしれないけどね。

 聴いてみれば彼らの才能を改めて実感する作品が立ち並んでいて、大きくはあのアメリカンなロックを展開する曲がまるで見当たらず、ひたすらに重くて熱い魂を訴え続けるかのような楽曲が目立ってて、それはもうどこかU2が持つ魂であるかのような作風だ。根底的なところでの訴えがあったんじゃないだろうか、表面的な音楽を演じるというよりはもっと根が深い。だから暗黒時代でもしっかりとリスナーには届いたアルバムだったろう。古さを感じさせることのないしっかりとした自身の強烈なメッセージを持った作品に聞こえるし、バンドが一丸となっている姿も見える。こんなに地力あったっけなぁ…、曲作りのセンスも随分と初期に比べたら成長したんだなぁ…と感じる。やっぱりこの頃は伸びる一方だね。凄い。もうちょっと先のアルバムとかもきちんと聴いた方が良いかもな。





Steve Perry - Street Talk

Steve Perry - Street Talk (1984)
Street Talk

 アメリカの売れてるバンドや売れる人ってのはやっぱり圧倒的に歌が上手くて、当然ながらのプロ魂を感じる人ばかりだ。そうじゃないのはどうしたって長続きしない。その辺は英国のロックやボーカリストってのとはもう全然違ってて、アメリカで出てくるのはどんなつまらないと思ってるバンドやボーカルでも上手いのは上手い、下手な人はほとんどいない。そもそも出てこれない。それはロックバンドでも同じお話なのでやっぱりプロダクションがしっかりしているのがアメリカってことだ。その中でも光っているボーカリストってのはホントに上手いんだろうなぁと。

 全盛期ジャーニーの表看板だったSteve Perryは元々が音楽家というエリート育ちでもなく、ただ歌がひたすらに上手いということでスカウトされてジャーニーへの参加となったので、育ちがちょいと優等生とは違う。だからかな、ジャーニー解散後の活動もセレブと違ってひっそりとしてしまっている感があるのは、ちょいと庶民的ですらある。その辺はなんか妙に可愛らしい部分があるが、そういうのもあってスティーブ・ペリーってのは割と嫌いじゃない。そのジャーニー全盛期の1984年にリリースされたソロアルバム「Street Talk」。以前の自分のバンドメンバーや自身の状況を整理するかのような作品になったらしいが、そんなことを知らないリスナーは単に素晴らしきAOR+R&B的な作品として迎え入れている。確かにその通り、歌がクローズアップされた気持ちの良いボーカルアルバムとして仕上がっているし、初っ端の「Oh Sherrie」なんて大ヒットしたもんな。この歌声であんだけ気持ち良く思い切り歌われたらそりゃ誰でも驚くさ。

 アルバムを聴いててね、何か近いモノを感じるなぁ…と思ってたんだけど、ロッド・スチュワートなのかな、こんなに思い切りよく歌う人じゃないけど、どこかロッドを彷彿させる部分があった。まぁ、ロック時代のお話じゃないけど、ここまで歌えるとロックかどうかってのはどっちでも良くなるんだろうし、歌ってみたことがない世界には挑戦したいだろうし…。普通ならこのままソロシンガーとして活躍していけたんだろうけど、なかなかそうは簡単に進まなかったトコロもスティーブ・ペリーらしいのかもしれない。まだ活躍しているらしいけど。



Journey - Escape

Journey - Escape (1981)
エスケイプ-35周年記念デラックス・エディション-(完全生産限定盤)(DVD付)

 AOR路線ってのはリアルタイムで出てきた時に聴いてたら結構ハマったに違いないと思う。こないだもその世代の連中と飲んでたけど、やっぱり見事に青春時代ど真ん中で好き嫌い以前に自分達に入ってるって感じだったし。今改めてそれらを耳にしても同じような感触を抱くようで、そりゃそうかとも思う。自分だって聴いてみればスカッとカッコ良いなってのは素直に思うし、気持ち良いだろうよって思うもん。だから自分がその辺があまり得意でないってのは多分歌声とか顔とか曲とか普通にそういう事なんだろうとは思う。そこまで向き合って聴いてないのもあるか。

 Journeyの1981年出世作「Escape」。この三枚くらい前のアルバムからスティーブ・ペリーが歌ってて、一気にスケールアップしたアメリカンなAORバンドにのし上がってきた傾向が強い。聴いててもどのパートも伸びやかにスカッと気持ち良く抜けきった感じでプレイされててそりゃもう皆好きだろうよ、こういうの、って言えるくらいの抜けっぷり。スティーブ・ペリーの歌声ってやっぱり凄いよなぁ…とかニール・ショーンだって好きじゃないけど、ギタープレイそのものはやっぱり凄いと思うしさ。曲もバリエーション豊かに飽きさせない曲が並んでいて、これもまた皆好むんだろうなぁ…とかバラードはスティーブ・ペリーのあの歌の巧さで圧倒的な説得力を持ってるし、何かスケールの大きなアルバム。

 リアルタイムで響きまくった人、多そうだ(笑)。Totoやジャーニーってのは、プロミュージシャンによるプロのバンドだから全てが練られて作られている、というスタイルもロック的側面から見ると好きになれなかったトコロかなぁ…。音楽を売るという立ち位置から見たら当たり前だけどさ、ロックってのはよぉ…という尖った部分があるとそういうのは作られたバンドであって自分達のヒーローじゃない、雇われてるだけだ、みたいなのあったもん。だから素直に音だけに反応できないのもあるし、優等生チックにやられても面白くない、っつうかね、そんなくだらないこだわりがあったし。それを今でも引き摺ってるってんでもないけど、どっかにあるのかな、素直に良い、と言えないのは(笑)。



Def Leppard - Hysteria

Def Leppard - Hysteria (1987)
ヒステリア

 シモンズドラムか…懐かしいな。80年代にものすごく流行してありとあらゆるトコロで使われていた、ある意味80sの象徴でもあるドラムの音という印象が強い。ところが電子ドラムという機能のおかげで全く異なるアプローチから役に立った事例が合って、その代表的なものがDef Leppardの「Hysteria」というアルバムだろう。ご存知このアルバムの制作前に日事故により左腕切断となってしまったドラマーが仕事を優先して考えた時に出てきた選択肢がソモンズの電子ドラムでのアプローチ、というワケだ。左足でスネアを叩くというロジックは出来たとしても音のバランスを調整するのは明らかに電子ドラムの方がラクだ。右手とのバランスも綺麗に取れるだろうし、実際アルバムを聴いてもそのドラムに違和感はほとんど感じない。見事なものだ。意識して聴くと確かにドラムのタム回しなんてのはないし、幾つかのオブリガードだってちょいと不安定だったりするのはあるからなるほど、というような部分はあるけど気にはならないだろう。

 そんな話題から入りつつも、実際にはこの「Hysteria」がどんだけ世界中で売れまくったアルバムだったか、の方が重要だろうか。自分的にはリアルタイムだったにも拘らず、まるでこのアルバムには興味を持たなかったしデフレパにも興味を持たなかったので、どんだけ売れようがよく分からなかったのだが…。記録だけ見れば12曲中7曲のシングルヒット、しかもロックバンドというよりはAOR代表格的な位置付け、Bon Joviみたいなもんですかね、そんな印象が強かったんだけど、アルバムジャケットにしてもPVにしてもメタルバンド風ではあったので軽々しくは見られなかったんだろう。それでもこの音でどこがハードロックなんだ?ってのがずっとあったな。だからアルバムがどんだけ聴かれていようとも興味を示さなかったってワケだ。

 今となって改めて聴いてみるけど、確かにAOR風味が強いしポップ的でもある。決してハードロックの代表アルバムじゃないけど、苦肉の策からここまでの作品を作り上げ、更に世界で支持されていたのはバンドを強くしただろう。そこからもまた苦難は続くにしてもよく作られたアルバムなのは間違いない。ただしやはり自分的な好みからしたら、対象にはならないかな。突き抜けるならもっと突き抜けても良いし、その度合がなんとも、か。



Missing Persons - Rhyme & Reason

Missing Persons - Rhyme & Reason (1984)
ライム&リーズン+1(紙ジャケット仕様)

 プログレの雄達もテクニシャンなミュージシャンもポップ路線に走ってカネ稼ぎに来たのが80年代。それで良質なポップスを作って新しいムーブメントまで起こしながらそもそものファンからはそっぽを向かれた時代、それだけキラキラした時代ではあったんだろう。ザッパ門下生もそれぞれの道を歩んで行ったけど、今回はテリー・ボジオの行く末…、末じゃなくてそんな方向に行ったのか?ってくらいにハジけたってトコか。

 Missing Personsのセカンド・アルバム「Rhyme & Reason」1984年リリースの良作…か。あのドラムテクの強烈さはシモンズの音ではなかなかわかりにくい、と言うのか出来てて当たり前と言うのか、シンセドラムだから人間が叩いてても機械的に叩かせても違いが出ないワケで、しかもこの頃は人間がリズムマシンに成り切れるか的な方向にあったもんだから、ボジオの凄さがなかなか伝わらない。それよりもウォーレン・ククルロの瞬間的なギタープレイの鋭さの方が気になったり、やっぱり花形のデイルの歌声がクローズアップされる作品になっている。まだこの時代の綺羅びやかさは保持しているんでちょいと一味違う80年代のバンドという感じではあるけど、一般的にはちょいとヘンな感じのするバンドではあった。

 楽曲面はどうにも…、ロックバンドという位置付けじゃないから80年代ポップスの中でどうだったんだろ?ってくらい。それでも著名な80Sバンド郡には負けてたんじゃないかな。デイルの華やかさだけだもん。そりゃ楽器は他のトコロ比べたら圧倒的なテクニックを誇るワケだが、それが売りにならないんだからしょうがない。曲のキャッチーさもそこまでってんじゃないし、突出感が少なかったか。しかしまぁどうしてこういう方向性へ進んだんだろうなぁ…、元奥様の魅力だったのかな(笑)。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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