ロック好きの行き着く先は…

60年代のブリティッシュロックから70年代黄金期を聴きまくり、行き着く先はマニアへの細くて深い道のみか。それでも楽しいロックこそ我が人生。 by フレ

Anthony Gomes - Peace, Love & Loud Guitars

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Anthony Gomes - Peace, Love & Loud Guitars (2019)
Peace, Love & Loud Gui

 アマゾン見てるとアルバムジャケットで気になるアーティストやバンドなんてのもたまにあったりして、自宅に居ながらそういう捜し物に出会えるってのは今の時代ならではのありがたみ。CDサイズのジャケットでも小さいって言ってたのに、アマゾンの画面で見る何枚も並んだジャケットのサイズなんてもう数センチのものなんだから更に小さくてインパクトも薄い。それでもそのジャケットを見て皆探したりしているんだから、そのサイズでのインパクトってのを考えてデザインしないといけないのだろう。そこまで考えてジャケット作ってるのも最初のウチだけだろうが。

 それで、これ、カッコ良いなぁ、ってパッと見て思ってて、何だろな、どういう音なんだろな、きっとロックだろうけど、見かけ上スライ的なエッセンスもあるのか?とか妄想しながら聴いてみたのがAnthony Gomesって人の「Peace, Love & Loud Guitars」という作品。インパクトあるジャケットだと思いません?スライ的に見えたのは多分ベルボトムのせいか。フライングVってのも古臭くて良いし、いつの時代の写真だ、ってくらいには古臭い。それでもこのアクションがカッコ良いし、何かロック心くすぐるジャケットである事は確かだ。カナダ出身の既に大ベテランなブルースロッカーってな事で知られている人らしいが、日本ではトンと無名、と思う。1998年にはアルバムデビューしていたってんだから恐れ入る。そこからアメリカ、カナダでひたすらツアーしてライブしまくっている人、アルバムも結構な枚数出てたようだけど、初めて知った。

 これがまたカッコ良い。ホントに往年のブルース・ロック、よりもロック寄り、ハードロック寄りな感じでのギターバンド、ギタープレイヤー的アルバムで、今の時代にこういうロックあるのか、ってくらいに馴染みやすいロック。ギターはもちろんブルースイズム入ってるし、歌声だって結構な渋みを持った迫力のある歌声、正にロック的で楽曲はシンプル且つパワフルで王道路線なので難しくないし、そこにカナダらしく直球な田舎臭さも入っててこりゃウケるだろ?って思うのだが、どうしてどうして…。騙されたと思って聴いてみると多分、このブログの読者ならすんなり聴けると思う。久々にこういうロック聴いた。古いのなら普通だけど新しくてこんだけのスタイルと音はそうそう出せない。本物なロックサウンドです。





Gary Hoey - Neon Highway Blues

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Gary Hoey - Neon Highway Blues (2019)
Neon Highway Blues

 どっぷりとブルース漬けになってて、なんでもかんでも手を付けているのはあるけど、やっぱり散々聴いて思うのはオリジナルブルースプレイヤーのギタープレイはホントに素晴らしいってことだ。音が古くてもフレーズが使い回されていても、音色がショボくてもそのプレイに込められた魂ってのが本気で響いてくるものだ。もちろんいつの時代のどのアルバム、レコードであってもプレイしている側は本気で魂込めて弾いているだろうから、当然それでも響くんだけど、やっぱりどこか違う。その辺が歴史に残るプレイヤーってのかもしれん。ただね、今はどれ聴いてもその人の気分になって音を聴いてて、自分でギター弾いているみたいなイメージで取り組んでるからそこまでこだわってはいない。

 Gary Hoeyって人もキャリアは結構長くてハードロックやロック道を渡ってきたバークリー音楽大学出身のギタリストで、ここの所はブルースへの回帰ってことでアルバムをリリースしているが、2019年リリースの「Neon Highway Blues」は3部作となるであろうブルース作の3部目となるアルバム。タイトル、ありそうで無かったようで、なかなか良いセンスと思う。ハイウェイのネオンってアメリカで国道走ってたら実際は真っ暗なだけだからネオンなんてほとんど無いけど、見えた時のネオンってのはモーテルかバーか何か人恋しい場所だったりするんだろうし、その時の気分ってちょっと嬉しい感ある気がするもん。その気分のブルース、っていうイメージが勝手に湧いてきて、良いな、って。もちろん安心して聴けるレベルの作品だろうしってことでちょこっと聞き始めてみる。

 なるほど、ブルースだけど確かにブルース・ロック、古き良き時代のブルース・ロックよりももうちょっとブルース寄りだろうけど、確実にロックな音で、結構良い感じ。冒頭からギターソロが二人で弾かれているから、ん?って思ってみれば片やエリック・ゲイルスって事で、なるほど、並べると全然違うモンだ。次の曲もジョス・スミスだったりして、これも毛色違うから分かりやすい。そして4曲目では何と、自分の息子と掛け合いしているようだ。やっぱり親子だからフレーズが似ているのか、違和感はもちろん無いけど、音色が違うからな。それにしてもこんだけ弾けちゃうんだ…、凄いなぁ、この親子。そんな事に気を取られながらずっと聴けるんだが、当然今時の音で録音されているし、ギターの音色も綺麗に録られているし、フレーズはもう言わずもがなのブルース・ロック節満開と心地良いです。






Ally Venable Band - Puppet Show

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Ally Venable Band - Puppet Show (2018)
Puppet Show

 ブルース漁りしている時に何度か出てくるこの若い女の子、一体何なんだろうな…、まぁ、嬢ブルースってのもあるからその類かもなぁ…って何度かスルーしたけど、やっぱりまた出てきたからちょっと聴いてみようかな、って聴いてみたらこれがまた驚きの音でさ、「え?」って感じだったんでそれからまたアレコレと調べたりするんだが、案の定さほど日本語での情報は見当たらず、音を聞きながら何となくアメリカのサイト漁って調べてみたりするのだな。そうしてると何となくはその人が分かってくるから、納得しながら聴くワケよ。別に音だけで良いかどうか自分に合うかって判断すりゃ良いんだが、何かそういうの調べちゃうクセが付いててね。

 Ally Venable Bandの2018年リリースのセカンド・アルバムになるのかな「Puppet Show」って作品。見ての通り、若いギャルです。1999年テキサス生まれ、ってことなので20歳前後だけどアルバムデビューは16歳くらいだったらしい。しかもギター弾き始めたのは12歳頃、そこから4年でプロレベル。しかも地元の何とか賞なんてのもアルバム出す前から貰っていたりするという天才少女だったようで、元々協会で歌も歌ってたって言うから歌の方も筋金入り。そんな来歴なんだけど、これがSRVをヒーローと崇めてしまった事からギター、そしてブルースの道へ一直線となったようだ。やっぱテキサスだとSRVが身近なんだろうなぁ…、そんなことを知った今でも、これを最初に流した時の驚くばかりの歪んだ音とブルーススタイルはインパクトでかい。どっちかっつうとハードロックレベルまで歪ませたストラトサウンドがいきなり出てくるんだからさ。しかも随分と芯のある良いサウンドで鳴るから期待しちゃって…、そしたら割と図太い歌声も出てきて、やや安心。更にはギタープレイも見事なまでに往年のギタースタイルを踏襲していて、当然ながらの基礎スタイルは問題なくこなしてくれている。

 聴いていくほどにSRVの影響の強さはマジマジと実感しながらもブルースへの傾倒もこんだけ出てきてりゃ凄いわ、ってくらい。案外太めの音が出てるからそのヘンもSRVを研究したんだろうか。女子だからまさかあんだけ太い弦を張ってるんでもないだろうから、やっぱり音作りの方で分厚くしているのかな。それでもかなりユニークな女史ギタリストなので、既に3枚のアルバムをリリースしているのもあって、どこかでメジャーに躍り出てくるだろう。ただ、やっぱり歌声が可愛く聞こえちゃうから、そのヘンどっかで舵切っていけると面白いかもな。







Joe Louis Walker - Everybody Wants a Piece

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Joe Louis Walker - Everybody Wants a Piece (2015)
Everybody Wants a Piece

 アメリカ人ってこんなに簡単にブルースギターって弾けるモンなのか?ってくらいに何人も何人も凄いブルースギターを弾くヤツが出てくるし、漁れば漁るほどに目に付く。実際そんな事もないのだろうけど、絶対人数が多いから当然確率論的にそういうギターが弾ける人の数も多くなるのだろう。それでもさ、傑出したギタリストって言われてもおかしくない人達がワサワサと出てくるんだから驚くばかり。土地土地に密着してそれで生活できる環境なんかもあるからだろうか?実際どうかは知らないけど。ん〜、不思議だけど面白そうだ。

 Joe Louis Walkerって人の2015年リリースのアルバム「Everybody Wants a Piece」。ジョー・ルイスはもう70年代にはアルバムデビューしていて何度か路線変更しながらも80年代からはブルースに邁進、そこでもロバート・クレイと同じようにコンテンポラリーブルースをメインのスタイルとしてシーンで活躍している人、日本でもそれなりな知名度って事らしいけど、どうだろうね。自分はほとんど知らなかったけど、自分の知識なんてさほど市場と絡みがあるワケじゃないからアテにならないし。どうあれ、ここで出会えて音を楽しめたんだから良かろうよ。このジョー・ルイスのアルバムは正にコンテンポラリーブルースそのものなんだけど、他と大きく違うのは明らかに明るくて快活。そして勢いもあってノリが無茶苦茶良い。まるで見当違いかもしれないけど、ロバート・クレイのがシカゴ風としたらジョー・ルイスのはシスコ風なんだよ。モダンじゃなくて派手、ってのかね。だから聴いてて、ブルースじゃねぇよ、って思う部分も多いんだけど、ギターや歌声、歌い方なんてのはブルースのそれだからなるほど、ってなモンだし、根底にあるのもやっぱりブルース。ただ、出てくる音はそこまでブルーススタイルにこだわっていないというもの。面白いよな、こういうの。どうやってこういうスタイルを維持できるんだろ?って思う。

 黒人だからアレだけど、明らかにロックのスタイル、手法をそのままやっているだけって捉えると分かりやすい。そこでお得意のギターをきちんとカマすからそこは黒人ブルースそのまま、っていう…、正にコンテンポラリーなスタイルが出来上がってる。そんな分析をしながらも、普通に聴いていてその新鮮さに結構カッコ良さを感じるから、聞きやすいし、気持ち良かったりする。なるほど、こういうのもアリなんだなぁ…と。





Tab Benoit - Night Train to Nashville

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Tab Benoit - Night Train to Nashville (2008)
Night Train to Nashville

 ブルースのスタイルは様々だ。オールドタイムなスタイルと言ってもそこでも個性は分かれていたから多種多様だったし、それが時代を経て、いろいろなミュージシャンが出てきて世代が代わってくると 、もうそれこそ枝分かれがすごい。だからこそいろいろなものがミックスされていって面白いブルーススタイルなんてのも出来上がってくる。その反応は聴く人達によって様々になるので、必ずしも融合が評価されるって話じゃないが、それも含めて本人の個性。ただ、音楽性とギタープレイとはまたちょいと話が異なるので、ある種ギタープレイが凄まじければ音楽スタイルなんてのは大して影響しないって事もあるだろう。

 Tab Benoitってルイジアナ出身のソングライターが2008年にリリースした前年のライブアルバム「Night Train to Nashville」。どういうサウンドなのかな、って初トライだったのでワクワクしながら聴いてみたら、これがまた想像通りにアメリカ、カントリータッチな雰囲気たっぷりの音で、そう来たか、って。スワンプ的なスタイルも取り込んでいるってのかね、これまで紹介してきたブルースってのとはちょいと趣が異なる部分が大きい。そこはもう白人だからか、ってのもあるのかもしれないし、土地柄ってのもあるのかもしれない。ただ、こういう音ってのもポップシーンからでは聴いた事ないし、ブルースからもない。あるとしたらC.C.Rとかそのヘンからの流れだろうけど、自分的にはさほど知らないから新たに出会う音の感覚。その意味で結構楽しんで聴いている。

 ところがギターソロが入ってくると、完全に超ブルースサウンド、スケール、フレーズなので驚く。更にギターもテレキャス使ってて、独特のファットな音ってのかね、ハコとソリッドの中間みたいなサウンドがずっと鳴っていてさ、そこまで歪んでないからモロにテレキャスの音が出てきて、何とも言えない気持ちになる。どのギターも味わいあって良いよなぁ…、ギターって面白い。そして白熱プレイも当然お手の物だから楽曲のムードに合わせてのブルースソロプレイ、それにオブリガード。聴いているウチにしっかりとブルースメンを聴いている感覚になってくるんだからやっぱりしっかりとブルースが根底にあるのだ、ってかブルースだ。キャリアも実はかなり長いのでアルバムも多数出ているのに日本じゃ全然無名。ん〜、こういう人ってたくさんいるんだろうなぁ…、結構良いです。





Michael Burks - Make It Rain

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Michael Burks - Make It Rain (2001)
Make It Rain

 掘れば掘るほどに味わいあって楽しみなブルースメン達に出会う。昔のブルースメンばかりを追求するのもアリだけど、近代のブルースメンをしっかりと聴いておくのもこれまた楽しめるもんだ。近年っても最近ってワケじゃないのがブルースという音楽の保守的な所ではあるが…。ただ、そういうのを探し出すとか出会うってのがなかなか難しい。誰かから辿って行ければラッキーなんだけど、いつもいつもそうは行かないから、様々な手段で出会う努力をしていないと見つけられないのだ。そんな事しなくても普通に見つかるよ、ってのあれば良いけど、そうでもないんだよ。

 Michael Burksってミルウォーキー州出身の黒人ギタリストさん、ジャケ写の通りにフライングVをメインとする今時は珍しいブルースメン、って言ってもこのアルバム「Make It Rain」は2001年の作品なので、全然近年の作品じゃないし、当人は2008年にこの世を去ってしまっている。享年57歳だったって事なのでそれなりのキャリアのあった人だけど、見て分かるように、見事に、モノの見事なまでにアルバート・キングなフレーズがバシバシ出てくるし、そのギターのトーンもまさにアルバート・キングって感じの音が出てくるので、思い切りフォロワーな人。ただ、結構アレンジやリズムなんかが面白くて、普通には展開していない、ってか、そのヘンはやっぱり近年のアレンジも入ってきてて、あながちオールドタイムなものの焼き直しってワケではない。だから新鮮さも凄くあるし、それでもアルバート・キングみたいなギターがこれでもかとばかりに弾かれてるからギタリスト的に聴いてて実に気持ち良い。適度の歪み具合に心地良いペンタトニックなフレーズのオンパレード、間合いもきちんと取られていながらも弾きまくりもあり、ドラマティックにギターソロで楽曲を盛り上げてくれるという往年のギタリスト的プレイも見事に聴かせてくれるので、まるで文句なし、どころか愛聴盤になるんじゃないか、これ。

 あまりにも素晴らしい出来映えなのでアレコレ見ていると、アリゲーターレーベルからのリリースだったんだな。まさにそのまま弾きまくりレーベルのイメージをしっかりと継承した作品。アルバム最初から最後まで思い切りギターが聴ける作品なので、往年のリスナー達が聴いても全然平気、ってか気に入ってくれるハズ。フライングVってギターがどういう音が出てくるかってのもこれ聴いてると凄く良く分かる。なるほどなぁ、味わい深い音なハズだ。そしてこの人、ボーカルも取っているんだけど、これもまた結構味わい深いと言うか、籠もり気味ながらも心込めた歌で聴かせてくれる。そこにギターも絡むから悪いはずもなく、バラード調な作品なんかではその歌心も聞き所。いや〜、こんなプレイする人がいたんだなぁ…。