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フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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The Police - Reggatta De Blanc 

白いレガッタ アウトランドス・ダムール
The Police - Regatta de Blanc Regatta de Blanc

 パンクムーヴメントに乗って本当は実力のあるバンドなのに、それらしい顔してサラリと売れてしまった、とまでは言わないが頭を使った戦略で見事に世界のトップバンドになってしまったザ・ポリス。今は再結成ツアーを行って世界中を興奮の渦に陥れているという、そしてそれがまた生々しい皆が皆満足するようなライブだと言うから楽しみなもの。日本公演も噂されているけど決まったのかな?

 そんなポリスが1979年にリリースしたセカンドアルバム「白いレガッタ」。ファースト「アウトランドス・ダムール」はわざと粗っぽい録音と勢いを前面に出したことでパンクバンド的な売り方をしていったが、このセカンドアルバム「白いレガッタ」では本来のポリスの持つ味=すなわちスティングの才能とバンドの才能の融合がきちんと測られたバランスで出来上がったアルバムで、細かい部分を聴いているとよくわかるようにギターにしてみても一曲の間でどれだけ音が変わっていくことか。一聴するとシンプルに音をあまり重ねていないように聞こえるんだけど、その実エフェクトにより音をどんどん変えていくという細やかさはさすが。だからこそ聴くモノを飽きさせない音になっているのだ。それはベースにしてもドラムにしても云えることで、スネアドラムの音色ですらそうなんだからよく出来ている。

 それぞれの曲の持ち味となるとこれまた不思議なことに取り立てて名曲と言うわけじゃないんだけど、ポリスらしい曲が並んでいて、ライブでプレイされる曲はそれほど多くない…っつうか「Message in a Bottle」くらいじゃないか?まぁ、以降のアルバムに良い曲がいくつもあるからなのだが、一概にレゲエとの融合とも言えない独自のサウンドはひとつのジャンルを確立している。う〜ん、スチュワート・コープランドのドラムって凄く面白いよなぁ、このアルバムに限らずだけど。まぁ、三人とも個性的なので誰かってもんでもないが。

Big Audio Dynamite - Megatop Phoenix 

Megatop Phoenix This Is Big Audio Dynamite
 ゴチャゴチャな音として楽しめるモノってそりゃいくつかあるんだろうけど、そもそもパンクな流れでここまで来ているのでふと思い出したバンドがあった。クラッシュをクビになった後ミック・ジョーンズがドン・レッツと組んだワールドワイドな音を組み入れたダンサンブルなバンド、B.A.D。後期クラッシュの妙〜なダンサンブルな音をそのまま拡大解釈していったバンドという位置付けなんだけど、正直言ってなかなか着いていけなかったなぁ…。

 クラッシュ解散後に出したB.A.Dのファーストアルバム「This Is Big Audio Dynamite」こそがその音楽性をギュッと詰め込まれたものではあるんだけど、個人的にはこちらの第一期B.A.Dの最後のアルバム「Megatop Phoenix」の方が好きだ。それは多分ミック・ジョーンズが突如の病気に倒れて起死回生を懸けて復活して一気に創り上げたアルバムだからだろう。そういう悲愴感というのか必死感というのがやっぱりもの凄く魂の籠もったサウンドになるからだと思う。いや、音楽的にはダンサンブルでカラフルな、そして相変わらずカラッとしたごちゃ混ぜサウンドではあるので決して暗さも悲愴感も漂っていない、いつも通りのB.A.Dのサウンドに近いけど、でも一音一音に気合いが入ってるぜよ、これ。

 しかし1989年リリースの作品にしてはやっぱり最先端だったんだな、この後に流行することになるドラムンベースなサウンドも既に作られているし、一方では往年のロックの先人達のリフを拝借して、なんてのもあって敏感なセンスを持ってないと制作できない作品だよ。やっぱりThe Who好きねぇ〜て感じ(笑)。好みかどうかは別として政策能力は凄い。売れる売れないも気にしてないからそういう意味では面白いんだけどね。

 この頃元相方のジョー・ストラマーは初のソロアルバム「Earthquake Weather」を制作していて、意外なことに結構B.A.Dに近い音が出てきていた。このすぐ後くらいに今度はポール・シムノンが仲間内で作ったハバナAMというバンドの音は一番昔のクラッシュに近いモノだった。トッパー・ヒードンのソロアルバムはモロに民族だったし…。

 昔はこのバンドのアルバム、全然聴けなくて苦痛だった。ロックじゃねぇよ、こんなもん、って感じでね。音楽という楽しみ方じゃなくてロックという楽しみ方にこだわってたからかな。ゆっくりと色々なモノを聴くようになってからB.A.Dのやってたことってのがわかってくるようになってきたんだよね。そういう成長もクラッシュがあったからかな、なんて思う。う〜ん、やっぱりひとつのことにこだわっていてはいけないのだ、って。

Carbon / Silicon - Carbon / Silicon 

Last Post News

 今、ミック・ジョーンズはトニー・ジェイムズと共にCarbon / Siliconというバンドを結成してWeb上とライブでのみ活動しているようだ。トニー・ジェイムズという人、もちろん知っている人も多いだろうけどジグジグスパトニックの人ね♪ もっともその前はジェネレーションXに在籍していた人で、その前はロンドンSSというバンドでミック・ジョーンズと一緒にやってたことがある人なので古き友人とまた一緒にやってるというところだ。ある種羨ましい関係だよな。そうやって気楽に友達と好きなことをやっていけるってのはさ。

 アルバム云々っていう程聴いてはいないのでまずはこちらのオフィシャルサイト眺めて下さい。MP3でダウンロードできる曲もいくつかあるので、その辺で今の彼等の状況を楽しめればそれで良いのかなぁと。多分この二人が今一緒に活動しているってこと自体を知らない人の方が多いだろうし…。音的にはね、新鮮と言えば新鮮な音だけどやっぱり初心に戻ってっていうのかシンプルな曲が多いような気がするな。トニー・ジェイムズだって基本的にロックンローラーだしさ。

 何よりも頼もしいのはね、二人してレスポールJr.ダブルカッタウェイを持っているってこと。そんな何の音色もかっこもつかないギターで二人とも音を掻き鳴らしたってしょうがないだろ、とも思うんだけどそういうの超越しちゃってるんだもん。シンプルにロックを奏でる、そんな感じ。

 YouTubeも凄いなぁ、しっかりとそんな二人の活動のライブビデオまでもアップされているんだから。そこで見ることでバンドの状況がよくわかるかな、と。悪くない。商業ベースでのロックとは全然違うけど今の時代、こうしてWebとライブだけで活動できるってもんだ。どこまで食えるかってのは別だろうけどそういうミュージシャンも増えてくるんじゃないかな。気に入ればオフィシャルサイトから直接買う、みたいな感じね。ただ難しいこといっぱい出てきそうだけど…。ま、時代が答えを出すでしょ。

Generation X - Generation X 

Generation X Valley of the Dolls
Generation X - Live At Sheffield Live At Sheffield

 立ち振る舞いやインパクト、そして攻撃的な姿勢などパンクスと見られがちな傾向というものはいくつかの特徴があるのだが、後にスターとなるビリー・アイドルが最初にシーンに登場したのはそんなパンク風バンドのジェネレーションXだったことは最早ほとんど知られていないんじゃないだろうか?まぁ、別に知らなくても害はないので良いんだけどさ(笑)。

 1978年にアルバム「Generation X」でデビュー。もう英国ではパンクなんてのは既に下火で誰も見向きしなくなりかけていた頃なのでそれはそのままこのバンドの人気にも反映されていた。だからどこかマニアックなバンドという印象があって、決してメジャーなパンクバンドの部類には入ってこないのだ。そもそも音を聴いてみるとわかるんだけど、これがまた実にキャッチーでマイルドな、そして見事にThe Whoをモチーフにしたサウンドばかりが詰め込まれていて、これでパンクはないだろ?っていうくらいの代物だ。いや、全然かっこいいし悪くないんだよ、これ。逆に凄く新鮮でポップで、しかもこの格好でこれをやるのか、というくらいにギャップがあって面白い。難を言うのであればあまりにも一辺倒な楽曲しかできなかったバンドというくらいか。いや、大きな問題ではあるが。

 ファーストアルバム「Generation X」では既に有名曲「Kiss Me Deadly」が収録されているので聴いてみるとわかるんだけど、これが最高傑作、かな。「Ready Steady Go」とかも可愛くて好きだけどね。いや、それを言うと全部そんな感じで面白いんだが…。とんがってないんだもん。まぁ、でもかっこよいよなぁと。セカンドの「Valley of the Dolls」ではかなり失速した感もあってやっぱりファーストに軍配が上がるんだけど、バックのメンバーの問題なのかな。トニージェイムズとビリー・アイドルだけで持ってたバンドだからなぁ。バンドは三枚のアルバムをリリース後解体、ビリー・アイドルはソロ活動で大成功を手にし、トニー・ジェイムズはジグジグスパトニックとかかなぁ、今はミック・ジョーンズとやってるみたいだけど。

 英国パンクもあまり深みまで落ちる前にシーンが下火になっていったのでB級バンドが出てくるまでもなかった。そもそもヘタクソの集まりだったんだからB級っていったら聴けたもんじゃなかっただろうなぁ(笑)。ま、それでも色々いたけどさ。その中でこのジェネレーションXっつうのはパンクの美味しいところをきっちりと知っていたバンドかもしれない。センスは良いね。

 しかし昔はこのバンド全然手に入らなくって探すの大変だったなぁ。名前を知った時はちょうど全てが廃盤でさ、どれもこれもクソ高くて、たかがパンクバンドに高い金出して買えるか、と思ってたから余計に見つからなかった。ようやく見つけたのがセカンド「Valley of the Dolls」だったなぁ…。懐かしい思い出。

The Damned - Machine Gun Etiquette 

Machine Gun Etiquette Music for Pleasure

 パンクバンドは短命なモノ、それはセックス・ピストルズだけの話ではなくってザ・ダムドにも云えた話だったことはそれほど有名なことではないのかな。パンクバンド最初のシングルをリリースしたザ・ダムドではあるが永遠のパンク名盤として挙げられるであろうファーストアルバム「Damned Damned Damned」をリリースした後、全く売れなかったセカンドアルバム「Music for Pleasure」をリリース、その即座に失速していって一旦解散している。とは言ってもまたメンバーが再度合流することで早速ながら1979年早々に再結成を果たしている。そこでインディーズに居を移してリリースされたのが三枚目の「Machine Gun Etiquette」だ。

 もともとビート感については他のバンドよりも圧倒的に強烈で、もっともパンクらしいビートを奏でていたバンドなだけあって、このアルバムの最初の曲「Love Song」でも相変わらず強烈なビートを弾き出していてそれだけでファン的には満足できるんだけど、驚くことにこのアルバムから既に音楽的に相当進歩していてっていうのか、もともとそういう方向性があったと言うのか「Plan 9 Channel 7」のような疾走感の中にもきちんとしたメロディが流れていて、単なるビート一辺倒ではなく、そしてどこか荘厳とした雰囲気をも持ったサウンドはダムドの特徴でもある。最後の「Smash It Up」についても同じ事は言えて、その流れがあるからこそ名盤「The Black Album」へと繋がるのだ。

 そんな狭間に位置した三枚目の作品「Machine Gun Etiquette」だがこれがまた聴いているとなかなかよろしい。アルバムのジャケットは国によっていくつか種類があるみたいだけど、まぁ、センスを語るほどのものじゃないな(笑)。今じゃボーナストラックがたくさんついたCDがリリースされているからそっちを入手するのがお得だろう。

 80年代を迎えようとしていた多くのパンクバンドがそれなりに変化していった中、割とスムーズに変化を遂げたのがザ・ダムドかもしれない。独特のファッションについても個性を出していたし、それは非常に印象深いモノだったし、ライブの映像を見ていたりすると存在感バッチリだしね。うん、結構好きかな。


The Jam - Setting Sons 

Setting Sons All Mod Cons
The Jam - Setting Sons Setting Sons

 英国パンクの波に乗って出てきたバンドの中にザ・ジャムというのがある。まぁ、別に説明せんでもいいんだろうが…。The Whoの流れでThe Jamなワケで、パンクとはそれほど意識することもなく出てきていたのか、たまたまポリシー的に同じだったから時代的に受けたのか、いずれにしてもシーンに出てきて成長して行くに従って音楽的幅の広がりを見せてくれたバンドでもあった。それは単にポール・ウェラーの趣味によるトコロが大きいのだが。

 さて1979年にパンクの大物達があれこれと問題作をリリースする中、ある種早々に成熟仕切ってしまったザ・ジャムというバンドの円熟期のアルバムとなる「Setting Sons」。ファンの間でもこのアルバムかその前の「All Mod Cons」かが名盤と言われていることが多いようだ。自分的にはファースト「In the City」なんだけど、まぁ、それは置いといて(笑)。

 確かに成熟しているというかゆとりすら感じさせる程のアルバムの出来映えで初っ端からThe Jam的ビートとコーラスによって聴くモノを惹き付けてくれるアルバム。でも、今になって聴くとちょっと若いかなぁという気がする。もちろんこのアルバムが作られた時ポール・ウェラー21歳くらいっつうからしょうがないけど、深みがちと足りない。うん、今改めて聴くと、だけど。小手先の部分では凄く凝っていることもしていたりトータルアルバム的に聴かせたりしてくれるんだけど、ちょっと子供だまし的な面もある…。何だろ?多分自分が年を重ねてしまったせい。作風的には悪くない。英国の王道の先輩諸氏のアルバム従ってThe Jamのビートもきっちりと出しながらの作品だから。

 でも、なんだかんだ言っても凄く英国らしいバンドだよね。このアルバムも裏ジャケなんて凄く英国的だしさ、音も軽快な英国ビートで…うん、思い入れがあんまりないだけにじっくり聴かなくなった作品かもしれない。好きな人は好きだろうなぁと思う。最後の最後に「Heatwave」のカバーが入っていて、これが妙に浮いている。なんだかんだとこのアルバム全ての曲がこのカバー曲に勝ててないのかな。ま、でも「Smithers-Jones」のストリングスアレンジによるロックは好きだけどね。

 同時代のバンドはクラッシュが「London Calling」、ストラングラーズが「The Raven」、ダムドが「The Black Album」だからなぁ…。


Public Image Ltd - The Flower of Romance 

The Flowers of Romance Second Edition

 セックス・ピストルズの幻想は後に続く世代に任せるとして自身はさっさと次なる野望と実験に向けて動き始めた。そもそもシド・ヴィシャスが参加した時点でセックス・ピストルズは単なる幻想と化したことを何よりも理解していたのはジョニー・ロットン=ジョン・ライドンだったのかもしれない。いや、多分そうだろうな。だからこそさっさとセックス・ピストルズを崩壊させて、しかもその年の内に新たなる野望を抱いた、そしてまた別の破壊的なバンドでもあるP.I.Lを結成する。ここで顔を出すキース・レヴィンだが、元々クラッシュのメンバーでもあり伝説のロンドンSSのメンバーでもあった。

 そんなP.I.Lの問題作、というか最高傑作、というか何これ?っていう作品が1981年にリリースされた「The Flowers of Romance」という作品。ノレないビートを中心に創り上げられたとしか思えない程ノレないサウンド(笑)。ジョン・ライドンのお経のような歌声から始められるこのアルバムは最初から土着民族的な音の嵐で、リズムにその傾向が顕著。しかし、しかし、だ、そこにもの凄く新しいエッセンスが投入されていることで最先端のロックへと進化させているのが凄い。多分それはジョン・ライドンのお経のようなメロディではあるんだけどただ単にお経を唱えているワケでもなく、そこはさすがに元祖ロンドンパンクス、滅茶苦茶熱い魂が込められているのだ…。

 それにしてもよくもまぁこんな音がアルバムとして、しかも1981年という時期にリリースされたものだ。とても売れるとは思えない作品だが、それもこれもジョン・ライドンという名前に委ねられるトコロが大きかったに違いない。作風的には多分トーキング・ヘッズとか一緒にされやすいのかなぁ…。まぁ、This Heatとかもあるけどさ、そういう印象で、とても一介のパンクス上がりの人間が作った作品とは思えないほど洗練された新鮮なサウンドだ。これだから英国の奥深さは面白い。

 ジャケットはかなり秀逸なもので、昔から気にはなっていたアルバムだけど、どんな評を見てもあまりロック心を刺激するような書き方ではなくって、アフロリズムに云々とか宗教的メロディ云々とかそんなんだったから手を出すのは遅かったな。ちょっともったいないことしたかなぁとは思うけど、まぁ、聴けただけ良し。コレ、多分若い頃に聴いたら好きになれないアルバムだと思うもん。こういうのに耳が行くセンスってなかなか難しいと思うしさ。ポップグループとかで慣れてれば良いんだろうけど、じゃなきゃ結構キツイんじゃない?今はもちろん自分も全然平気で聴けて楽しめるけどさ。

The Stranglers - The Raven 

レイヴン(紙ジャケット仕様) メニンブラック(紙ジャケット仕様)
The Stranglers - The Raven The Raven

 ロンドンパンクなんてのは一瞬のお祭りに近かったものだと、後になって歴史が証明していることは事実であるがそれでもまだそこに夢を見るということも重要で、だからこそまだまだパンクのリスナーでもあるんだよね。まぁ、プレイしている本人達からしたらそのままやり続けるワケにもいかなかった状況もあって、変化していくことを余儀なくされたものだ。故にクラッシュは新たな音楽性を採り入れてパンクは音楽性ではない、アティチュードだ、と言い切った。ダムドはどんどんとニューウェイヴの旗手となってルックスから何から全て変化することで乗り切っていった。ジャムはそもそもパンクというかモッズだったワケで、その後の活躍は十分に世に知れ渡っている。ピストルズはP.I.Lと名を変えて斬新なニューウェイヴサウンドを打ち出した。ここでも革命的なサウンドだったことでP.I.Lは重要なバンドとして語られることとなる。

 そして唯一無二の存在とステータスを維持し続けたのがストラングラーズ。もちろん変化していくし、その変化たるや他のバンドとは比較にならないくらいの変化だったりするんだけど、そのスタイルが妙に骨っぽい。アルバム「レイヴン」をきっかけに一気に内省的になった、と言われるが、リリース当時の1979年でこそ理解されにくいもので、そこから十年以上も理解されにくいままだったが、時を経てくるとこのアルバムの深みがだんだんわかってくるものだ。今ではストラングラーズの代表アルバムには必ず入るという地位まで確立してしまった。

 音的にどうか?別にパンクじゃないし、ヘタしたらロックとも云えないのかもしれない。ただカラフルに多様な音色を散りばめて淡々と、確かに内に向けて呟かれている音が中心。ただ、その音の一音一音が繊細で意思を持った音色に聞こえてくるくらいシュール。このアルバムは誰かに聴かせるとか誰かと聴くとかには不向きな、一人で闇の中でじっくりと向き合って聴くサウンド。最初は取っ付きにくい。それは間違いないね。でも聴いているとどれもこれもが名曲に思えてくるから不思議。そしてどこか大陸的な香りが漂っていて気分が大きくなってくる。決して明るい気分ではないけど(笑)。不思議だよな、それでもどこか夢見れるというかさ、いいんだよなこれで、みたいな気分になるんだもん。

 過去にはネズミを仲間に加えていたストラングラーズが新たにカラスを仲間に引き込んだ傑作、ジャケットも大胆なものだけど、音も斬新。激しさを求めて聴くなかれ、自己鍛錬との戦いになるから(笑)。どっちかっつうとプログレファン向きのバンドだよな…。

The Clash - London Calling 

 二枚組のアルバムがロックの名盤ってことになるのはなかなかしんどいことではないのかな、と思うが、実際にはそれなりにたくさんあるモンだなと不思議に思った。ここの所そんなのを意識していたワケでもなかったけど、各アーティストに一作くらいはそういうのがあって、ロック全体的にそういうボリューム感を評価する傾向もあるのだろう。まぁ、じっくり聴くと大概のモノは飽きてくるのだが…、しかしここ最近のCD世代のバンドなんてのは標準で80分なんだから凄いボリュームだよな。作る方はともかく聴く方はチャプターピッピッて飛ばして聴くんだろうな。だから音楽が軽い扱いになっちゃうんだよねぇ、きっと。いや、それはいいんだけどさ。ロックってのはもっと重みがあって欲しいものだ。

The Clash London Calling - The 25th Anniversary Edition Sandinista!

 The Clash 「The Clash London Calling - The 25th Anniversary Edition

 1979年、というか実際は1980年リリースのアルバムなんだよね。でも多くの資料を見ると何故か70年代のアルバム傑作選に入ってくるんだよ。気持ちはわかるが、そりゃウソだろ、って言いたくなることが多々…、実際ジョー・ストラマーもインタビューでそんなこと答えてた(笑)。

 そうだなぁ、このアルバムと「Sandinista!」はとにかく攻略するのに時間かかった。15年くらいかかったもんなぁ。「Sandinista!」よりはこっちの方が時間かからなかったけど、それでも結構かかった。そりゃ、パンクの勢いとか攻撃性ってのに惹かれてたワケで、それがいきなりこのアルバムでは多くがレゲエ・ダブへのアプローチなワケでさ、好き嫌いがはっきりと曲によって分かれてしまって、自分で編集して聴きたいと思ったくらいだもん。そういう聴き方しないから、どうなるかと言うと無理矢理アルバム全部を聴くんだけど、やっぱ苦痛になってきた時あるしなぁ。でも、ジャケットは滅茶苦茶かっこいい。コレ、ポール・シムノンがベースを叩きつけている所なんだよね。このイメージのままだと攻撃的なパンクなんだが(笑)。うん、でもやっぱ「London Calling」とか「Clampdown」てのは昔からのクラッシュらしい曲だしね、ちょっとクールでさ。他のはちょっとダラダラ過ぎるんじゃないか?なんて気がしてて、やっぱ二枚組の名盤ってのは難しいのかもな。

 なんて思ってるところにこないだリリースされたのが25周年記念盤の2CD+DVDっつうデラックスなヤツ。アルバム本編はともかく、ミック・ジョーンズの自宅から発見された有名なヴァニラテープ。要するにスタジオでのリハテイクっつうとこだけど、これがまたダラダラのセッションでさ(笑)、本編があれだけダレてるってことは、やっぱりリハ段階からかなりダレてるのがわかる。DVDではプロデューサーのガイ・スティーヴンスの気違いじみた様子がよく見れて、全くこれでレコーディングできたバンドってのは凄いな、と。フリーにしてもモットにしてもクラッシュにしてもよく付き合ってるわ。そんな妙な感動があった(笑)。

 うん、だからこの「London Calling」っつうアルバムなんだが、昔はそんなんであまり聴けなかったけど、時間と共に聴けるようになるとなかなか頼もしい。特にアルバム前半は粒揃いかもしれん。「新型キャディラック」は思い切りクールなロカビリーだし、「Jimmy Jazz」もクールにスウィングしたダブっつうか独特の音だね、いいよ、これも。で、「Hateful」は言葉の過激さから昔風のパンクかと思えば、もっと最先端のビートを効かしたボ・ディドリーのパンク編って感じかな。「Rudie Can't Fail」はねぇ、凄く良いクラブダブサウンド。ジョーのソロでもやってたけどじわじわと染みてくる名曲。…とまぁ、そんな感じに続くのでビートの効いたものはたまにスパイス混じりに、あとは妙なビート感とダブ感でロック界にこういうのを持ち込んだと言う意味での傑作かな。

The Clash - Sandinista! 


 単細胞で血気盛んなパンクを気取る若者達にレゲエやダブミュージックという音楽手法を用いて激しいだけがパンク=反抗ロックじゃないんだということを徹底的に教育してしまったザ・クラッシュの功績はあまりにも偉大だ。1976年から77年にかけてのパンクムーヴメントの中でいち早く音楽的な成長を遂げ、且つ従来からのパンクスの支持を失うことなく上記のような教育を施してしまったワケだから彼等は世界を変えたと云っても過言ではないはず。現代に於けるパンクスの定義の中にはしっかりとスカ・パンクやらダブ・パンクなんてのが入り込んでいて、レゲエとパンクの出会いは当たり前のように行われている。どれもこれもザ・クラッシュの偉大な功績。

 自分がザ・クラッシュを聴き始めてからもう20年近く経つが、彼等がやってることの意味が分かるのに15年はかかってると思う。言い方を変えると「London Calling」や「Sandinista!」という作品を理解するのに15年はかかったと云うことだね。もちろん初期衝動に通じる曲は最初から好きだったけどアルバム全部が好きかと問われればそうではなかった。やっぱりファーストやセカンドの方が好きだったし。今回取り上げたアルバム「Sandinista!」に至っては何でこんなつまらない冗長な曲ばかりたくさん入ってるんだろう?それで3枚組のレコードなんて面白くもなんともないぜ、ってな調子だったし。ホント15年かけてコトある毎に「London Calling」や「Sandinista!」を聴き直して聴き直してようやくなんとか彼等がやっていた音楽を好きになることが出来てきた。たかがイギリスの労働階級の若者が勢いに任せて作ったバンドのたった4〜5年の変化についていくのにこっちは15年だ。何てこった(笑)。そんなに振り回さなくたっていいじゃないか、ジョーと云いたくなるよな、全く(笑)。

 冗談はさておき、見事にパンク的ロックンロールとレゲエ、ダブに感化されまくった曲が多数同居した作品となった「Sandinista!」はCDになってからようやく聴きやすくなってきたって云う感じ。ロック的な曲を一枚にまとめて、その他を一枚にまとめて聴いてみると全く別のバンドのように聞こえてくるくらいだから面白い。そしてそうやって聴いた時、そのどちらもがかなりのクォリティで作られた作品と云うことに気付くだろう。もちろん冗談みたいに作った曲もあるので、それがハイクォリティとは云わないけど(笑)、それでも並べ直して聴くと納得感あるよ。…とは云え後半はそのままに近いけどね♪ミックスで携わっているジャマイカンプロデューサー業のマイキー・ドレッドによる影響は大きいし、でもそれが当時のクラッシュを面白い方向に導いているし、今考えれば正解だったよな、って思える。90年代後半になってからのジョーの作る曲を聴いていてもダブサウンドが中心になっているので、彼にとってのライフミュージックの基盤を築き上げた時期なんじゃないかな。そういうのを知ってようやく理解できた憎たらしい作品♪何てったってその後のジョーのメスカレロスってバンドの要でもあるタイモン・ドッグがこのアルバムで既に曲の提供及びボーカルまでやってるワケだからそりゃルーツにもなるわな。

 しかし…、やっぱ不器用なバンドだよな、ザ・クラッシュってのはさ。そう思うよ。でもかっこいい、それがロック。いいね。
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