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フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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Cocteau Twins - Treasure 

 天使っているのかな。唐突にワケのわからんこと書いてるが…(笑)。もちろん象徴としての天使って意味で良いんだろうけどさ。昔「天使とデート」っつうエマニュエル・ベアール主演のストーリーがすごくくだらない映画があって、一発で惚れたんだけど、そういうイメージなんだろうな。自分に今まで天使って人いたかなぁ…、と思ってみる…うん、いるな(笑)。そうか、天使っているんだ(笑)。そんなくだらない話はどうでも良いのだが、音楽の世界にも「天使の歌声」と呼ばれる美声の持ち主ってのは何人かいるワケで、人によっては思い出す歌手が違うんだろうね。まぁ、キャッチフレーズの問題だからいいんだが…。

 何度も書くんだけど1980年代序盤ってのは音楽シーンが目まぐるしく変化した時期で、ポップスの世界ではMTVの台頭でそれこそ様変わりをしていた時期。英国に於いてもメジャーシーンで活躍していたポップスターの名は何度かこのブログでも取り上げたんだけど、全く同じ時期、同じ英国のアングラシーン…ってもメジャーに出てきているのもあるけど、いわゆるニューウェイブ系のアングラシーンも実に革新的な世界が繰り広げられていて、こちらは表の華やかさとは全くかけ離れた世界が存在していたのだ。

「耽美系」

 今書けばそういう言い方になるのかな。いわゆる4AD系のサウンド。4AD=レーベル名なんだけど、ひとつのジャンルを確立しているのだ。自分もそれほど詳しくないけど改めて聴いてみるとこんなのもウケていたんだ…とかなり不思議になる音。いくつかあるので日を追って順に書いていこうかな、と。

Treasure
Cocteau Twins - Treasure Treasure
Cocteau Twins - Victorialand Victorialand

まずは代表的なものとしてコクトー・ツインズがあるよね。アルバムでは最高傑作と言われている1984年リリースの「Treasure」って作品が完成度高いみたい。音的な説明だとねぇ…、歌は正に天使の歌声と言われるエリザベス・フレイザー姫のケイト・ブッシュのような美声がアルバム全編を覆っていて、且つディアマンダ・ギャラス的な多重録音による効果と深〜いエコーをかけたエフェクトに彩られたなんともまぁ艶めかしい歌なワケで、決してポップではないけれど、どこか聴きやすいホントにまどろむ歌。バックの音は機械的なドラムマシーン的な音でリズムがゆっくりと叩かれて、他はもう効果音みたいなもんで、コレをロックとするかどうかっつうのはちょっと別の話なんだが…、詩的に書いてみると、明るすぎない三日月夜に湖を見ながら濡れた木々から滴り落ちる滴が月明かりと交わる…そんな雰囲気の音。…わからんよな(笑)。

The Stone Roses - Second Coming 

 1980年代の英国ニューウェイブサウンドの波から始まった流れはジザメリやスミスなどの完全にスタイルを確立したバンドからアングラなものまで様々なバンドを生み出しひとつの大きなシーンを形成していたけれど、1989年、ひとつのバンドがデビューしてから今までのモノ全てが古くなってしまった。

Second Coming The Stone Roses
The Stone Roses - Second Coming Second Coming

 ストーン・ローゼズ「Second Coming

 ファーストアルバム「The Stone Roses」のインパクトはさぞや強烈だったようだが、個人的にはそれほど入れ込む理由はないなぁ。ただ、時間が経ってから聴き直したりしてみるとやっぱり時代的な中では凄かったのかなと思う面もあるので、当時ハマった人には凄いインパクトだったんだと思う。周囲にもそう言うヤツいたしね。で、今回はそれから5年半後にモメにもめてようやくリリースされたセカンドアルバム「Second Coming」。さすがに同じバンドでもファーストとセカンドの間がこれだけ間が空いているとサウンドが根本的に変わるものだ。ファーストの頃のような音はほぼ鳴りを潜めており、もっとハードにドライブしている感じが多い。それは多分二曲目の「The Stone Roses - Second Coming - Driving South Driving South」の印象が強いからだろう。ローゼズっつうバンドがこんなのやるの?って思うようなサウンドで、俗にツェッペリンぽいと言われるのだが、まぁ、それは置いといてもグルーブ感というものはこのバンドの場合かなり凄いものがあるのは事実で、ファーストの頃からしっかりと打ち出されていたワケだが、それがセカンドでは更に強烈になったという感じかな。みんな楽器が上手くなったっつう言い方もある(笑)。「The Stone Roses - Second Coming - Daybreak Daybreak」のベースラインと曲のアレンジなんてのはかなり顕著なもので、時代性とか一切関係なしに自分たちが時代性だとでも言わんばかりに音を創り上げている。ただ面白いのはどれもこれもどこから切ってもやっぱり英国の伝統的な音を継承しているなぁというのがよくわかるんだよなぁ。そういうところが面白くてさ、だから時間が経つと聴ける作品になってくるのかもしれないな。

 結局バンドはこのアルバム以降集まって演奏することもなく解散したらしい。もう少し上手くやってればもっと稼げたのだろうが、もう十分なのかな。イアン・ブラウンは結構ソロでやっているみたいだけど、やっぱり昔の名前でやってますって感じだし、しょうがないんだろうなぁ。しかし英国にはこういうシーンを切り開くバンドが何年かに一回出てくるっていうのが素晴らしいね。

The Jesus And Mary Chain - Psychocandy 

 ノイズの中で甘味なメロディを奏でるという音楽手法は別に英国で始まったモノでもなく我が日本でもアングラシーンでは行われていたものだと思うが、英国のそれは決してアングラなままに終わらずにしっかりと世界に訴え出る程のインパクトと洗練された音を持っていたようだ。そしてそのような本来ならマイナーであるべきサウンドに興味を持っている若者が如何に多かったかということも音楽業界からすると驚きの動きだったことも確かで、まだまだ商業音楽だけという固定化された印象から徐々にニッチな音楽性にこそ根強いファンが付くという分散化された世界が始まったワケだ。

ダークランズ

 で、ソニック・ユース、マイブラと続いてきたのだが、その前に既にノイズとメロディ、そして耽美的なムードを売りモンにしていた英国のグラスゴー出身のバンド、ジーザス&メリー・チェインというネーミングまで印象的なバンドが存在していた。アルバムデビューは1984年と一方では80年代ポップス全盛期に全く裏を行くこのようなサウンドで世界に出てきただけのことはあって相当のテクニシャン、とは云えないのが面白い(笑)。ある意味雰囲気だけ、かも。ただねぇ、これ、凄い面白いんじゃないかな。一辺倒な調子ではなくってノイジーなものもあれば耽美的なムードのもあるという使い分けがアルバムの中でよくできている。演奏スタイルはかなりラフな印象だけどその分ロックだなぁ、と。パワー感じるモン。あぁ、アルバムのタイトルは「サイコ・キャンディ」ね。一曲づつこれがあれがと云えるほどよく知らないのだけれど、なんか凄い。別にハードロックやロックンロールだけがエネルギーを伝える手段じゃないってことがよくわかるし、新しい手法に乗っ取っての問題提起、みたいなね、そんなエネルギーを感じるよ。似たような…と言うか本来の原点であるディス・ヒートが既に提示していたことではあるけれど、時代に合わせた彼等の登場は全くナイスなタイミング。

 当時英国の中ではデュランデュランワム!みたいなヒットチャートを賑わすポップス勢と相反してこんなバンド群が水面下で一杯出てきていたんだよなぁ。中でもザ・スミスなんかはヒットチャートに曲を送り込んでいたし、ジザメリもきちんと英国チャート一位を獲得していたりするので、英国の中では実はその辺の線引きなんてのはないのかもしれない。当時子供心ながらにあれこれとまとめて聴いていた時は変わった音だなぁ、あんまり好きじゃないや、みたいな音の代表的なものでもあったけど、時間と共に解決していく音だったんだねぇ。そういうのって他にもいっぱいあるからさ(笑)。だから今見直す80年代ってのはなかなか面白いかも。

My Bloody Valentine - Isn't Anything 

 ニューヨークアンダーグラウンドサウンドの雄でもあったソニック・ユースのメジャー出現よりも若干先駆けてアイルランドのダブリンからとんでもなく先駆的というか退廃的というか不思議なサウンドを持ったバンドがメジャーシーンに躍り出てきたのが1988年。バンド名をマイ・ブラッディ・ヴァレンタインと呼ぶ。バンド名を見ると凄くかっこいいんだけど、普通に聴くとB級映画のタイトルみたいにも見えるのだが、実際は後者の意味で命名されたらしい。そしてこの頃の英雄バンドにありがちなのだが、アルバム数枚で沈黙していまうパターンで現在は商売する側は一生懸命色々なアイテムをリリースしているもののバンド側からの新しいリリースは特にない様子。まぁ、若者がメガヒット作品出してカネを手に入れてしまうともう何もしなくてもよくなるワケだから、そうなるんだろうなぁ、羨ましい(笑)。

Isn't Anything Loveless

 さて、そのマイブラの作品はアルバムでは二枚しかリリースされていない。それまでのシングルやミニアルバムなどをまとめたアルバムもあるので、興味があればそれらも聴くべきだろうが、まぁ、そこまでのファンでもないなぁ、ってことでまずはファーストアルバム「Isn't Anything」なのだが、ノイズまでは行かないんだけど、結構ハードなディストーションギターが全編を占めていて、そこにチカラのない歌が被さってくるんだけど、このメロディがかな〜りポップで良いのかな。何処か本能のままというようなサウンドなので心地良いっつうのはある。ソニック・ユースとはまたちょっと違ったクールなサウンドでね、もっとおしゃれっつうか洗練されているっつうかやっぱ英国的なトコロなんだろう。当時から割と変わった存在ではあったんだけど、時代を経て2000年になる頃には伝説化されているバンドのひとつで、英雄視されているみたい。一時期CDも全く手に入らない状況だったにもかかわらず、というかその時代にプレミアが凄いついていて、それで人気があるってことに気付いたのか伝説化されたみたい。結局今では再発されているはずだけどさ。

 クリエイションレーベルからのリリースなんだけど、この頃クリエイションとか4ADとかチェリーレッドとか色々と英国ならではの面白いレーベルがあって、個人的には音に興味のあるモノはそれほどなかったんだけどインディーズ的なレーベルシーンってのは面白いなぁと思って横で見てた。やっぱり60年代から変わらずにレーベル毎の個性ってのがよく出ているし、こだわりを持っているってのが良い。そしてしっかりとその中でもレーベルを支える売れるバンドを出すってのも面白かったしね。マイブラもそんなひとつのバンドだろうな。CD一枚40分ってのも良い。セカンドアルバム「Loveless」も路線は同じ作品で1991年にリリースされているけど、そこでこのバンドは沈黙に入る。立て続けに聴いていると飽きるものだが、単発でたまに聴くと凄くかっこよかったりするから困りモノだ(笑)。

The Stone Roses - The Stone Roses 


 短命ながらも80年代末ロック史に名を残したバンドと云えるのがストーン・ローゼズ。ザ・スミス解散後、イギリスの音楽シーンを語る上では必ず名前が出てくる、それどころかローゼズ以前とローゼズ以降で音楽性の違いを語られる事もよくあるくらいインパクトを放ったバンドとして名高い。こういう言い方をされるバンドってそうそうないからやっぱりそれなりのモノなんだろうな。

 実際聴いてみると確かにドラムのパターンなんかが顕著なんだけど従来のリズムを刻むというドラミングから大きく逸脱していて、今では当たり前になっているんだけど普通にスネアが入ってくるんじゃなくって、ハネるタイミングでスカンスカンと入ってくる・・・即ち歌うドラミングってトコか(笑)。面白いよなぁ、ロックのノリって一筋縄でいかなくってさ、何と言うのか・・・、グルーブっつうかイギリスのロックのノリなんだよなぁ。心地良い。決してギターがハードでもなければ歌がシャウトしてるワケでもないしましてや上手いワケでもない。でも凄いノリ。ファーストアルバム「THE STONE ROSES」からすでに堂々たるモノで、前評判も高かったんだけどやっぱりコアなファン達に訴求していた感が強いかな。

 いわゆるニューウェイブ(古い言い方だが)系列に属している方のバンドだったからハードロック系列の人間たちには聴かれなかったバンドだろうし、と言ってもパンク系列からも聴かれなくて、やっぱりザ・スミスなんかを聴いていた連中が好んで聴いたんだと思う。自分も周りにそういうのがいたから耳にしたワケであって、好んで聴かなかったしね。それでも時間と共に聴いているとさすがだな、と唸らせるモンはある。こちらもセカンドアルバムまで間が空いていて、なんでも一気に金持ちになったから別にバンドやらなくてもいいじゃん、みたいな感じだったらしい(笑)。ある意味ロックだよなぁ。

 で、その後リリースされたセカンドアルバム「Second Coming」がこれまた凄い。別に意識しなくて普通に曲作ってアルバムにしましたっていうだけでもしっかりとイギリスのサウンドで、今度は若干ハードドライヴィンサウンドに挑戦しましたっていうだけでツェッペリンの再来かと言われてしまう音楽を作り出してしまうワケさ。日本やアメリカという文化と学習だけでは決して作りえないサウンドをホント、イギリスのミュージシャンはいとも簡単に作り出してしまうんだから末恐ろしい。・・・っつうか羨ましい。同じ頃多数のマンチェスターバンドが出てきたんだけどどれもこれも短命だったな。結局センスだけでバンドやって音楽やってる連中が多いからこだわらないんだろう。それよりも自分たちがオリジナルなんだ、っていうサウンドを作り出す連中がイギリスには多いんだな。オアシスやザ・ミュージックなんかもそうなんだろうけどね。リアルタイムで知ってたけど、どっちかっつうと時を経てようやくコレもロックなんだなと認識してから聴いたバンドのひとつ。

The Smiths - The Smiths 


 ストラングラーズやダムドが築き上げてきた新たなる波=ニューウェイヴによる音楽表現論は英国の一部ではかなりの度合いで浸透し、ジョイ・ディヴィジョンXTCなどに代表されるサウンドをもたらしていた。70年代のロックからすると相当に異質且つポップ過ぎる、もしくはオモチャのようなこのサウンドは明らかに聴く者を二分する世代のリトマス試験紙ともなっているんじゃないかな。かく言う自分も当時からやはりあまり受け入れられた音楽ではなかった。が、しかし時が経ても世代を超えて残っていき、更に継承者がそれを超えるサウンドを取り入れいつしか70年代ロックと80年代ニューウェイヴを融合させたようなロックがロックシーンを牛耳るようにまでなってくる姿を見ていると、あながちこのニューウェイヴというロック論も見捨ててはいけない重要な要素と言うことに気付く。まぁ、音楽やロックなんてそんな風に聴くモノじゃなくていわゆる感性に訴えて好きなものは好きで、良いものは良いので聴くという姿勢で十分だろうけど、やっぱりね、根が真面目なのか「どうしてこれほど重宝がられるんだろう?」という素朴な疑問から新たなジャンルにトライするくせが身に付いているのかな。幸か不幸かシーンそのものをリアルに見ていたからオーヴァーラップさせた感覚で新たにチャレンジできるんだな。

 で、何をズラズラと書き並べているかと云うとザ・スミスについて語ろうなどとしている自分が少々不思議だからだ。元々ハードロック、ロックンロールが好きな自分がこのようなバンドと接点を持つなどと考えたことがなかったので、何か前説しないとな、なんて思うワケ(笑)。色々な仲間と出会う中でこういうバンドを真剣に聴いて好きでギターを弾くヤツってのがいて、決してセッションなんかできないんだけどギタープレイ一つ取っても全然アプローチが違うから新鮮でさ、何がルーツなのかと云うとこのヘンだったんだな。んで、興味を持つんだけど音楽的には興味がなかったりする。でもギターとか面白い。ん〜、、、ってのがあったんだ。でも今は素直に聴いている面があって大人になったなぁと自画自賛(笑)。

 ま、一応ほとんどのアルバムは聴いていて、どれも面白い要素があるんだけど、やっぱりこんなサウンドのくせに滅茶苦茶重い感のするファーストアルバムが一番良いのかな。決してポップではない、独自のニューウェイヴサウンドで、ダムドのゴシックな世界のサウンドが延長されているようなイメージ。ま、そんなに影響を受けてはいないと思うんだけどさ。その重いファーストアルバム、、、やっぱ相当ヘン。イギリス人だからなのか、作りがヘン。これがセンスなんだろうけどね。でも有名になった「This Charming Man」のギターリフなんてのは正に新たなる衝撃を受けるに相応しいセンスで、これは凄いと思う。Zepが創り上げたリフの世界とは全く異なるトコロで同様のインパクトを与えているとも言える。だからザ・スミスも伝説のバンドになっているんだろうね。アルバムではA面の暗さよりも当然この曲以降のB面の方が圧倒的に聴きやすくザ・スミスの本質を物語っている。ヘンなポップ、なのだ。ドラムは下手だし、モリッシーだって歌い手としては全然巧いワケじゃないしね。でも個性は凄い。ロックなんだな〜、こういうのってさ。

 以降のアルバムではやっぱり「ミート・イズ・マーダー」が80年代ロックらしくポップさとロックらしさとスミスらしさをきちんと出している作品だね。「Barbarism Begins At Home」のリフが凄く好きなんですけど(笑)。これも思い付かないロックだからかもしれん。まあ、今日はちょっと息抜き的に変わったのを取り上げてみたけど、ニューウェイヴの進化ってのも今やひとつのロック史なんだよな。

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