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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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Paul Butterfield Blues Band - East West 

 テキサスブルースの激しいスタイルとは異なるモダンなスタイルのシカゴブルース、どちらもブルースというサウンドの核とも言うべき代表的なスタイルの二つなのだが、好みが分かれるところなのかな。個人的にはもちろんどちらも好きだけどロックな気分の時はどうしてもテキサスブルースに傾く。逆にBGM的に気楽に聴きたい気分の時はシカゴブルースかな。まぁ、聴いていると結局ハマってくので一緒なんだけどさ。そんなシカゴブルースを間近で体感し、そのまま黒人の入り浸るトコロで物怖じせずにブルースを吸収しまくった子供達のリーダーを取ったのがポール・バターフィールドだった。そして同じトコロにはマイク・ブルームフィールドという稀代のギタリストがいた、ってのも凄いんだよな。

East-West East-West Live

 そんなバターフィールドバンドが1966年にリリースしたセカンドアルバム「East-West」。ファーストはかなりモダンなシカゴブルースを継承する白人ブルースバンドという印象でもちろんロックファンにも大いに受ける作品だったんだけど、このセカンドアルバムは時代の流れもあってかかなり実験的な要素を持ったアルバムだね。決してブルースに依存しているだけの作品ではなくって、個お後にやってくるサイケデリックムーヴメントを予期するかのような東洋的サイケデリックタッチの雰囲気が漂う。もちろん純然たるシカゴブルースの模倣作品も多いので全然楽しめるんだけど、それだけじゃない発展性が面白い。代表的なのはジャズの世界では有名なキャノンボール・アダレイの有名作「Work Song」なんてのをカバーしてたりね。そしてマイク・ブルームフィールドとエルビン・ビショップと言う素晴らしいギタリストが二人も揃ってるおかげでギターのバトルとハープのバトルが楽しめるのもこのバンドの醍醐味で、更にその楽しみはこのアルバムのタイトル曲で激しく交錯するんだなぁ。まぁ、もっともっとって期待する人はこのライブ盤「East-West Live」をオススメになるんだけどさ。うん、ブルースからちょっと逸脱した傾向のあるこのアルバム、時代の産物だね。

 1966年ってさ、ビートルズが日本に来た頃でしょ?まだポップなことばかりしていた頃で、ストーンズも然り、フーだってそんなもんだっただろうし…、そんな時にアメリカではこんなバンドが出てきていたってことで、まだまだアメリカの音楽の方が刺激的だったって頃なのかなぁ。もっとも他にはそんなに刺激的なバンドがないってのがアメリカの面白いところだけどさ、こうした比較をしてみると大きな違いがわかるよな…。やっぱ本場だもん。

Eric Clapton & B.B.King - Riding with the King 

 自分の曲を昔から憧れていたミュージシャンが取り上げて弾いてくれるというのは果たしてどんな想いだろう?プレイする側はどんどん持ってこい、ってなもんだろうけど、それにはそれなりのモノじゃなきゃ取り上げないだろうし、やはり光るモノがないけりゃ相手にしないだろう。しかしブルース界のキングと神と呼ばれる男達の競演アルバムでその夢が実現してしまった若者がいる。それがドイル・ブラムホール二世だったりする。云わずと知れたクラプトンとBBキングの共演アルバムとなった記念碑的作品にプレイヤーとしてだけではなく曲の提供者になっているのだ。

Riding with the King Deuces Wild

 もともとはBBキングの古い楽曲に再度スポットを当てていこうという趣旨の元だったが、クラプトンの大好きな「Key To The Highway」などいくつかわがままな曲を入れ込んでいったものだが、普通それだけで満杯になろうというものだがどういうワケなのか、先のドイル・ブラムホール二世のオリジナル曲が二曲ばかり取り上げられている。しかもBBキングとクラプトンの味がたっぷりついているのでそれはそれは極上の作品になっているのだが、そもそもそれにマッチした楽曲じゃなきゃ取り上げないだろう。そして意識して聴いてみると、確かにアルバムの流れにはピッタリ当てはまっているし他の楽曲と並べられても何ら違和感がない。「Marry You」と「I Wanna Be」なのだが、後者などは見事に古き良きR&B的コーラスを据えたものでまさかこれが新曲とは思えないような曲なんだな。素晴らしい。しかし面白いのはこの二曲、ドイル・ブラムホール二世の1999年の作品「Jerrycream」に収録されている曲で、ここでは至上の二人にカバーされたという見方でもいいのかな。まぁ、いずれにしても凄いことだし、若きドイル・ブラムホール二世にしてみればさぞや嬉しいことに違いない。

 そしてこのアルバム、深く語る必要もないくらいに素晴らしいブルース作品で、クラプトンの個性とBBキングの一発必殺の個性がぶつかりあったもので、ステレオで左右に分けられた一貫した録音も面白いものだ。もちろんフレーズも別物だし声も違うけど、一番はギターの音色一発。昔ならBBキングが一発弾いたらみな消し飛んでしまうくらいのパワーだったんだけどさすがにこの頃のクラプトンはそんなことでは消し飛ばないくらいのプレイを持っているのでスリリングに楽しめるものだ。ジャケットからして楽しそうだしさ、真っ先に飛びついて買ったもん。やっぱこういうスリリングな瞬間がブルースの面白いところですな。多分何度も録音したとは思えないしさ。その分ライブ感も良いしね。ちなみにバックはクラプトンバンドのお馴染みの面子で揃えられているし、そこにドイル・ブラムホール二世も参加している…、っつうかその前後にはもうクラプトンと仕事してるしね。

Doyle Bramhall II - Welcome 

 そのドイル・ブラムホール二世について少々興味を覚えたので幾つか調べて聴いてみたのだが…、どうやら1992年のアーク・エンジェルスの前に1988年にスチュー・ブランクと言う人の「Under The Big Top」という作品に参加しているのが最初のレコーディングセッションなのかな。その前ではジミー・ヴォーンのセカンドギタリストってことでファビュラス・サンダーバーズのツアー用員として参加したこととかあるらしい。そんなことでダブル・トラブルとは旧知の仲だったようだ。そこからアーク・エンジェルスになっていくんだな。しかし多彩なゲスト参加で名を広めていくのは2000年を超えてからなのでそれまでの何年間はやはりバンド活動やソロ活動で頑張っていたみたいだね。

ウェルカム Been a Long Time Bird Nest on the Ground
Doyle Bramhall II & Smokestack - Welcome Welcome
Bramhall - Jellycream Jellycream
Doyle Bramhall - Bird Nest On the Ground Bird Nest On the Ground

 ソロデビューは1996年、アーク・エンジェルスの時と同じゲフィンからのデビュー。その前の1994年には父親のドイル・ブラムホール「Bird Nest on the Ground」に参加している。自分的にこの人何者?って思ったのはロジャー・ウォーターズの「In The Fresh」でのDVDを見た時かな。日本公演は同行していなかったので見てないけどまんまギルモアのフレーズをコピーしていた若者でしかも左利きだから目立つんだけど歌も歌うし板に付いてるし、こんなのできる器用な人がいるんだなぁ、世界は広い、って思ったんだよ(笑)。で、後で聞いたんだけどこのオトコ、クラプトンとBB.キングとのジョイントアルバムに楽曲提供とギターで参加してるってことで何者なんだろ?って。まぁ、そっからはあんまり出逢わなかったんだけど…、とは言え、クラプトンの毎回の作品に何かしら関わっていることからそっちで有名になってきたのは風の噂に聞いていた。

 話を戻そう。で、結局ソロ作品は三枚くらい出しているんだけど、2001年の三枚目の作品「ウェルカム」を聴いてみた。うん、こうやって自身の個性を出したアルバムとなるとやっぱり音楽的な好みってのはわかる。古いの好きなんだねぇ(笑)。モダンな作風だけどやっぱりブルースからの影響が大きい感じでオールドロックファンならば嫌いではないリズムと音だろう。いくつかモロにレイ・ヴォーンっつうかジミヘンみたいなのもあって、好感が持てる作品かな。まぁ、それよりもダブル・トラブルのアルバム「Been a Long Time」の方が面白い気もするが(笑)。

Arc Angels - Arc Angels 

 1969年にジョニー・ウィンターのデビューアルバムでベースを弾いて同じくメジャーデビューしたトミー・シャノンだが、ディスコグラフィーを見ていくとこの頃にジョニー・ウィンターのバックでアルバム数枚弾いた後しばらくメジャーシーンには浮上してきていないようだ。そして突然スティーヴィー・レイ・ヴォーンと一緒にダブルトラブルというリズム隊としてメジャーに再度登場、これが1983年のお話しなのでざっと十年くらい地道に活動していたってことだね。多分メージャーとかなんとかあんまり気にしないで好きにベースを弾いていられればいいっていう人なのかな、流浪的で羨ましいなぁ。そういう人生も楽しいだろうしね。そんなトミー、というかダブルトラブルを上手く使おうとしたのが当時先鋭若者ギタリストだったチャーリー・セクストンで、なんとこの二人と共にアーク・エンジェルスというバンドを組み、アルバムをリリースしているのだ。

Arc Angels Been a Long Time ピクチャーズ・フォー・プレジャー

 メンバーにはもう一人職人的天才肌を持っているドイル・ブラムホール二世がフロントに立っているのだが、当時は全く無名で何者?って感じだったんだよな。やっぱチャーリー・セクストンのブルース挑戦バンドって感じで見てたもん。しかしドイル・ブラムホール二世がこれだけメジャーになってくるとそうだっけなぁ…と改めて聴き直してみるんだけど、まぁ、まだまだそんなに個性的ではないんじゃないかな。ちなみにこのアルバム大抵どこの中古屋さん行っても安値で見かけるのでいいかも。ブルース、っていうジャンルには収まらないっつうかそこまでハマり込めていない作品だと思うんだよね。多分それはチャーリー・セクストンのギターのせいかもしれないけれど、ロック的というのかちょっと違う。一方でドイル・ブラムホール二世のギタープレイとか歌とかはどうかと言うと、これもやっぱりブルースしまくってるってのとはちょっと違うかなぁ、ただ二人ともフレーズ的にはブルースフィーリングを出しているのでそこに向かおうとしているのはわかるんだが(笑)。若さが邪魔なのかな…。

 そんなアルバムだけど普通に聴くとかっこいいのはかっこいい。ただ少々飽きるだけだ。どこかかっちりとしてしまったダブルトラブルのリズム隊ってのはあんまり面白いものではないしフロント二人が一生懸命頑張っているのをサポートしている親父二人っていう図式に見えてしまうんだよね。別に悪いモンじゃないけど…、案の定アルバム一枚で解散。それからチャーリー・セクストンは放浪の旅へ進み今では何処へ?って感じ。ドイル・ブラムホール二世は数々のセッションに参加し、ロジャー・ウォーターズのライブで抜粋されてその後クラプトンと一緒にプレイして天才の片鱗を開花させているようだ。2001年にはダブル・トラブルの二人を中心とした新作が出ているんだけどその中にアーク・エンジェルスとしての新曲が収録されている。もちろんオリジナルメンバー全員参加♪このアルバムは結構骨太で面白い作品みたいね。

Johnny Winter - Second Winter 

 白人によるブルースのスタイルっつうのはそれだけでひとつの個性的なジャンルになってるし、それも英国人の場合とアメリカ人の場合では似て非なるスタイルに進化していったというのも面白い。英国ではやっぱり間接的に影響を受けていってそれを見ていた連中がまた影響を受けて…みたいな流れだったので進化の過程で英国らしくなっていったんだな。アメリカの場合はモロに酒場でやっている黒人ブルースメンのライブを目の前で見ていた盗み、自分のものにしていった変わり者の白人連中が世に出てきて、しかも若いのでエナジーを強烈に受け止めて発散するというエネルギッシュなスタイルに仕上がっていったわけだな。とりわけテキサスブルースに代表されるそのアグレッシブさは個人的にもの凄く好きなんだけどね。

Second Winter ジョニー・ウィンター
Johnny Winter - Deluxe Edition: Johnny Winter Deluxe Edition: Johnny Winter
Johnny Winter - The Progressive Blues Experiment The Progressive Blues Experiment

 んなことで同じような流れでメジャーシーンに躍り出てきたのがジョニー・ウィンター。1969年アルビノ種、そして100万ドルのギタリストとして話題になった超絶ギタリストなんだけどね。この最初期でベースを弾いているのが後にスティーヴィー・レイ・ヴォーンのダブルトラブルでベースを弾いていたトミー・シャノンってことでこの人実はそんな古くからブルースシーンで活躍していた人なんだと改めて驚いた。もちろん年食っても出来るジャンルだから不思議はないけど、そう考えるとレイ・ヴォーンって凄い恵まれた面子だったんだなぁ。さてさて、このジョニー・ウィンターなんだけど、ファースト「ジョニー・ウィンター」のちょっと垢抜けないブルースアルバムよりもセカンドの「Second Winter」の方がロックファンには好まれるだろうね。ブルースっつうよりもブルースロック、どっちかっつうとギター弾きまくりのギタリストアルバムでブルース云々はルーツの話でそれを訴えかけているモンでもない。ただただ弾きまくってるアルバムで、凄い心地良いよ、これ。もっともっと聴かせろ〜ってくらいに弾いてるからさ(笑)。スタジオアルバムでここまで弾きまくるってのはあんまりないかもしれない。丁度過度期っつうのかロックの世界がどっちに向かうのか誰も分からない時期で激しいロックがどんどん出てきていた1970年のリリースだからこういうのアリだったんだろうな。この人の場合カバー曲でも何でも自分のモノにしてギャラギャラと弾きまくるっつうのも常識的なのでこのアルバムもそんなカバー曲がいくつか入ってる。バンジョーやサックスを絡ませたご機嫌なナンバーなんかもあってホントすっきりと楽しめる作品だな。

 それとアナログ時代にはこのアルバム…、っつうかこのアルバム以外に見たことないけど3面盤の2枚組アルバムなの。要するに2枚目のB面に溝が掘られていないっつう珍しいリリース形態だったね。レコードってホントにビニールでできてるんだって思ったもん(笑)。もちろんCDになってからは一枚に収録されちゃうんだけどね。

 そうそう今じゃレガシーエディションなんて2枚組CDがリリースされてて、ボーナストラック2曲はともかくディスク2の1970年4月のライブは相当熱いライブで初っ端のギターの何とも言えない音色から始まり弾きまくり。やっぱこの人は弾きまくらないと気が済まないんだなぁと感心しながら耳を傾けてしまうよね。こんだけ弾けたら気持ちいいよな、そりゃぁさ(笑)。

Johnny Winter - 幻のLive In Japan 1990 


 1990年3月、遂に伝説のギタリスト、ジョニー・ウィンター来日!って言う宣伝文句で売り出されたチケットを当時はもちろんネットもないから新聞で初めてニュースを知って、どうやってチケットを取るのかと読んでたら滅茶苦茶マイナーな呼び屋のM&Iカンパニーの青山にある事務所でしか販売しないってことでさ、そこまで出向いてチケット買いに行ったんだよ。多分年末か年始かそのくらいの凄く寒い日が発売開始日でさ。到着してみるとこれがまたえらく狭くて小さな事務所…っつうかマンションの一室みたいなトコロで、なんだこりゃ?って驚いたんだけど、まぁ、しっかりとチケットを買ってワクワクしていたわけだな。

 しかし、しかし、しか〜〜〜〜し、だ、当日になって意気揚々と会場だったMZA有明まではるばると、ほんとに遠かった記憶があるのだが、はるばると行って到着してみると入り口にはなんと…

 「本日のジョニー・ウィンターの公演は本人事情のため公演中止となりました。払い戻しはM&Iカンパニーの事務所で行います。」

 …みたいに書かれた張り紙がしてあってさ。そりゃもう落胆よ。もっと早く情報流せよ、っつうのがひとつ。で、やっぱ何でだよ、ってのがひとつ。まぁ、当日はしょうがないからその足でM&Iカンパニーの事務所まで行くんだけど夜だからもちろん事務所開いてなくってさ、更に激怒状態。フザケやがって…、って感じだよ。で、後日また青山まで行ってチケット払い戻すんだけど詫びのひとつもなくって、チケット代だけ払い戻しで、結局交通費とかお前、金かかってんだからちっとは誠意を見せろ、とか思ったな。あの時はアタマ来たなぁ。

 それはともかく、やっぱり見たかったギタリストだから凄く残念。その前にビデオで凄いの見てたから生で見てみたかったし、初来日ってことは昔からのファンでも多くは生で見るのは同じ時っつう、なんか自己満足もあったしね(笑)。でも決してジョニー・ウィンターが嫌いにはならなかった。何でか、って…、ひとつはその怒りはM&Iカンパニーの不手際詐欺行為に近いものだと思い込んでたから。

 しかし、当時聞いたウワサでは、何と同時期にポール・マッカートニーが初来日かな?知らないが、同じような日程で来日公演を東京ドームで行うってことで、そのリハーサルとしてMZA有明が使われたために、ジョニー・ウィンターの公演がキャンセルされたっつうものだった。それで余計にポール・マッカートニーが嫌いになってさ(笑)。今でもだけど。冷静に考えれば別にポールの知ったことではないんだが、それでも腹が立つ。その横暴さが許せんって感じ。

 が、さっきネットでその頃のコト誰か書いてるかなと思って調べてみたらアチコチにあって、そこには「アルビノ患者の用いるクスリが日本の薬事法では認められていなくて来日ができなかった」ってことらしい。う〜ん、ホントかウソか知らないがそういう説もあるのか、と納得してしまった(笑)。が、ポール嫌いに変わりはないので今更しょうがない(笑)。

 んなことで、当時来日公演だからってことで一生懸命聴いた「The Winter Of '88」とか「サード・ディグリー」ってのがリアルな記憶かな。実際よく聴いたアルバムは「Live Johnny Winter And」とかファースト「ジョニー・ウィンター」だけど。

Johnny Winter - Live Rock Masters: Busted In Austin Live Rock Masters: Busted In Austin
Johnny Winter - Deluxe Edition: Johnny Winter Deluxe Edition: Johnny Winter
Johnny Winter - I'm a Bluesman I'm A Bluesman

Les Paul - The Legend of The Guitar 

All-Time Greatest Hits ベスト・オブ・レス・ポール&メリー・フォード 90歳バースディ 記念エディション Les Paul
 レス・ポール…もちろんあのギブソンのレスポールというギターをイメージする人の方が多いだろう。そしてその美しさと音色はロックの世界では伝説のものでもあり、特に1958年、59年に作られたレスポールモデルについては天井知らずの値段が付くともいわれるくらい美しく、特色のある音色を誇る代物である。それをあのジミー・ペイジはもちろんメインギターとして今でも使っているのだが…。そしてそのレスポールモデルの生みの親はアメリカ人カントリーギタリスト奏者のメカおたくが生み出したモノということも知っておかなければいけない。

 2005年に90周年バースデイCDがリリースされているくらいだからそれくらい長く生きている人なんだけど、活躍した時期は1950年代後半からで、メリー・フォードの歌とレスポール氏のギター演奏によるモロにカントリーというカテゴリに属するのかな…よくわからないんだけどね、今の音楽のレベルにはないサウンドなので凄く不思議感があるんだよ、ホント。こういうのってどういう風に辿り着くと出来上がるんだろうか?って思うくらいに独自。多分、自分が音楽知らないだけなんだなぁと痛感する次第です。チェット・アトキンスなんかとも一緒にやってたりするのでそういうギターを弾く人なんです。そうだね、言い方をロック的にすると、ヴァン・ヘイレンやイングヴェイよりも早弾きで正確無比なピッキングなことは云うまでもなく、多分早弾きしている小節が滅茶苦茶長い。わかりにくいかな…ロックだと早弾きっていってもそれが16小節くらいしか続けないんだよね、サウンド的に、多分。 それがこの人のジャンルでは曲中全部早弾きなワケで、カントリータッチとしては当たり前なんだろうな、こういうの。でもってもちろん歪んだギターの音じゃなくってクリアーでマイルドな、もうレスポールでしか出せないギターのサウンドで迫ってくるのさ。この音も不思議。もっともレスポール氏は自分のモデルと同じくらいギブソンのセミアコモデルも使っていたみたいだけど。それでもレスポールにアームを搭載してオリジナルモデルを作ったり、ともすれば4chのMTRなんてのも彼の発明だし、エコーマシンも彼の発明らしいのでプレイヤーとしてだけでなく現代まで引き継がれている機材の基礎も彼の手作り機材から始まっているのだ。うん、凄いんだよこの人。死んだら絶対語り継がれる偉人になると思う。

 そんなレスポール氏のプレイは今ではありとあらゆるベスト盤なんかで聴けるので是非聴いてもらいたいし、著作権切れというのもあるのか異常に安いのであってもいいんじゃないかな。で、もっと驚くのは実はビデオ「Living Legend of the Electric Guitar」だったりするんだけど、DVDでは未発売で、「Les Paul」というタイトルくらいしかDVDでは出てないみたいで、これは中味知らないけど多分ビビる内容だと思うのでオススメだろうな。こんなこと書いてても、BGMとして聴くには滅茶苦茶適したイージーリスニングの音楽なのも凄いところ。ロックではないけど、ロック界に多大なる影響を及ぼした人の一人だね。ああ、スーパーセッションの流れでレスポール氏を囲んで、みたいなビデオも出ていたな。これも凄かった…。

Stevie Ray Vaughan - Texas Flood 

Texas Flood Couldn't Stand the Weather ライヴ・アット・モントルー 1982 & 1985

 ジミヘンフォロワー多しと云えども、今まで見た中ではどれもこれもがやっぱりモノマネレベルばかりでジミヘンの真髄というものに近づいた人はいなかったように思えるが、唯一独自性とジミヘン性を持ち合わせた天才ギタリストがいた。

 スティーヴィー・レイ・ヴォーンだ。

 もちろんジミヘン云々は関係なく、彼自身がとんでもなく素晴らしいブルースギタリスト、ミュージシャンと言うことは皆が皆承知していることだろう。1982年モントルージャズフェスティバルで行われたブルースナイトに出演していたレイ・ヴォーンと彼のバンド(オーティス・ラッシュの曲から拝借したらしい)ダブル・トラブルは見事に白熱したプレイを繰り広げていて、その模様は今ではDVD「ライヴ・アット・モントルー 1982 & 1985」としてリリースされているので正に歴史の目撃者になれるのは幸せなことだろう。なぜなら、このライブを見てぶっ飛んだデヴィッド・ボウイが速攻でレイ・ヴォーンに次の自分のアルバムへの参加を要請し、それは「Let's Dance」というアルバムで実現することとなり、奇しくもボウイ最大のメガヒット作品となったために、シングル「Let's Dance」で聴けるエグイギタープレイは実に多くの人に聴かれることとなり、一躍その筋にはスティーヴィー・レイ・ヴォーンという名前が広まったのだ。この時同時に衝撃を受けた人の中に名プロデューサーとして名高いジョン・ハモンドもおり、即座にファーストアルバムが制作されることとなり、その録音はもちろんトリオ編成による普段の下積みライブ一発録音による、文句なしの傑作が完成し、時代はニューロマンティックスMTV全盛期の1983年6月にリリースされるのだ。

 「Texas Flood」と題されたこのアルバムには当時のシリアスなロックファンが求めていたサウンドが全て詰め込まれていたと言っても過言ではない出来映えで、往年のロックに必須であるブルーステイスト…どころか伸びやかなエモーショナルブルースギターがバリバリに奏でられ、且つスピード感に溢れた一言で言うと「かっこいい」ロックソング満載でジミヘンを彷彿とさせるそのプレイはテクニック的にも最高峰に近いものだった。う〜ん、かっこつけて書いてもダメだな(笑)。とにかくこのファーストアルバムは何度聞いてもコピーできないくらいのロックスピリッツとギターフレーズが揃ってていて、どれもこれもが本当に痺れるよね。個人的にリアルタイムで入ったのはセカンドアルバム「Couldn't Stand the Weather」からで、ファーストアルバムと共にひたすら聴きまくったなぁ。セカンドアルバムも一曲目の「Scuttle Buttin'」の初っ端のギターフレーズなんてヴァン・ヘイレンよりも早いギターフレーズ弾いてるぞ、コレ。アルバム的にはもちろんセカンドアルバムの方が余裕もあるしサウンドの幅も広がっていて結構ゴージャスな感じで良いね。

 蛇足なんだが…、レイ・ヴォーンが不運なことにヘリコプター事故で亡くなったのが1990年8月27日なんだが、自分は確かその日時にとあるライブハウスでライブをやっていたんだよな。それで結構鮮明にその辺のニュースを聞いたのを覚えているんだよね。ま、別にブルースやってたわけじゃないから関係ないんだけどさ。しかしレイ・ヴォーンって白人なのに往年のブルースメンやジミヘンと一緒に語られても全然違和感ないし、ジミヘンのブルースメンとしての側面もきちんとフォローできていて、魂でギター弾いてたもんなぁ。白人でこれだけ弾ける人っていないよ。あとはね、やっぱライブのビデオが一番いいな。

Savoy Brown - Getting The Point 


 英国三大ブルースバンドと呼ばれるフリートウッド・マック、チッキン・シャック、続けてサヴォイ・ブラウンが挙げられる。そういう意味ではピーター・グリーン、ジェレミー・スペンサー、スタン・ウェッブに並び表されるのはキム・シモンズだね。本来の意味でのファーストアルバムは別にあるんだが、結局メンバー全員総入れ替えってなってるし、その脱退したメンバーは後のフォガットというブギバンドを結成することになる。今回それはおいといて(笑)。そのサヴォイ・ブラウンの実質上のファーストアルバムとなる「Getting The Point」が代表作として挙げられるんだけど、昔から先入観でイマイチ聴く気にはならなかったアルバム。理由はいつも通り単純(笑)で…ジャケットが意味不明だったから。やっぱジャケットの持つインパクトは重要だよなぁ。これでこんなに渋いブルースバンドって言われてもなかなか手を出さないと思うんだけどね。

 で、中味はどうかと言うと…、これまた渋いモロのブルースで悪く言えば全くオリジナリティがない…とは言わないけどさ、いや、もちろんいくつかの楽曲に於いては凄く個性的なリズムやリフだったりするんだけど、基本的なトコではモロのままなんだよね。それともちろんギタリスト的には凄くタメになるし、絶対コピーしてフレーズを確認すべきアルバムなのでその辺はオススメしたいし、聴いているとこの時期の英国ブルースを志す若者達からの絶対の支持者はフレディ・キングなんだなとヒシヒシと感じるくらいにそれらしいフレーズが散りばめられている。ま、BBキング的なトコもあるけど、やっぱフレディ・キングの影響は大きいよな。その辺は凄く素直に聴けるトコなんだけど、聴いていて物足りない。何がって…なんでこんなに早くフェイドアウトしちゃうんだろ?って曲が多くて、もっともっと弾きまくって感動させてくれれば良いのに…、この辺がクラプトンとのこだわりの違いなのかな…。凄いいいフレーズをビシバシ決めてるんだけど熱いバトルにはならなくって、それが英国的で面白いと言えば面白いし、本場ブルースを好きな人からすると物足りない。…その背景に、この1968年リリースという時代だからまだ3分間ポップスの概念も残っていて、売れるためには短めの曲を…ってことでフェイドアウトでメンバーが納得してたとしたらちょっとなぁ、魂売ってるかなぁと深読み。

 ちょっと意地汚く見てる面はあるけど、サウンドと内容はモロ黒人ブルースのまんまなので興味深い。が、やっぱりどこか何か土着ブルースとは大きく異なっている、って感じるのは偏見かな。もっともっといっぱい聴かないとダメかもしれん、うん。

Chicken Shack - 40 Blue Fingers, Freshly Packed and Ready to Serve