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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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Chris Squire - Fish Out of Water 

 アトランティックが産んだ世界的なロックバンドってのはいくつもあるが、その中には多分イエスってのも入ってくるだろう。個人的にはあまり好きではないバンドではあるけど、楽曲のレベルの高さとか個人の技術なんてのはかなり凄くてやっぱり聴かざるを得ないバンドでもあるね。いや、もちろんプログレ好きだから大体のアルバムは聴いたし、今でも持ってるんだけど好き嫌いでいくとあまり得意ではない…。多分ジョン・アンダーソンの声質が苦手ってのが大きい。なので、かなりウケの良い、それ自体で名作と言われているクリス・スクワイアのソロアルバムなんてのはどうだろう?ってことで入手した経緯がある「Fish out of Water」というアルバム。

Chris Squires Swiss Choir

 1975年リリース、メンツは見事にプログレッシブスペシャルプレイヤーの集合体で、ドラムにはブラッフォード、これで既に鉄壁のリズム隊完成。鍵盤にパトリック・モラーツがいるのでここまでは「Relayer」時のイエスだな。で、どこにでも顔を出すロック界では数少ない、そして素晴らしいサックスプレイヤーにメル・コリンズ、フルート系にはジミー・ヘイスティングという豪勢なメンバーでレコーディングされたアルバム。ギターはクリス・スクワイアが適度に弾いているってトコだけど、正直言ってほとんど不要とも言えるな。歌もクリス・スクワイアが自分で歌っているんだけどさ、これがまた不思議なことに、どう聴いてもジョン・アンダーソンに酷似した歌い方、声質で、好きでああいうイコライジングして似せているんだろうかと思うくらい。

 そして楽曲群は素晴らしく英国的サウンドで、プログレッシブというか田園牧歌的なのどかさをしっかりと出しているけどベースが前に出まくっていて、それだけはソロアルバムだなぁ〜って感じ(笑)。全体感で言えば、もうハウのいないイエスと言っても成り立つぜ、これ。なんなんだろうな、この聴きやすさっつうかポップ感覚ってのは。どう聴いてもイエス的プログレなんだけど辛さとか暗さとか重さとかがないから取っ付きやすいんだろうか?イエスもそうだけど軽いんだよね。でもクリス・スクワイアのベースなんてベキベキ鳴ってるからそれで軽いってのもヘンだが…。

 いやぁ、ソロアルバムでも5曲しか入っていなくて、10分超えの強烈なインタープレイを展開しているのが2曲もあって素晴らしいんだけど別にソロアルバムでこれやんなくてもいいんじゃねえか?とも思ってしまうが、こうして聴くとやっぱりこの人がイエスの心臓なんだなと思うワケだ。しかしこれだけ構築されてる世界にすんなりとギターを入れられるスティーブ・ハウって人の才能は素晴らしいな、と全く別の側面が見えたけど(笑)。

Procol Harum - Grand Hotel 

 クラシックとロックの融合…、古くから使われてきた言葉だし手法でもある。そしていくつものアルバムでそれが上手く融合した例もあるし、全く面白味のないものもある。しかし今でもロックの世界ではオーケストラが使われることは多いし、やはりクラシックとの融合という手法は当たり前に行われるようになってきたと考える方が自然かな。だからあまりそれを仰々しく書くようなこともないのかもしれん。こないだまでハマりまくっていたフィメールゴシックメタルだってやっぱり美しい音世界の構築=クラシックからの手法論がモチーフになっているワケだし。

Grand Hotel 異国の鳥と果物

 時代は1973年、というか1967年からなのだが正にロックとクラシックを融合した、と言うかその頃は未だロックですらきちんと確立されていなかったから、クラシック要素を最小単位のバンドが演奏するとこうなります、というお手本を提示し、更にそれがスタンダードになってしまったというプロコル・ハルムの「青い影」はあまりにも有名でしょ。荘厳さ漂うオルガンの音の中で美しメロディを聴かせてくれるアレです。

 でも一般的にはこの「青い影」の他にプロコル・ハルムってバンドの曲やアルバムなんて知ってる人少ないんだろうなぁ、と。ロックファンでもそう多くないんじゃないだろうか?このバンドも結構話題に上らないバンドのひとつで、実は色々な人が出入りしているしアルバムは多彩だし、実験精神も旺盛でサウンドは実に英国的だしという面白いバンドなのだ。かく言う自分もこれだけブログで英国ロック〜って書きながらついぞ思い出すことなく書くのは今回初めてだったりする…、はい、それくらい地味、というか目立たないバンドなんです。そういえば昔ほとんどのアルバム買い揃えて聴いていたなぁ〜と思い出した次第なんだが(笑)。

 で、その中で一番荘厳で雄大で感動的ですらあったアルバムはと言うと「Grand Hotel」っつう作品だったのだ。アナログで聴いていた時からそういう印象だったのできっと今のリマスターCDで聴いたら凄く広がりのある音になっているのかなと好奇心が疼くモノの、まだまだCDを買い直すっつうとこには行かないのもこのバンドだからだろうか?いや、そういうワケではないが(笑)。何というのかな、バンドがあってオーケストラがある、っていうんじゃなくてオーケストラがバンドと同じレベルで存在していて、一緒に楽曲を演奏しているという一体感が融合の成功の事例だと思うんだけど、正にそんな感じで多分メロトロンとかで誤魔化して作っていなくて全部ホンモノのオーケストラ使ってるからその荘厳さは圧倒的だし、気品あるっていう言葉になるのか、様式美の美しさを物語っている作品。だから当然ながらロックだぜ〜って言ってる音楽からは全然かけ離れたロック…、というか英国音楽、だな。ムーディー・ブルースやBJHもそうだけどプログレっつうよりはシンフォニックロック、それよりも英国音楽という特殊ジャンルを形成しているバンド群だと思うモン。

 この後の「異国の鳥と果物」とこの「Grand Hotel」は彼等の音楽的最高傑作を極めた作品で、前者はジャケットも素晴らしくて是非アナログで欲しくなるもの。「Grand Hotel」もジャケットからして貴族的な印象だし、素晴らしいよね。

The Moody Blues - Every Good Boy Deserves Favour 

 コンセプトアルバムの勇者と言えばザ・フーの「Tommy」だったりフロイドの「The Wall」だったり、ちょっと下がって並び称されるのはキンクスの「Village Greeen Preservation Society」だったりプリティ・シングスの「S.F.Sorrow」だったりと、まぁ、色々とあるのだが、大体話していても話題に上がらずに終わってしまう偉大なる英国のコンセプトメーカーバンドというのが実はムーディー・ブルースではないかと。っつうか初期の頃は出すアルバム出すアルバムほとんどがコンセプトアルバムとして打ち出されているワケで、何を今更というようなことだったのかもしれないね。

童夢 デイズ・オブ・フューチャー・パスト
ムーディー・ブルース & ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団 - Days of Future Passed Days of Future Passed
ムーディー・ブルース - To Our Children's Children's Children To Our Children's Children's Children

 そんな中でも最高傑作として言われているアルバムが1971年にリリースされた6枚目のアルバム「童夢」。もちろんどれもこれもが水準の高いプログレッシヴ…というかどうかは別としてサウンドを奏でているのでその中でも最も取っ付きやすいアルバムが「童夢」というだけなのかもしれない。ジャケットの神秘さ、原題タイトルは「Every Good Boy Deserves Favour」と頭文字を取ると「E G B D F」っつうコード進行となるワケさ。そんなところからしてコンセプトアルバムです(笑)。いや、そもそも超有名な「サテンの夜」っつう曲が入っているファーストアルバム「デイズ・オブ・フューチャー・パスト」だって一日の模様を朝から夜まで物語るというコンセプトの元で作られていたワケで、そういうバンドなんです。ただ、どういうワケか一般的に認知されにくいというか、あまり話題に上らないグループですな。

 多分ねぇ、演奏とか曲の構想とか構成、展開ってのは結構プログレッシヴバンド以上のものを持っているんだけど、基本的に牧歌的でメロディもフワフワした感じで切羽詰まるような感覚やスリリングさは一切なし。更にここの演奏力がとんでもなく優れているというワケでもなく、専属のボーカリストもいないのでみんなで歌う、みたいな曲が多くてアイコンがいない、さらにギターヒーローがいたワケでもなく、スタープレイヤーがいなかったんだな。だから聴く側もどこか意識が分散されてしまっていたのかな、と。

 それで、このアルバム「童夢」は捨て曲なしで、どれもこれもが牧歌的で美しいコーラスとメロトロンに包まれた作品。統一感が凄いので聴きやすいし、これでプログレバンドとは言われないでしょ。ムードメーカー的な曲がやたらと曲を盛り上げてくれるという荘厳な世界です。そうだな、自分的には冒頭「Desolation」「Confusion」とかのけたたましい轟きが好きでね。それがB面一曲目に曲として出てくるあたりが面白い。もちろん初っ端の印象が強いからB面最初でもしっかり残ったまま聴けるっつうとこだね。ホント、どれもこれも基本的にアコギでメロディアスに作ったんじゃないかと思うくらいに素朴。そこに壮大なアレンジを被せているだけなんだが、これがまた壮大すぎてハマる(笑)。そういうバンドで、そんな傑作がこの「童夢」だね。

Genesis - The Lamb Lies Down on Broadway 

 ロック二枚組名作選というワケでもないけど、せっかくなのでちょっと続けてみよう〜って思って見つけてきたのがジェネシスの「眩惑のブロードウェイ」。う〜ん、実は前にも書いたけど自分的にはジェネシスって全然聴かない部類のバンドだったりする。多分音的にプログレなんだけど音が軽いのと歌が好きじゃないんだと思う。あとはまぁギターが歪んだ曲ってのが多くないからかな(笑)。よくわからんのだけど、昔から何度も何度も挑戦しながらもハマることが一度もなかったんだよね。不思議だが。聴いてみると確かにプログレらしい音出してて、それこそ正に英国のミュージシャンの多くが好んだバンドっていうのもわかるんだが…、不思議だ。

ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ Live
ジェネシス - The Lamb Lies Down On Broadway

 それでもまぁもちろんピーガブ時代は何度も聴いているんだが、どれが良かったか?と問われると難しい。だが、なんか難解そうで面白そうだったのが「眩惑のブロードウェイ」っていう二枚組だね。あちこちでレエルという少年が云々っつうストーリー性が重要で、その世界は独特の解釈と実に英国的で高尚なものなのだというのを読むんだけれど、もちろん歌詞カードをきっちりと読んで解析したことなんかないからよく知らない。ただ、ピーガブのやりたいことはこれで全部やり尽くしたんだろう、というくらいの悲愴感っつうか勢いっつうのはよくわかる作品。特にアナログで言うところの1枚目に凝縮されているし、二枚目も後半からまた素晴らしくなっていくんだよね。凄いな。ただなぁ、どこか喜劇的っつうか演劇的っつうか、やっぱ声、なのかな、ダメなのは。メロトロンとかはすごく良いんだけどねぇ…。フィル・コリンズのドラムも凄く上手いしさ、この後の彼の奇行…ではなくポップスへの進出度を考えると実に不思議なんだけど、きっと芯からミュージシャンの人なんだろうね。

 話がどんどん逸れていったけど「眩惑のブロードウェイ」というアルバム、きっちりと攻略できた人って凄いと思う。自分的にはまだまだ攻略できていない、というかそこまで聴けない…ってのが大きいけど、それでもなぁ、やっぱ名盤だろうしなぁ、と(笑)。いや、まぁ、いいんだが。1974年、ピーガブ最後の参加アルバム。コレを機にソロへの転向、そしてジェネシスはフィル・コリンズのあまりにもピーガブに似た歌声でファンをまやかしながら継続させている。いつ聴いても不思議なバンドだ。最後の「It」なんてもう素晴らしく明るくて大円団〜って感じに仕上がっていて、ここまで一気に聴ければまだまだ攻略できる余地はあるかな…。

Renaissance - Scheherazade & Other Stories 

 同じピアノを中心とした楽曲でもこうまで異なったサウンドが出てくるかと思うのがいわゆるプログレのピアノ中心バンド。もっとも当然のことながらジャズとは正反対のクラシック音楽という正統派の流れから構成されているモノが多いので当然毛色は違うワケだが、それ故にひとつの楽器でもここまで異なる音楽を紡ぎ出すっつうのはなかなか楽しめるものだ。最もプログレバンドの中でもジャズよりのバンドのサウンドであればそんなに変わらないのかも知れないけど、ジャズよりのバンドでそこまでピアノをフューチャーしたバンドってのは多くないし、どっちかっつうと管楽器を混ぜるというような感じだね。もちろんソフト・マシーンが念頭にあるんだけどさ(笑)。

シェラザード夜話(紙ジャケット仕様) Turn of the Cards Novella

 そんなことでクラシカルサウンドをロックに持ち込んだピアノ主体のバンド…と言うワケでもないのかな、でも聴いている音色の限りでは絶対ピアノ中心のハズ(笑)。そしてドラマティックな曲構成と美しきクリスタルボイスによる壮大なアレンジでプログレのレベルを一気に引き上げているバンドでもあるルネッサンス。アニー・ハスラム率いる、というワケではないのだが、やはりアニー・ハスラムの圧倒的な存在感がバンドを支配してしまっている感が強く、その美しく荘厳な楽曲が次に引き合いに出されるものだが、楽曲の方も圧巻。アルバム的にはレーベルをBTMに変えた頃のリリース作品「Scheherazade & Other Stories」や「Turn of the Cards」当たりが最も内容的には濃くって英国風なのがよろしい。その前後はどちらかと言うと明るめの要素ももっていたけどこの二枚は何故かちょっと重い部分があるんだよね。それと、この二枚ってのは今でこそ容易に手に入るけどアナログの頃には全然見つけられないタイトルでさ、他のは結構アチコチにあるんだけど、この二枚はレーベルが違って再発とか少なかったのかなかなか見つからなくって結構必至に探してた。んで、探して見つけて聴いた時の感動もまた一際高くてやはり思い入れの強いバンドになってしまったのだな。

 邦題「シェラザード組曲」全4曲。うん、4曲しか入ってないのだ。A面3曲、B面1曲(笑)。それこそ美しいクラシカルなピアノのイントロから始まり、10分オーバーの曲にしてはシンプルな楽器構成で作られた「Trip To The Fair」は実によく練られたアレンジが施してあり、そしてまたアニーの歌が全体の楽曲を引っ張り込むようにベースも鍵盤もドラムも歌ありきの盛り上がりを見せる。しかし一方ではアニーの出番はそれほど多くもなく、きちんと楽器の構成で曲を組み立てているし、そこで何かの楽器が冗長なソロを奏でていることもなく美しい、という形容詞しか当てはまらないのかな〜、なんて。もちろんコーラスワークによる盛り上がりなんてのもしっかりしていて、大きい音で聴いていると正に感動。メインテーマに戻ってくるあたりはいつものことながらホッとして落ち着くが、それだけに留まらないなが異質の楽しみを味わえるね。そして小曲「Vultures Fly High」は一気にロック的な作品になっているが、リズムの面白さと鍵盤に支えられた変わりものの曲だけどしっかりとルネッサンスらしいポップさに彩られたメロディが印象的。そして後にリッチー・ブラックモアのブラックモアズ・ナイトでもカバーされた「Ocean Gypsy」だが、これぞ名曲。メロディの美しさは当然ながらアニーの持つ優しい歌声が心を包み込んでくれる壮大な海に抱かれる気分を味わえる傑作。確かアニーの好きな曲のトップか何かだったような機がする。それくらい素晴らしい作品。B面に至っては正に「シェラザード組曲」がしっかりと紡ぎ出されており、歌詞の内容にも注目されることが多い。自分的には歌詞の内容にあまり興味を持って接したことがないのでよくわからないが、多分曲通りの構想だろうなぁ、と推測。オープニングのテーマから、というかテーマらしいテーマから始まるのでそれだけで正に一大絵巻が始まるなという印象を持つオープニング。そして美しきピアノがロールして…、うん、まぁ、聴いてみてよ、24分の曲の長さなんて全く感じないドライブ感やドラマ感があるからさ。もっとクローズアップされて然るべき作品だよ。

Van Der Graaf Generator - Pawn Hearts 

Pawn Hearts H to He, Who Am the Only One The Least We Can Do Is Wave to Each Other

 1971年には既に自身の世界を築き上げていた非凡なるオトコ、ピーター・ハミル率いるVan Der Graaf Generatorの凶暴さもまた英国プログレッシヴロックのひとつの側面。特に活動休止する手前の作品「Pawn Hearts」は素晴らしく激しく音楽的にも上質なアルバム。この人の場合バックがどうであれ、吐き捨てるようにそして叫ぶように歌うのでそのエネルギーの出され方がリスナーを捉えるだろうし、嫌いな人は嫌いだろうと思う。特に1971年の作品ともなればまだまだピーター・ハミルも若かりし頃でロックそのものも黎明期なワケで、そこへ凶暴性を持った、そしてテクニックも持ち合わせたこれだけのバンドが出てくるのだから面白い。ともすればその他大勢のB級バンドに埋もれてもおかしくないものなんだけど、そこはやはりアルバム数枚を経ての完成度というメジャーグラウンドでの勝負ができたことの違いか。

 この「Pawn Hearts」、iTunesでクレジットを見るとCD一枚で3曲しか出てこない(笑)。まぁ、組曲だからそれで正しいんだけどCDだからこそ細分化したクレジットでもよいと思うのだがこの大胆なチャプター振りは多分自分のCDが古い規格だからだろうなぁ。初っ端の「Lemmings」の叫び声とメロディ、オルガンの凶暴性と効果音、どれをとってもこれぞVan Der Graaf Generatorと言わんばかりの傑作で前作「天地創造」もしくは「核融合」とも違ったある種の完成度を見せている。続いての「Man-Erg」は出だしこそピンク・フロイドのような雰囲気もあるんだけど、やっぱりVander Graaf Generator的、というかピーター・ハミル的な説得力のあるメロディラインと破壊的な展開に持ち込まれるという実にロックらしい、そしてドラマティックですらある曲展開で美しい旋律が耳を惹く。全くどんな書き方してるんだか、ハチャメチャな書き方ではあるが実際聴いているとそう思うんだよ、ホント。あ、どこかデヴィッド・ボウイ的な部分もあるなぁ…って多分それは英国人の持つ独特のメロディセンスのためかな。

 うん、このアルバムは名盤と呼んでも良いと思う、っつうか多分そう呼ばれているだろうが…、あらゆる音楽を聴いてきた中でもかなり素晴らしい作品だし、Van Der Graaf Generatorとしての傑作であることは間違いないね。個人的にダントツだったのは「Still Life」なんだけど、それとは違った意味でこのアルバム「Pawn Hearts」は面白い。

U.K. - U.K. 

U.K. デンジャー・マネー(紙ジャケット仕様) ナイト・アフター・ナイト(ライヴ・イン・ジャパン)(紙ジャケット仕様)

 ついでだからホールズワースが後から関わった割に自身を有名にしてしまったU.K.というバンドの紹介もしておこう。簡単に言えば末期キング・クリムゾンからロバート・フリップの変わりにホールズワースを加入させたバンドメンバー構成になっている。しかし当然それは結果論の偶然であってクリムゾンの延長線だなどとは誰も思ってないんだろうなぁ。自分も含めてね。言われてみると、そうか、そういうメンバーだ、とは思うけど、それはやっぱフリップ卿がいないからそう考えられないだけだろうな。うん。

 まぁ、自分的に聴いた感じでは「テクニック史上主義バンド」みたいなモンで、そりゃ、みんなそんんだけのテクがある人が集まっているので当然そうなるわけだ。しかし、曲を聴いているとわかるんだけど、どうしてこんなに変拍子で曲がグイグイとグルーブしていくんだ?それこそがジョン・ウェットンの恐ろしいトコロで、変拍子とか気にしなければ普通のビートでグルーブが効いているっていうくらいにしか聞こえないくらいに普通にのれるんだもん。オカシイよ、それ(笑)。ブラッフォードのプレイも相変わらずなんだけど、やっぱこの二人はヘン。アルバムを効いているとホールズワースもそんなに出しゃばってなくって普通にバンドに溶け込んだ演奏なんだけど、やっぱりこのバックメンバー二人とエディ・ジョブソンがいたにも関わらず思い切り目立ってしまったらしい。やっぱりホールズワースもかなりヘンだ(笑)。

 しかしこの後のウェットンがエイジアに進んだようなことからわかるように彼はポップ志向が割と強い傾向にある人で、純粋にテクニカル志向が強いブラッフォードとホールズワースは脱退してしまい、その穴埋めにテリー・ボジオ参加、っつう冗談みたいな話になるのだ。で、もともとトリオ編成志向だったウェットンとジョブソンはボジオを含めた超絶ポップバンドを目指すのだが、あまりにもメンバーのアクが強くて実に素晴らしいアルバム「デンジャー・マネー」が出来上がってしまったのだった(笑)。それで来日公演して更にインパクトを残すのであった…。その日本公演もCDになってるので聞いてみれば一目瞭然か。

Renaissance - A Song For All Seasons 

 新しい音世界に初めて出逢った時の気持ちって覚えてる?今でももちろんある話なので別に覚えてなくても良いのかもしれないけど、それでも今はロックの名盤と呼ばれている作品や自分で見つけてきた思い入れのあるアルバムに最初に出逢った時の興奮というか感動というか、そういうのをね、久しく忘れていたりしたんだけどこれだけ毎日に近いくらいブログ書いてると色々聴くし、それこそ埃被っていたようなアルバムも何となく探し出してきて久々に流してみるとかするんだよね。そうすると、いわゆる名盤ってのは自分のライフサイクルに組み込まれているから適当な段階で必ず聴き直したりしてるけど、そこまで行かないようなものってのもあって、そういうのを発掘してくる楽しみがある。気分によって聴く音楽の系統って変わるし、どこかでふと思い出して聴きたくなるものもある。まぁ、でも全部が全部覚えてるワケじゃないからジャケット見てからどんなんだっけなぁ?って悩むのもあるんだけど(笑)。

 休日の土曜日、久々に自分のコレクションをあれこれと眺めていたらそんなことを思い出しててね、そういえば何回も聴き直したくてメロディや印象まで覚えていたのについつい書きそびれていたし聞きそびれていたのがあった。流れではなかなか出てこないだろうなぁというアルバムなんだけど、最近は流れを無視してるので何が出てきても良いでしょ(笑)。

A Song for All Seasons

 ルネッサンスの「四季」。プログレってどんなんだろ?って気になった頃に手に入れた最初の頃の作品だったからその衝撃や思い入れってのが結構強くてさ、その時も凄いいいアルバムで綺麗な作品だな、って思ったけど今また聴き直してみてもその印象は変わらないし、逆にそれ以上に素晴らしさを実感してるかも。ルネッサンスの歴史の中ではやっぱり「Novella」とか「Ashes Are Burning」、そして「Turn of the Cards」「シェラザード夜話」という素晴らしいアルバムに彩られているのでどうしてもこの「四季」ってのは抜けてしまったんだよね。どっちかっつうとその辺の方がよく聴いてるし、二枚組のライブアルバムやちょっと前に出たBBCライブなんてのもよく聴くからさ、つい「四季」以降ってのは後回しになっちゃってた。それで久々にね、手を出したんだけど、やっぱり凄いアルバムだわ。通説ではこの「四季」になるとポップさが更に増して英国的なジメジメさが抜けてしまった往年のファンからは最後の砦となった作品、と言われてるんだけど、ルネッサンスを全部聴くとそういう面ってわかるのもあるが、それでもこれは凄く良いと思う。確かに明るくてオーケストレーションもしっかりできていてメリハリも聴いていてしかもリリースが1978年だから音も綺麗になっているし、何よりも今回新たな発見だったのは、クラシカルバンドと異名を取っている彼等の作品なのにこれほどアコギが中心になっている曲ばかりってのに気付いたことかな。もっと鍵盤主導だというイメージあったからさ。

 しかしオープニングから名曲、佳作揃いでアレンジも完璧だしバイオリンの使い方やオーケストラの使い方なんてのはお手の物、そしてさっきのアコギ、ドラムのセンスも完璧だし、ベースのオブリも上手いしさ、もちろん何と言ってもアニーの艶のある気持ちの良い歌声ったらたまらん。タイトル曲となった「四季」では11分にも渡りタイトル通りの四季の移り変わりをしっかりと音で表現している素晴らしいオーケストラ。多分ルネッサンス史の中で一番ポップさとクラシカルロックさの融合が頂点を極めた作品で、一般受けする可能性も一番高いだろうし、クラッシックあたりを好きな人でも大丈夫みたいな感じで、間口の広い作品だよ、これ。マニアックなところはないもん。完全にプロの作品で、何と言ってもジャケットから中味まで美しいもんね。

EL&P - Tarkus 

Tarkus Critical Review 1970-1995 (Eng Sub Dts)
 まだプログレッシヴロックという言葉がはっきりと定義できていない1970年初頭、日本ではフロイドのアルバムに付けられた帯でプログレの定義が成されたようだが、そういう意味ではなくって音楽的に…というか、我々が今考えているプログレらしい曲、バンドっつうものを最初に打ち出したのがEL&Pの「Tarkus」なのかもしれない。他のプログレバンドが1971年にリリースしたアルバムを見てみると…

King Crimson 「Islands」…混沌
Pink Floyd 「Meddle」…雰囲気
Genesis 「Nursery Cryme」…おもちゃ
Yes 「Fragile」…美楽
EL&P 「Tarkus」…ピコピコ
Gentl Giant 「Acquiring the Taste」…構築美
Soft Machine 「Third」…ジャズ
Moody Blues 「Every Good Boy Deserves Favour」…叙情

 …とまぁ、もちろんそれらしいアルバムが出揃ってきてはいるんだけど、なんつうのかな、ピコピコプログレってEL&Pの「Tarkus」なワケよ。他は叙情性っつうか構築美っつうか…。う〜ん、多分ね鍵盤が前に出ていて、ギターとかないから余計にそう聞こえるんだと思う。まぁ、イメージをサブで書いてあるけどさ、どのバンドも個性的だったっつうとこでプログレとは何?みたいになるんだけど…。ま、雑談はその辺にしときましょ。

 で、「Tarkus」。よくわかんないけどEL&P=シンセバンド、という定義付けされたアルバムでもあるし、それはもちろんA面最初の、と言うかA面のタイトル曲に依存するところが大きいハズ。ドラマティックっつうんじゃないけど、色々な音が鳴り響いて、テーマもあって、それでいて演奏だけに走らずきちんとレイクの歌もしっかりと歌われているというもので、そのバランスが見事なんだろうと。ピコピコばっかりの代表曲でもあるんだけどね。巧いのはこれだけの大作を聴かせた後、きちんと和ませるように小曲が差し込まれていて、それが凄くポップに聞こえるワケで、それもまたEL&Pの特色なんだよな。基本的にカール・パーマーは別としてグレッグ・レイクは歌心旺盛な人だから小曲好きだしね。パーマーのドラムが実は結構良くってさ、軽めにロールするドラミングで英国プログレ的な音なのだ。B面はレイクのロック魂からスタートするので、これはまだファーストのハードロックEL&Pを引きずって昇華した良いパターン。こういう方が聴きやすいな…。どうもエマーソン主体の曲はやっぱり好みではないのだ。多分ギター弾き的に面白くないからだと思うけど(笑)。だからこのバンドって聴いていて、誰が主導の曲かってのは何となくすぐわかるもん。ま、誰でもわかるんだろうな(笑)。

 ただね、このバンドのパフォーマンスを早い段階で見ていたら変わっただろうなぁ、それは思う。だから音はともかくビジュアルからも入るべきバンドだよね。そうするともっと素直に聴けるハズ。アルバムは良いって云う人が多いからきっと良いんだろう、そう思って何度も挑戦したけど…やっぱ好みではなかった(笑)。

Yes - Fragile 

こわれもの Close to the Edge
 最初期からプログレッシヴバンドという狙いの元で結成されたワケではなく、英国的サウンドを奏でるロックと呼ぶには少々弱い…、いやかなり弱いサウンドを奏でていたイエスと言うバンド。もちろんそういった初期のサウンドの方が可愛気があって好きだというファンがいるのも事実で、自分的にも大成したイエスよりは初期のイエスの方が可愛がってもいいだ