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フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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Dark Sanctuary - L' Etre Las/L'Envers du Miroir 

 いつもいつも不思議な音盤ばかりが登場するpapini嬢のブログで紹介されていて非常に気になったので早速ながらあれこれと揃えて聴いてみたバンド、ってのがいくつかあるんだけど、このダーク・サンクチュアリってのはもしかしてこういうバンドってあっても良いよなぁ〜って思ってたバンドそのものだったりする(笑)。

L' Etre Las/L'Envers du Miroir Thoughts: 9 Years in the Sanctuary

 いやぁ、中世風の雰囲気を醸し出していて聴きやすくてっていうかさ、ゴシックメタルっつうジャンルに出会った時にここまでメタリックじゃなくてもしっかりとシーンで認められるような音になると思うんだけどなぁ、というのがあったワケさ。ナイトウィッシュにしてもまっとうにオペラの声楽を勉強した人が歌っていたし、それってのは多分本格的に歌える人なはずだから別にメタルという形式じゃなくても十分できたことだろうし、ウイズイン・テンプテーションにしても室内楽系の発声だからやっぱりこれもクラシック畑の教育から来ているもので、メタルに拘らなくても良かっただろうし。ただ、シーンに出てくるっていう意味ではああいうメタル的要素を持ってくるってのは斬新で、しっかりしているんだろうなぁ。

 そこでこのダーク・サンクチュアリを見つけたのさ。うん、だって昔だったら、ネットとかなかったら多分見つけていないバンドだと思う。普通に聴いたら中世風声楽というようなものなので、別にロックの分野には登場してこないだろうし、自分の範疇にも入ってこないだろうから。ところがこのバンドの説明ってどこもかしこもゴシックメタルからメタルを取っ払ったもの、みたいに書かれていてさ、それって、自分的にそういうのがあってもよいじゃないかと思ってたもので、聴いてみたいねぇ、と好奇心がうずくのさ(笑)。

 で、聴いた。オススメだったサードアルバム「L' Etre Las/L'Envers du Miroir」。…っつうか多分どのアルバムも今の自分にはそれほど差があるようには聞こえないんだと思うのでどれでも良かったんだけど、やっぱり素直にオススメ品に乗せられてみるんだよ(笑)。

 へぇ〜、ほぉ〜、ふ〜ん…、って感じ。いやぁ、やっぱロックというカテゴリなのか、これは?と思う。耽美的中世的歌姫美声官能的シンフォニック音楽鑑賞。電車の中でiPodで聴くようなものではない。ゆったりとした空間で艶かしく聴くものだなぁ、と。やっぱクラシックの部類に属する方が近いよなぁ…。でもどこかロックだ。その昔メロウキャンドルに出会った時に感じた印象に近い。もっと荘厳というか…、いやぁ、面白いのが世の中にはあるもんだ。ロマンチスト、ナルシストの気が少しでもある人ならハマるような気がする。人と共有する楽しみのある音楽じゃないけど、いいなぁ、こういうの。

 ってなことでまだまだ感性を磨かれる音楽ってのに出会うと実に面白い。うん。感謝。でもこのサードアルバム「L' Etre Las/L'Envers du Miroir」、アマゾンには今ないんだな…。まぁ、とっかかりはベスト盤「Thoughts: 9 Years in the Sanctuary」でもいいんだろうな、きっと。

Rodrigo Y Gabriela - Rodrigo Y Gabriela 

 音楽ってのは常に刺激的なものなのだ。普段ロックだ〜とか良いながらも結構ロックじゃない音楽も聴いていたりするのだが、暑い夏はやっぱりギンギンのヘヴィメタかハードロックが多かったなぁ、いや、今年はゴシックメタルにもハマったから余計にそうだったんだけど、まぁ、そのヘンの音をガンガンに流しているとスカッとするものではある。しかしもちろん何枚も立て続けにそんなもんを聴いていられるほどではないので途中途中で毛色の変わったモノを探すのだ。まぁ、レゲエみたいなポリスを聴いたりスカみたいなクラッシュを聴いたり…って結局ロックなんだが(笑)。

Rodrigo y Gabriela Live: Manchester and Dublin

 そんな時にタンゴとかスパニッシュとかラテン系とかそういうものに気が行くってことは自分だけの世界ではまずなくって、思い付かない。でもって、普段からアチコチのブログを駆け巡る中にそういう面白そうな脈があるものってのもあるんだけど、これはねぇ、なかなか買うっていうところまで行くのが多くないんだよね。いや、もちろんいいなぁ〜って思うのはあるんだけど、さて、これを何回聴くかな?みたいな問いかけが自分にあってさ(笑)。まぁ、ネットの試聴レベルでわかるもんでもないけど、そんなに滅茶苦茶なんでも買わないかなぁ…。まぁ、適当にネットで探してあれば聴いてみて、って感じ。

 それと書き手の文章表現が結構重要だったりする。何か気になるなぁ…っていう書き方ってあったり、琴線に触れるモノってあったりするから、何か刺激されるってのあるな。これは音的な直感と文章の中にある思い入れってトコだと思う。我ながら反省点も多いんだが(笑)。

 で、たまたまこないだpapini嬢のトコで紹介されていた「Rodrigo y Gabriela」っつうのがあって、ちょろっと見たときからジャケットが気になってはいたんだけど、紹介文読んでてえらく面白そうじゃないか?って思って早速試聴…、うん、暑い時にこういうラテンなスパニッシュなのって滅茶苦茶心地良いじゃないか、ってことに気付いた(笑)。音がナチュラルなスパニッシュギターだから激しく弾いていてもやっぱり優しい音してるしね。それとパーカッショナブルなリズムギターのお姉ちゃん、これ、凄いよ。いやリードの方も凄いのはもちろんなんだけどさ。スパニッシュ聴く度にこういうのって凄い、って思うんだけど、どういう感性なんだろ?って思う。練習量もハンパじゃないと思うけど、とにかく日本人的にはない感性だと思うからさ。

 そのCD「Rodrigo y Gabriela」なんだけど、まずはジャケット。は虫類。瞳の両側にうっすらと人影が…。いいね。それで中身はやっぱりスパニッシュなフレージングが鳴りまくっている曲が多くて最初から凄く良いなぁ〜と。途中以降にZepの「天国への階段」とかメタリカの「Orion」とかやってるんだけど、まぁ、ロックファン的には取っ付きやすいのはあるが、ちょっとなぁ、と。「天国への階段」はかなりイケてるけど「Orion」はこれでやらんでも…って感じがするな。それでもやっぱオリジナル曲の方が断然良い。そういうもんだ。

 しかしこの手の音楽ってのはどれもこれもこのレベルなのか、たまたまこれがそういうレベルにあるアルバムなのかわからないのが素人の強み(笑)。良いアルバムだという事実だけに感謝♪

Magma - Live! 

 ドリームシアターの変態性ってのはそれでもアメリカならではのものだし、同じアメリカ人の中には同じように天才的変態っつうのでは黒人になるがプリンスっつう人もいるので、やはり大陸の大きさがその器の大きさを物語ってるかなぁというところだが、一方ではヨーロッパ大陸ではどうだろう?もちろんあの手の変わり者ってももいるのだが、中でも相当の変わり者っていうところでは…、ここで言う変わり者はそれがしっかりと世間に受け入れられているという重要な点を含んでいるワケで、単なる変わり者という意味ではないのだが…、いや、それが例えアーサー・ブラウンでもいいんだけどさ(笑)。で、まぁ、要するにフランスから出てきた変わり者、マグマっつうのがありかな、なんてね。

ライヴ!(K2HD/紙ジャケット仕様) 幻の音像 Mekanik Destruktiw Kommandoh
Magma - Magma Live Live
Magma - Kohntarkosz Kohntarkosz

 いつ頃だったんだろうなぁ、英国プログレ系をかなり集めまくったところで少しばかりユーロ圏のプログレに手を出し始めてて、それでもそんなに多くのバンドは漁らなかったので大して知識はないんだけど、仲間の中で同じような方向性に行ってしまったヤツがいて、それがやたらとマグマにハマってイッタワケですな。まぁ、彼はベーシストっつうのも影響が大きかったんだろうなぁ。そんなことでひたすらマグマはあ〜だこ〜だ、と語っていて(笑)。まぁ、そこまで言われると聴きたくなろう、ってもんさ。最初に手を付けたのはご存じ「Mekanik Destruktiw Kommandoh」なんだけど、その後はやっぱり「ライヴ!」なワケでスタジオ盤の完成度よりもライブのブチ切れ度の方が高くて好きだ。だからこのアルバムが名盤として語られるのがよくわかる。声楽の凄さが彼等の強みでもあるんだろうけど、それをイカしながら楽器隊の強烈な、完璧な演奏がそれに輪をかけて緊張感を醸し出しているっつうところだな。スタジオ盤でのバックが押さえ気味になっているミックスとは大きく異なったライブアルバムの迫力とストーリー作りはハマるに相応しいアルバム♪もちろんテクニック面では抜群のばんどなので言うことないし。しかも30分以上に渡る「Magma - Magma Live - Kohntark Kontark」は最後の最後が超悶絶!

 しかしまぁ、マグマの音楽はスタジオ盤ばかりを聴いていると非常に眠くなってくる時もあるし滅茶苦茶ハイになる時もあるという実に不思議な音で困る(笑)。音楽的にどんなのなのか?って言われても一言で言えないよなぁ…、プログレっていうにもちょっと抵抗あるし…。そんな魅惑的な音を楽しめるのも幸せ♪

 そう言えばヤニック・トップさんが在籍していた時期の寄せ集めライブ集「幻の音像」ってのもリリースされているのでいずれ聴いてみたいなと。未発表曲やら何夜らとあるみたいなので結構お楽しみっぽい。

Earth & Fire - Songs Of The Marching Children 

 オランダの女性ボーカルバンドというとまずイメージするのは時代を経てもなおショッキング・ブルーの「Shocking Blue - Shocking Blue: Greatest Hits - Venus ヴィーナス」であることは多分永遠に変わらないんだろうなぁ、と。今聴いてもこの曲はやっぱりかっこいいし、映像を見てもどこか濃い〜感じのするバンドで、オランダのバンドなんだよ、と言われると、オランダってのはこういう濃い〜感じがするものなのかな、と印象付けてしまうのもある。まぁ、他にオランダのバンドを挙げよ、と言われてすぐに思い付く人もなかなかいないと思う。プログレ筋で数名なのはフォーカスくらいだろうなぁ。フィンチとかやっぱマイナーだと思うし。が、しかし、ここにひとつ女性ボーカルをクローズアップした素晴らしきバンドがひとつあることを忘れてはいけない。

アムステルダムの少年兵+5(紙ジャケット仕様) [LIMITED EDITION] アトランティス(紙ジャケット仕様)

 アース&ファイアー。決してアース・ウインド&ファイアーではない。これネットで「アース&ファイアー」と検索してもどっちもごちゃ混ぜで出てくるところが哀しいよな。後者は70年代後期のアメリカを制覇したソウルフルなバンド…なんて言わないでも知ってるか(笑)。で、前者だ。1970年には既にシーンに浸透していて、シングル「Seasons」っつうのがショッキング・ブルーに続いて世界的に売れた曲だが、今の日本、みんなそんなの知らないよな…。自分も実際にはリアルで知らないしね。ま、当時はそれなりに売れていたらしい。それでオランダってのはなかなか面白いバンドがいて、しかもオンナが濃い〜らしい、っつうことになったんじゃないだろうか(笑)。

 …と、まぁ、最初期はそうやって出てきたんだけど、どういうわけかこのバンド、二作目のアルバムから完全にプログレッシヴロックの叙情的な世界に入ってしまうので、今ではプログレ系としての方が有名。そのセカンドアルバム「アムステルダムの少年兵」っつうのがこれまた実によろしい出来映えで、もちろんジャーネイ・カーグマンの声量のある歌声が人気の秘訣でもあるんだが、楽曲がヨーロッパ的な大げさな盛り上がりを聴かせてくれるものなので心地良い。叙情的でメロトロンとギターでゆったりしたリズムの中から繰り返されるサビのフレーズによって高揚させていくという手法は英国のバークレイ・ジェームス・ハーベストの稀代の作品群と同様の匂いを感じさせるもので、これまた好みなんだよね。間に挟み込まれている小曲は初期のポップス時代に培ったセンスが出ているためこれだけの大作にありながらも非常にレベルの高い作品に仕上がっているし、なんと言ってもタイトル曲の16分にも及ぶメロトロンをクローズアップした作品が圧巻。個人的には「Storm & Thunder」から「In The Mountain」っつう流れも好きだが…、ああ、どっちにしてもこのアルバムは全部好きなので一緒か(笑)。

 ちょっと前に紙ジャケになったみたいで今ならまだ手に入ると思うけど、このヘンってレコードは全く見つからなくってさ、聴きたいなぁって思ってた時は結構苦労してて、そしたらエジソンからCDがリリースされるっつうので一気に全部買った記憶がある。その頃名盤は三枚目の「アトランティス」って言われてたけど、この「アムステルダムの少年兵」の方が気に入ったな。

Earth and Fire - Andromeda Girl Andromeda Girl

Atoll - Musiciens Magiciens 


 フランスの誇るプログレッシブバンドのひとつが破壊的且つ変態的なマグマであるならば、双璧をなるもう一つのバンドがアトールと云える。一般的にはフランスイエスと形容されることが多くて、だから故にあまり聴こうと云う気がしなかったバンドなのでそういうキャッチコピーの善し悪しってのは凄く重要だよな、と思う。だから実際自分で聴いてみるまではあまり形容詞ってのは信用しない方が良いんだよな。それで聴くの遅れたんだもん。もったいない…。

 「ミュージシャンズ・マジシャン

 1974年にリリースされた彼等のファーストアルバムだが、ファーストでこのクォリティの高さってもの凄いモノがある。おかげでこの後にリリースされたもう一つの有名なアルバム「組曲「夢魔」」とこのファーストアルバム「ミュージシャンズ・マジシャン」だけでアトールが語られてしまうことが多く、もちろん自分もそのクチなので偉そうに語れないんだけど、ホント、これは凄い完成度。そして大きな声で言っておかないといけないのが、フランスイエスという形容詞はよろしくない。キャッチコピー的に言いたいことはわかるんだが…、いや、シンフォニックな演奏と美しいコーラスにハイトーンの歌声と優れた演奏テクニック…、確かにそうやって書くとイエス的なんだけど、聴いてみるとね、全然そういうイメージじゃなくって、もっと普通にプログレ的に聴けるロックバンドで…、あぁ、俺イエスのダメなところがよくわかっちゃった、みたいな感じで、このバンドは全然かっこいいって思えるもん。キメやら変拍子やらバイオリンの音色やら心地良くってさ、頑張って曲作ってるなぁ〜っていう凄さと完全にそれをモノにしている気持ちよさ。プログレいいなぁって思う人は多分好き。

 ホントはクリムゾン的破壊力というシリーズに準えて「組曲「夢魔」」を取り上げたかったんだけど、CDが見つからなかったのでファーストで我慢♪ ジャケットはこっちの方が好きなので、まぁ、いいでしょ(笑)。フランス語によるプログレッシブロックはなかなか響きとしても面白いし、サウンド的にも息詰まるものとフランス語の特性というのか息が抜ける発音っつうのも笑えてよろしい。美しいのは確かだが、涙涙の叙情さってのはイタリアには負ける(笑)。シンフォニックさならっだんぜんこっちだが…、その中にも粗野なロック的ナンバーもあったりするので面白い。ベースサウンドがなかなか聴きモノよ♪

Magma - Mekanik Destruktiw Kommandoh 


 超絶テクニカルプログレバンドと言えば、と言うかもっと更なる変態的な集団という印象の方が強いのだが…、何せ自分たちで言語まで作ってしまうワケだから、そういう変人はまずいないワケで、彼等しかそんなのは聞いたことないし、そもそも言語を作ってそれを歌うなんてアリか?超オタク的な発想…いや、独創的な発想なのだが、これがまた凄い。

 うん、マグマだ。

 コバイア語なる言語を開発し、コバイア星人になって地球を制圧するのだ〜とばかりに攻め立ててくる「Mekanik Destruktiw Kommandoh」ってのはどんなんだ?とばかりに興味をそそるフランスの変態バンド。それがだな、実に破壊的且つアグレッシブなプログレッシブバンド…っつうか、ジャズ、が元なのかな?でも多分クラシック的な美しい展開を持っているあたりがヨーロッパなんだけど、まぁ、アメリカからは絶対に出てこないバンドっつうのは誰もが納得してくれるだろう。その「Mekanik Destruktiw Kommandoh」=通称「.M.D.K」なのだが、はっきり言ってとんでもない。一曲40分なのだが(笑)、なんつうのかなコレ、いわゆるプログレの情緒ある展開ではなくってひたすら声楽隊と強烈な音圧で迫ってくるベースとドラムが強烈な…、もうごめんなさい、僕が悪いです、とでも言いたくなるくらいに執拗に迫ってくる音なんだよ。聴かないとわからないよ、これは絶対。

 …とあまりにも抽象的に書いているのだが、全盛期クリムゾンよりも破壊的なんだけど、う〜ん、なんだろ?そこにはメロディーもリフによる曲らしい骨格も存在していなくて…こうやって書くと一体どんな曲なんだって思われるだろうけど、ただ単に楽器が鳴ってて歌が鳴ってる、でもなんか凄いパワーっつうとこ。

 このバンド、メジャーなところでは「Magma Live! (Hhai)」ってのが入門どころらしくて、この「.M.D.K」の終盤も収録されているのだが、全編収録しなかったのも納得できる名盤…、か?まぁ、これダメならマグマだめでしょ。だが、ひねくれ者の自分的にはベースがヤニック・トップではないのだが、「Theatre du Taur - Toulouse 1975」と言うライブ盤が好きだ。二枚組でしっかりと「.M.D.K」もフルで収録されているのでその破壊力の凄まじさをライブで聴けるというナイスなライブ盤。いわゆるライブアルバムと比べると音はかなり悪いのだが、何の、クリムゾンの「Earthbound」に比べれば全然大丈夫なので問題ない。こいつがとんでもなく凄いのでオススメだね。スタジオ盤での精密さも楽しいけどやっぱブリ切れてるライブの凄さはロックバンドだよ。アマゾンにもiTunesにもないのが残念だが…。

Magma - Magma Live Magma Live! (Hhai)
Magma - Udu Wudu Udu Wudu
Magma - Attahk Attahk

Nico - The End 


 1974年7月1日、悪魔の申し子達が一堂に会してとんでもないイベントが行われている。奇跡的にもこのライブはレコードとしてリリースされているのだが、CD時代になりいつかはロングバージョンでのリリースを期待したいと待ち望んでいる作品のひとつでもある。ケヴィン・エアーズ、ニコ、ジョン・ケイル、ブライアン・イーノという主要な面々に加えてオリー・ハルソール、マイク・オールドフィールド、ロバート・ワイアットあたりがサポートを固めている「June 1, 1974」というアルバム。

 で、今回はそのアルバムでもなくって、ニコという変わったアーティストを書いてみたい。シド・バレットから始まりケヴィン・エアーズ、ロバート・ワイアットという英国カンタベリー路線の流れからすると少々異質であり、最も知られているのはもちろんヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファーストアルバムだろう。この人、実はドイツ人で女優だったんですよね。だからそこかしこで見られる写真には滅茶苦茶キレイなのとすごくアンダーグラウンドな感じのと両方あるワケ。女優時代にはあのアラン・ドロンの子供を産んでいたり、ドアーズのジム・モリソンとも恋人だったり、まあ多様な遍歴を重ねて生きていった人です。音楽的には俗称「地下の水道管」と呼ばれる歌声で、ヴェルヴェッツ以外のソロ作品を聴くと納得すると思うけど、凄い存在感なんだよな。一般的にロックファンが入りやすいのは邪道ではあるけど「(Live) Heroes」というアルバム。何でって、王道カバー曲がたくさん入ってるので聴きやすいし、それでいて全く別のニコの世界をしっかりと出しているのでとっつきやすいかな、って。自分もそういう理由から入ったしね。ドーンとした雰囲気のまま進められるボウイの「Heroes」、正に地下の水道管としか呼べない雰囲気で歌われるジャズスタンダードの名曲「My Funny Valentine」、本家よりも圧倒的な存在感で自分のものにしてしまったとも云える滅茶苦茶雰囲気のあるヴェルヴェッツの「All Tomorrow's Party」、同じくヴェルヴェッツの作品ながら最早誰も超えられない世界に入っている「Femme Fatale」、最後にはこれ以上はないくらいに盛り下がる、徹底的に暗くなる云わずと知れたドアーズの「The End」…。しかしどれもこれもが完全にニコの世界で歌われているので、間違っても明るいアメリカンロックが好きな人は聴けないのだが(笑)、やっぱりこの人はヨーロッパの民族なのだなぁと思うアレンジ。シンセサイザーなんかもあるんだけどそれが全然時代の進歩を感じさせない効果音にしか聞こえてこないから凄いんだよ。ちょっと前のライブアルバムだと「Do or Die」ってのもあって、こっちは「Waiting For The Man」も入ってる。

 スタジオ盤だと、どうかなぁ、ファーストの「Chelsea Girl」がメジャーでもあるけど、個人的にはやっぱり1974年リリースの「The End」かな。いや、どっちもどっちなんだけど、暗さのインパクトで後者。実にたくさん作品がリリースされているので一概に云えないけど、全体的にドーンとした曇り空の元で聴いているようなものが多くてハマるとハマる。そしてどれもこれもがニコでしかあり得ないアルバムに仕上がっているのも面白いな。ヴェルヴェッツよりもソロ作の方が名曲は多い。ま、そりゃそうか(笑)。

Amon Duul II - Made In Germany 


 ドイツ産音楽の中でようやく普通のロックの範疇内でメジャーな(?)バンドが出てきました。アモン・デュール2です。一般的にはもちろんファーストアルバム「Phallus Dei」「Yeti」「Tanz Der Lemminge」が語られることが多いんだけど、自分の場合はたまたま最初に入手したのが「Made In Germany」だったので、これが良いのだ(笑)。

 もともとはアモン・デュールというコミューンが構成されていて、その中からバンドが出来上がっていったみたいなんだけど、脱退した連中が同じように「2」を付けてバンド活動を開始したためにこういうバンド名になったらしい。さすが偏屈なドイツ人(笑)。んなことで1969年に「Phallus Dei」でデビューしているがこれももちろん独特の音世界なのでオススメではあるが、今回の「Made In Germany」♪ 1975年作品で、大作は一曲くらいで全然大作なし。驚くばかりのカラフルでポップ感覚に溢れた軽快な曲が羅列されていて、もの凄く良いのだ。この作品で聴ける音はストリングスを始めとする多数の楽器を用いて多彩な音世界を出している。もちろん歌下手だし、演奏もそんなに大したもんではないけど、このキャッチーさは英国サイケデリックポップの世界に通じるね。まさかドイツのバンドがこんなサウンドできるとは思わなかったって云えるくらい意外な衝撃を受けた記憶があるなぁ。常に大作志向のプログレバンド、みたいな印象だったんだけど全然勘違いする作品で、これは英国ロック好きには気に入られる作品なんじゃないかな。オープニングから綺麗なストリングスが奏でられて「ん?」って感じで曲がスタート。いいね、これ!コーラスの響きもたまらんし、メロディーも良いよ、ほんと。どっちかっつうとベルベット・アンダーグラウンドがもうちょっとメジャーになった感じもあるかな。もちろんそれでもやっぱりヘンなアングラ系サウンドもしっかりあるのでバンドの魅力が深まるね。

 あんまり真剣に取り組んだことの無いバンドだったので今回の発見は結構新鮮で、妙な偏見でバンドを見てはいけないなぁと改めて考えさせられたバンドのひとつ。

Tangerine Dream - Phaedra 


 ドイツの有名なヘンなバンドとしてこちらも名高いタンジェリン・ドリーム。驚くことにバンドが解散したことはなく今でもエドガー・フローゼだけがオリジナルメンバーとして参加している現役バンド…もちろん70年代当時と比べてはいけないが、その息の長さは大したものだろう。

 で、有名な作品…と云うか、多分この辺聴く人って好きなのは「Phaedra」「Rubycon」「Ricochet」くらいしかないんじゃないかな。もちろん「好き」っていう度合いの問題は大きくあるんだと思うけど、聴いたことのない人のために書いておくとはっきり言ってしまえば環境音楽。ヒーリングとは違って別にリラックスはしないんだけど、音を聴いているとイメージが浮かぶ、そんな曲調ばかり。シンセサイザーを全面に出したなんつうんだろうな、アンビエントミュージックって云われるんだけど、雰囲気をそのまま音にしたもので映画のサントラ的に使われるようなものって思ってもらえれば良い。で、1974年の「Phaedra」が英国のバージンレコードからリリースされたのがきっかけで世界に知名度を上げたワケで、この作品が最も名高い。サウンドはもちろん環境音楽系(笑)。いや、マジメに聴くとホントにゾクゾクする瞬間もいっぱいあるし、目を閉じて聴いているとホントに風景が目に浮かんだりするのでそれは凄いセンスだし、楽器も当然良く練られて使われている。

 嫌いではないけど別にハマりまくって聴くか?っていうのはあるんでそこらへんの音楽的発想がドイツなんだよな(笑)。前衛的ではあったけど、音楽世界としてはかなり確立しているのでアンビエントなんだろう。心地良く聴く分にはものすごくBGMとして効果があるような気がするが、やっぱロックとは云えないよなぁ…。

Faust - Faust