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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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David Lindley - El Rayo-X 

 ライ・クーダーと並んでマルチで不思議なギターを弾く人と言えばデヴィッド・リンドレーですかね。あまり詳しい来歴は知らないんだけど、ジャクソン・ブラウンのバックで弾いていて有名になってきた人で、日本人的には「化け物」として名が通っているらしい(笑)。いや、アルバムの邦題がそうだったために付けられたあだ名がその由来です。聴いてみると確かに化け物って言うフレージングが数多くあるのであながち間違いではないニックネーム。そんなデヴィッド・リンドレーについて少々…。

El Rayo-X Win This Record Very Greasy

 1981年のこのアルバム「El Rayo-X」がソロ最初のアルバムで翌年のセカンドアルバム「Win This Record」と共に人気の高い一枚。うん、で、この人の音楽志向ってのが面白いジャンルというのかミクスチャーというのかアメリカンな完全に垢抜けてカラッとした音、更に何というのか脳天気っつうかレゲエ的なロック的な土着的なボンゴ的な民族音楽的な明るさが全面を占めていて当然ギタリストとしての部分もあるんだけど、それよりも作品の鮮やかさっつうのが打ち出されている。だからソロアーティストとしてのアルバムとしてきちんと評価されているし、一ギタリストのわがままアルバムじゃないってのがよろしい。

 これからの季節にはぴったりな一枚なんだけどたまたま聴いててね、ああ、幸せな一日だなぁ〜と思うもん。アメリカの土着的なサウンド志向のものって奥が深いなぁと感じるワケでさ、普段英国的なものの方が聴くこと多いのでこういう全く正反対のサウンドにぶち当たると好みか好みでないかというよりも、その音楽の持つパワーというかエナジーをね、感じるんだよ。こういう音世界って何がルーツなのか、どうしてこういう音世界になったのか、そしてこの細かいところでのフレージングというかテクニックに優れたギターの音…、アメリカ音楽は広い。

Elvin Bishop - The Best Of Elvin Bishop 

 ポール・バターフィールド・ブルース・バンドという稀代なバンドでは歴史的なギタリストを二人輩出しているとして有名だが、そのうちの一人でもあるエルヴィン・ビショップ。残念ながらなかなか彼のソロ活動時にスポットが当たることがないのもこれまた事実だろう…、と言うか、個人的にあんまり興味がないからなのかな(笑)。そんなことで久々に彼のソロ活動を聴き直してみた…。

Best of Elvin Bishop Struttin' My Stuff Big Fun

 アルバム的にはどれが有名なのかあまりよく知らないのでとりあえずベスト盤を流してみたのだが、バターフィールド・ブルース・バンドの頃に聴かれたエモーショナルなギターフレーズ、マイク・ブルームフィールドを相手にバトルを繰り広げていたあのブルースギターというのは一体何処へ行ってしまったのか、もっとカントリーというかアメリカンな爽やかさの風に飲まれていってしまい、総毛立つようなギターの旋律などはまったく聴かれない。もちろん曲によってブルースベースのフレーズも出てくるが、どちらかというとケイジャンとかカントリー的な使われ方、音楽性も正にアメリカの南部的なものが多く、多分彼がやりたかった音楽はこういう方向だったんだろうなぁ、と思わせるモノだ。バターフィールド・ブルース・バンドで皆が夢見た姿はあくまでもあの時代のワンシーンだったと思わざるを得ない。ま、かと言ってソロ時代なってから奏でている音楽が悪いかと言われると別にそういうもんでもなくって、モロにアメリカンな、アメリカ風土を映し出すようなサウンドというのはなかなか聴けないものでもあるのでここで聴けるのはそれはそれで楽しめてしまうのだ。いや、多様な趣味だから受け入れられるだけかもしれないけど、悪くないね、こういうのも。好んで聴かないけど流れているといい感じ。ビール飲みながら、っていうカントリーな雰囲気だね(笑)。

 この人がギター弾く時の笑顔ってのがすごく爽やかで、それがそのままサウンドに出ている。だからバターフィールド・ブルース・バンド時代の瞬間が逆に異常なことで、それ以降が彼の本来の姿。そう思って聴かないと肩透かし喰らうサウンドだからね。アメリカのルーツ音楽、だな。

Santana - Amigos 

 ジャーニーの結成ってのはサンタナのトコロにいたメンバー二人、グレッグ・ローリーとニール・ショーンが主軸となったバンドっつうのはまぁまぁ知られていることだろうし、一方でサンタナも最近ではこれまた凄いグラミー賞を取ってしまうくらいのアルバム「Supernatural」で復帰してきて、まだまだ元気なことを証明してみせたものだ。ところが彼の来歴というのもなかなか古いモノがあり、1969年のアルバムデビューからスタートしているのだ。有名なヒット曲に「Santana - Sacred Fire - Black Magic Woman / Gypsy Queen Black Magic Woman」があるんだけど、これは「Abraxas」というセカンドアルバムに収録。元々はフリートウッド・マックの曲なんだけど、圧倒的にサンタナの方が有名だよね。

アミーゴ Abraxas Supernatural

 それで、せっかくサンタナなのでやっぱりベタなあの曲をクローズアップしたいなぁってことで…「Santana - Sacred Fire - Europa (Earth's Cry Heaven's Smile) 哀愁のヨーロッパ」♪ 収録されているアルバムは「アミーゴ」っつう1976年の作品。ん?1976年って英国ではパンク勃発の頃だよなぁ…と。まぁ、それまでサンタナの場合はあまりロックのフィールドで活動していた人ではないのであまり関係はないんだろうけれど、その辺考えるとアメリカと英国の文化の捉え方ってのは大きく異なるねぇ、やっぱ。まぁ、それは良いとして、ギタリスト的にこの「哀愁のヨーロッパ」ってのはさ、一度はコピーしてみたくなるものでね(笑)。フレーズはもちろんなんだけど、この人のこの曲のトーンってのが凄く気になってしまうんだよ。この頃からヤマハのSGだったとは思うけれど、これほど多彩なトーンの使い方を感じられる曲って他の人ではほとんどなくって、サンタナ独特のトーン使いなんだと思う。一曲の中で極端に言えばフレーズ単位でトーンが変わるんだもん。旋律はもちろん日本人好みのものだから嫌いな人っていないんじゃない(笑)?聴かない人はいると思うけど、多分本能的に受け入れられる音(笑)。

 ジャーニー移籍組が抜けてからしばらくはジャズ=フュージョン系を強めた作品を何枚かリリースしていたワケでセールス的に伸びなかったものの作品の質的にはかなり良さ気なものと聞く。また1973年にはジョン・マクラフリンとの競演アルバム「魂の兄弟たち」をリリースして根強い人気を誇っている。

Frank Zappa - Zoot Allures 

 プログレハード且つ変態ってことで最重要の人を忘れていた。ブログ仲間papini嬢が取り上げていたので思い出すことができてよかった〜、さんきゅっ!そう、不乱苦雑派さんです。アメリカの音楽界の中で最高に変態で下品で天才的な人という変わり者、ウチでも数回取り上げたことあるけど、結構まともに取り上げているので今回は変態的なトコロで…、しかしこれだけアルバムがあるとどれがいいとかいう次元は語れないんで、適当な好みのアルバムを持ち出すことにしよう。とは言っても結構悩んだ(笑)。なんとなくプログレハードの流れもあるからやっぱスティーヴ・ヴァイ時代のがいいのかなぁ、とかギターに特化したのがいいのかなぁとかライブ盤だよなぁ、やっぱ、とか色々な切り口があるので難しいんだよ、ほんと。一応ほぼ全てのアルバムはライブも含めて所有しているし、事ある毎に聴いているので全体の流れは掴んでるけどマニアックに語れるほど聞き込めてはいないんだなぁ。なのでこの人も一生掛かって制覇していく人、だね。

ズート・アリュアーズ ワン・サイズ・フィッツ・オール

 …と言うことで、決めたのが「ズート・アリュアーズ」。自分の持ってるライコ盤だと「ズート・アローズ」ってタイトルになってるんだけど、アマゾンでは「ズート・アリュアーズ」になってるな。まぁいいや。リアルタイムでこの時代…1976年リリースだから、その頃を通ってきている人はこのアルバムがそのちょっと前に行われた初来日公演のライブの模様が一部収録されているってことで話題になったらしいので結構重宝したアルバムなんじゃないかな。自分的には当然通ってないので後で聞いた話になるんだけどね。それが二曲目に入ってる「ブラック・ナプキンズ」と言うのはもう有名な話。当然ライブとかなんとかっていうのを気にしなくてもいいんだけど、初っ端からザッパの哲学的な、そして独特のトーンが響き渡るギタープレイがグイグイと鳴っているという惹き付けられるナンバー。この人のギタープレイはホントに頭脳が宿っているかのような音色とフレーズなので聴く度にハッとする。そしてその他の曲は当時マザーズを解散したばかりだったのでザッパはテリー・ボジオとほとんど二人だけでこのアルバムを作ってしまったっつう曰く付きの代物。でもそんなことは説明されるまで気付かないはずだ。ま、ザッパのアルバムだからそういうもんではあるけどさ。相変わらずの下ネタ満載、皮肉というより悪口満載の素敵な歌詞が面白いのでザッパのアルバム全てに云えることだけどもちろん日本語訳の付いた日本盤を手に入れることをオススメするし、そうじゃなきゃ理解できない部分が多すぎる。この人の場合はね。いやぁ、笑えるなぁ、相変わらず。5曲目の「Find Her Finer」での下ネタ満載のだらだらした曲に続いて6曲目にはいきなり滅茶苦茶かっこいいバンドアンサンブルにしか聞こえないザッパの超絶ギタープレイとベースの掛け合いに加えてボジオのドラムというスリリングなインストナンバーが飛び出してきて耳を引く、そしてその競演が終わるとこれまたヒッピーネタの「Wonderful Wino」が始まるっつう、さすがザッパさん、面白過ぎ。

 こういう冗談を楽しめない人にはなかなか受け入れられにくいのがザッパの音楽と歌詞だったりするけどテクニックやアンサンブルやアレンジは唯一無二のものでできれば映像作品を見るともっと彼の世界がよくわかるのでオススメしたいところだね。自分的には映像を見て大受けしてハマってったしさ。「音楽にユーモアは必要か?」ってヤツね。日本版でDVDになってないんだろうなぁ…。

Utopia - Deface The Music 

ミート・ザ・ユートピア(K2HD/紙ジャケット仕様)

 カバーアルバムっつうのとはチト違うのだが、トッド・ラングレン率いるユートピアの「ミート・ザ・ユートピア」というアルバムをご存じない方はまだまだいるのだろうか?じゃぁ、ビートルズをそれなりに聴いたことのない人…、まぁ、意識的聴かないのはあるとしても普通にロックや音楽に手を出すとビートルズってのはどうしても通るものであってほしいし、やっぱり凄い。で、その辺を知ってから是非このユートピアの「ミート・ザ・ユートピア」に手を出してもらいたいと思う。トッド・ラングレンの天才肌に触れることができるし、音楽の構成や骨格というものが如何にアーティストの音を論理的に形作っていることなのかがよくわかるから。だって、メロディだってコーラスだってその理論で片付いてしまうくらいに分析してぶち壊して組み立て直したアルバムだから。

 云わずと知れたこのアルバム、トッドの才能をとことんまで使い果たしていることは間違いない。全曲ビートルズのエッセンスだけで作られた曲で楽器の音やアルバムをミックスする手法、効果音、もちろん楽曲やコーラス、コード進行、かけ声、ジャケットなど全てがビートルズのもので作られているという意味で、どこからどう聴いてもビートルズなんだけど、違うっつうユートピアのオリジナル曲なワケ(笑)。要するにここまでビートルズに成り切れるか、っつうことだな。曲のタイトルだってそんな意味をたっぷり込めてるしさ。しかしここまでパクる、と言うか、音楽的に似せられるものなのか?最初から最後まである意味ビートルズを超えているもんな。

まずは曲目:原題
1. I Just Want to Touch You
2. Crystal Ball
3. Where Does the World Go to Hide
4. Silly Boy
5. Alone
6. That's Not Right
7. Take It Home
8. Hoi Poloi
9. Life Goes On
10. Feel Too Good
11. Always Late
12. All Smiles
13. Everybody Else Is Wrong

邦題:
1. 抱きしめたいぜ
2. キャント・バイ・ミー・クリスタル・ボール
3. 泣きたいダンス
4. アクト・シリィリィ
5. ホワイル・マイ・ロンリネス・ジェントリー・ウィープ
6. エイト・デイズ・ア・ウィーク・イズ・ノット・ライト
7. ドライヴ・マイ・カー・トゥ・ホーム
8. ユア・マザー・シュッド・ノウ・ザ・ホイ・ポリィ
9. エリナー・リグビーはどこへ
10. フィクシング・ア・ホール・イズ・ゲティング・ベター
11. マックスウェルズ・シルバー・ハンマー・イズ・オールウェイズ・レイト
12. ミッシェルの微笑み
13. エヴリバディ・フィールズ・フォーエヴァー

 曲を想像してみて頂戴。邦題の付け方はちょっと露骨だけど、きっとそのままの音が出てくるから(笑)。本当に音楽のできる人はこういうのも簡単にできるものなのか…、やっぱり好きで努力しないとできない分野だろうと思うんだけどさ、とにかく絶品。昔仲間が増えるたびにこれを聴かせて反応を楽しんでいたことがある。笑うヤツもいれば驚くヤツもいるけど、みんな最後には「すげぇ〜」って言ってた(笑)。そして今久々にこいつを引っ張り出してアナログで聴くと、やっぱり暖かい音で懐かしさを思い出させてくれる。不思議なことにこの冗談みたいなアルバムに思い入れが出来てしまったんだよな。とにかく聴いてもらいた究極のカバーじゃないパクりアルバム♪

Bruce Springsteen - Born In the U.S.A. 

 アメリカの象徴と呼ばれる人は色々なジャンルに様々な人がいるワケだが、たしかにどれもこれもがアメリカの象徴=アメリカ人〜ってのがもの凄く強いのが多い。音楽の世界でアメリカの象徴って誰だろう?これもまたたくさんあるしどれが、ってのは云えないよなぁ。ただ、時代を少しづつ区切っていくとクローズアップされるアメリカンアイコンってのは羅列できてくるのかな。もちろんここで書き連ねられるほど博学ではないので適当な想像で進むのだが…。バブリーな時代に突入する豪華派手絢爛の時代となった1980年代初頭、そのアイコンは確実に一時代を創り上げたと云える。

ボーン・イン・ザ・U.S.A.(紙ジャケット仕様) THE”LIVE”1975-1985(紙ジャケット仕様)

 ブルース・スプリングスティーン「ボーン・イン・ザ・U.S.A.

 いやぁ、リュウさんトコでこれ書いているのを見かけて、完全に自分の記憶から消え去っていたことを思い出してえらく懐かしくてさ。個人的に言ってしまえば取り立ててこのアルバムに影響されたとかもの凄く好きだとか言うのは実は全くない。どっちかっつうと斜に構えていた時代だったのでなんか暑苦しくていやだねぇ…みたいな部分もあったんだよな。もちろんその心の叫びっつうのはわかっちゃいたんだけど素直に認められないことこそがスタイル、みたいな感じでさ(笑)。まぁ、いいじゃないか、若かりし頃は色々と突っ張るもんなんだよ。良いモノを良いと言わずに自分のロックを探す、ってところだな。格好良く言えば、だけど(笑)。

 で、当然ながらアルバムをまとめて聴いたことはない、と思う。いや、あると思うけど全部覚えてないし今持ってないからさ。ただ、当然ながらタイトル曲のインパクトっつうか、これは世界を制した一曲だし、これこそアメリカの象徴!っていうかっこよさはあったよなぁ。それをボスのあのむさ苦しい…という否定的な言い方ではなく肯定的に書くと、魂を込めた全身全霊で熱い心を訴える叫びの歌は万人モノ心に訴えかけるモノがあったのだと思う。否定的な自分ですら陰では聴いていたし、興味のない人でもやっぱりそういう部分はあったと思うし、それこそが人間だと思うから。だから凄い売れたんだろうな。好みかどうかと言えば好みではないけど、きちんと伝えたいことを伝えている人だ。

 実は陰ながら多数のアルバムを聴いていた。初期のモノからこの後のライブ集大成の作品あたりまで、それからアンプラグドやNYテロ後にその想いを込めて作られたという「The Rising」など割と聴いているんだよね。でも自分的にスプリングスティーンが好きだ、という話はまずしない。なんでだろうね。かっこつけかな(笑)。いや、そういうんでもないけど、まだ分かってない部分が多いからかなぁ。…でさ、結構聴いてて思うんだけど、この「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」っつうアルバムって前作までのスプリングスティーンの作風からは大きく逸脱しているような気がする。もっと生々しく歌っていた作品が多かったのがやっぱり80年代の特徴か煌びやかさが出てきているからかもしれない。それは多分アレンジや音とのものの話でスプリングスティーンの曲や歌は変わっていないんだけどさ。

 大爆発して売れた曲、そして随分してからこの歌詞が実に意味深なもので寂しさを歌っていたものなのだってことをきちんと認識した。それを単なるヒット曲、で片付けてはいけない、それくらいの重みがある歌だったんだなぁと。やっぱりこういうのもあるからPVで流す時なんてのは字幕テロップがあったりする方が良いのかねぇ。かなり感動する歌詞です、はい。

Born In The U.S.A. / Bruce Springsteen (1984)

生み落とされたのは 死人のような街さ
最初に喰らった蹴りは 歩けるようになった瞬間さ
最後には打ちのめされた犬のようになるんだ
そして人生の大半を送る 身を隠すようにしながら

生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで
生まれたんだ アメリカで

ちっぽけなこの街で揉め事をおこした
そしたら奴らは俺の手にライフルを持たせた
俺を外国へと送り込んだ
そこに行って黄色い奴らを殺すためさ

生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで

帰国して 製油所に行き
採用係が言う 「お兄さん、私に権限さえあれば...」
引き下がって 復員軍人庁の担当者に会った
言われたよ 「お兄さん、分からないかな?」

俺には兄貴がいて ケ・サンで
戦ってたよ ベトコンと
奴らはまだそこにいるが 兄貴はもうどこにもいないよ

兄貴には好きな女がサイゴンにいたよ
彼女の腕に抱かれる写真1枚さ、もう

刑務所の影に押さえつけられ
製油所のガスの炎から弾かれて
俺は10年路上で燻っていたよ
どこへも逃げられないってのは、どこにも行き場がないって事

生まれたんだ アメリカで
俺は 生まれたんだ アメリカで
生まれたんだ アメリカで
俺はすっかりダメなオヤジさ アメリカで
生まれたんだ アメリカで
生まれたんだ アメリカで
生まれたんだ アメリカで
俺はイカしたロック・オヤジさ アメリカで

Edgar Winter & Rick Derringer - Roadwork 


 ギタリストと云えば、ホントにギター一本で未だに生き延びているっつうのは失礼なんだけど、バンドっていうよりも独自のギタリストイズムでアメリカを制覇はしてないけどみんな知ってるよな、っていう珍しい人がいる。リック・デリンジャーですな。単体だと記事にならないのでジョニー・ウィンターの名盤「Live Johnny Winter And」で冒頭からジョニー・ウィンターとギターを弾きまくっているところから始めよう♪

 その流れからジョニーさんのお兄さんである鍵盤奏者エドガーさんに紹介が回って、エドガー・ウインター&リック・デリンジャーってのがひとつのユニットみたいになってメジャーになったワケだな。で、まぁ、今や廃盤でプレミアまで付いている名盤と呼ばれる「Shock Treatment」っつうのでバンドの一員となって参加…っつうかリック・デリンジャーやダン・ハートマン作曲のものが多かったおかげで割とメジャーな才能が認められてきたってのがキャリア構築の最初期になる。うん、これはなかなかクールな、っていう言い方が良いのかもしれないけど、多様な曲が詰め込まれているね。基本ハードロックだけど偉くファンキーな面と美しき曲、みたいな感じ。

 でもって、やっぱこの人達のオススメは「Roadwork」だろうなぁと思うのだ。えらくソウルフルでファンキーなサウンドをこの時代にアメリカの白人が模倣していたという手法はエルヴィスがブルースメンをパクってロカビリーを作ったのと同じやり方で、ある種一世を風靡した傑作ライブ盤♪もちろん弟名手ジョニーも参加したファミリー作品なので記念碑的にもよろしい作品。

 そんな経緯の途中にソロ作品でえらい傑作を生み出してしまったのが「All American Boy」っつう何とも人を喰ったアルバムジャケが有名な作品で、まぁ、なんつっても先のライブ盤でも大盛り上がりを見せる「Rick Derringer - The Best Of - Rock N' Roll Hoochie Coo - Rock And Roll Hoochie Koo Rockn' Roll Hoochie Coo」が初っ端に収録されているワケで、この人この一曲で一生喰っていきますみたいな感じになっちゃったけど、アルバム全体もかなりポップなロックで才能あるかもしれないって思わせる作品に仕上がってる。この世界はある種独特だな。

 アメリカでは今でも人気があるのかな、リマスターシリーズも出ているみたいなので多分ドサ回りでも結構イケてるのかもしれない。日本じゃ…全く相手にされてないような気もするが。あ、昔子供ばんどがカバーしたりプロデューサーに迎えたりして話題になったね。

Rick Derringer - The Best Of - Rock N' Roll Hoochie Coo The Best Of - Rock'n Roll Hoochie Coo
Edgar Winter - Not a Kid Anymore Edgar Winter - Not a Kid Anymore

Ted Nugent - Double Live Gonzo! 


 アメリカンワイルドロッカーとして思い描く人って実はそうそういない。ワイルドなフリしてるけど、ってのはいくつも思い付くけど(笑)。特に70年代っていう混沌とした時代に地でそれをやってて成功した人ってホントに数少ないんじゃないかなぁ、と。いや、メジャーになるとね。元々はステッペンウルフなんかが代表格になるんだろうけど、そこから先って思い付かないね。で、その中でも飛びきりワイルドだったからこそある種アメリカの雄みたいなイメージ=アメリカ人って野蛮〜って思ってしまうほどの人と云えばテッド・ニュージェント

 単独では未だに日本でライブをやったことがない人なんだよね。90年代にダム・ヤンキースの一員として来日公演はやったみたいだけど、やっぱソロで豪快なライブを見せてもらいたい人の一人。そんなワケで、未だ見ぬ英雄、そしてアメリカ国内では絶大なカリスマ性を誇っていると云われるゴンゾーの傑作と云えば、やはり「Double Live Gonzo!」なんじゃないかな。

 大体がギブソンのセミアコを持ってバリバリに歪ませてハードロックやっちゃうあたりからスケール外れてるし、しかもそれを持った姿が全然セミアコ持っているように見えないっつうガタイのでかさがワイルドだよな。ちなみにレスポールとかっつうのはミディアムスケールって云われているようにちょっとガタイの小さい人向け、手の小さい人向けにできているワケで、それでもギターがでかく見える人がいるんだけど、この人がレスポールとか持ったらホントに象さんギターを持った日本人みたいに見えてしまうんじゃないだろうか?それくらい違和感のないスケール。

 で、ライブ盤だが…、ワイルドそのもの(笑)。多分走り回ってギター弾いてるんだろうなぁって感じだけど、ライブのエネルギーがしっかり収録されているのでその空気感は面白い。まぁ、逆に言えばスタジオ盤はどれもこれも同系統の作品なのでどれを聴いてもテッド・ニュージェントっていう人がよくわかってしまうんだけど、そういう意味では「Cat Scratch Fever」なんかが好きかな。何がベストヒットなのかよくわからないけど、ベスト盤「グレイト・ゴンゾ ベスト・オブ・テッド・ニュージェント」も出ていて、今から聞く人はライブ盤かベスト盤が良いと思う。すっきりとした気分になりたかったら是非お試しあれって感じ(笑)。

 しかし日本のiTunes Storeはアンボイ・デュークスはあるけどテッドはないんだなぁ…。

Ted Nugent & The Amboy Dukes - The Amboy Dukes The Amboy Dukes
The Amboy Dukes featuring Ted Nugent - Journey to the Center of Your Mind The Amboy Dukes featuring Ted Nugent - Journey to the Center of Your Mind

Grand Funk - Caught In The Act 


 「We're an American Band」、そう自称して実際にアメリカンハードロックの火を灯し続けたバンド、グランド・ファンク。とにかく誇張された宣伝文句が多く、それはアメリカでも日本でも彼等のために打ち出された戦略のひとつで、それが故に今でも神話が残っているのだろう。そもそもアメリカンハードロックと書いている時点でその神話が残っている証拠だよな(笑)。

 グランドファンクというバンド、鍵盤奏者が入る前はグランド・ファンク・レイルロードと名乗っており、最後の最後はまたグランド・ファンク・レイルロードとしてアルバムをリリースしているが、その間はグランド・ファンクというバンド名になっていて、実はその時期が一番熱かった頃なのだ。で、昔からなんでこんなにアルバムがいっぱい出ているんだろう?って疑問に思っていたので、いや、だからそれで集めて聴かなかったってのはあるんで、せっかくだからちょこちょこって調べてみたら、何とまぁ、驚くことに1969年にアルバムデビューして70年に三枚71年に二枚以降毎年アルバムをリリースしていて、75年76年はまた二枚ずつリリースしている…。なるほど、ワケがわからないはずだ。短期間にここぞとばかりにアルバムを投下し続けていたワケだが、それで名前が売れまくったって感じかな。凄いわ。

 で、もちろん全部聴いてないけど、やっぱり1971年豪雨の後楽園球場での来日公演という強烈なインパクトがあったため、やっぱりライブ盤だったら凄いんだろうなぁ、と期待して1975年リリースの「Caught In The Act」という2枚組ライブアルバムを入手して聴いたのが最初。

 「凄ぇ…。」

 うん、ハードロックバンドって思ってたけど今聴き直してみると結構南部っぽいところもあったり名前の通り、しっかりとファンク調のリズム感覚を持っていたり、もちろん英国的な感覚もどこかに持ち合わせている感じで単純にアメリカンロックバンドっていうのではなかった(笑)。ま、そりゃそうだろうけどさ。この時点で今と同じアメリカンロックだったら怖いもんな。でさ、やっぱねぇ、ベタだけど「Grand Funk Railroad - Grand Funk Railroad: Greatest Hits - Heartbreaker Heartbreaker」のネチっこさが好きでねぇ(笑)。もちろん「Grand Funk Railroad - Capitol Collectors Series - We're an American Band We're An American Band」も定番曲として良いんだけどさ。そうそう、それでこのライブって「Grand Funk - Grand Funk Railroad: Greatest Hits - The Loco-Motion The Locomotion」ももちろんやってて気持ち良いんだけど、それよりもライブの最後に演奏されている「Grand Funk Railroad - Capitol Collectors Series - Gimme Shelter Gimmie Shelter」が良くって。ストーンズのとはちょっと違うんだけど、結構暗っぽく熱くプレイされていてかなり良い。全体的に熱いライブをそのまま録音できている正にグランドファンクのライブはこうなんだ、って云っている感じのライブ盤なんじゃないかな。もちろん豪雨の後楽園を体験した人達には敵わないんだが、こうして疑似体験出来るライブ盤ってのはやっぱロックの真骨頂。

 そういえば、76年の最後のスタジオアルバム「Good Singin', Good Playin'」ってザッパがプロデュースしてるんだね。その前はトッド・ラングレンもやってたりしてその筋には結構恵まれた環境だったんだろう。うん、その辺知らなかったのでまたちょっと興味が出てきたな。

Grand Funk Railroad - Caught In the Act Caught In the Act
Grand Funk - Grand Funk Railroad: Greatest Hits Greatest Hits
Grand Funk Railroad - Capitol Collectors Series Capitol Collectors Series