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フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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Grand Slam - Studio Sessions 

 なんとなくハードロックな気分の中、ちょこっとだけマイナーな人達のバンドをいくつか…、と思ったんだけど多分長くは続かないだろうなぁ(笑)。ハードロックってつまんないバンドのだと滅茶苦茶つまんなくてさ、英国のバンドだとまだ聴き所を探せるんだけどアメリカとかはもう全然つまんなくてダメなのが多い、っつうかそもそもそんなに深堀してないが。余所の国の場合はそもそも情報があんまり入ってこないし、マイナーなものは余計に入ってこないので情報が入るということはそれなりに聴く価値がある音、という認識で挑めるからまだマシかも。まぁ、マニアックな領域に入ってしまうといくらでも出てくるが、別に日本でも同じ事が云えて、インディーズってのは基本的にインディーズの音だもん。

Studio Sessions Twilight's Last Gleaming Whiter Shade of Pale / Like a Rolling Stone


 そんな小話はともかく、アイルランドの英雄フィル・ライノットの最初の、とも最後の、とも言う伝説のプロジェクト…とは言い過ぎだが、グランド・スラムというバンドがあった。フィル・リノットがThin Lizzyを組む前にはこのバンド名で活動していたみたいで、要するにアマチュア時代のバンド名だったんだけどThin Lizzyを1983年に解散してから次のプロジェクトとしてソロアルバム制作の後、また同じくグランド・スラムというバンド名で活動開始して、いくつかライブを行ったりデモ録音をしていたらしい。結局メジャー契約が取れなくてきちんとしたスタジオアルバムというものは制作されなかったのだが、フィル・リノットほどの人物でも次のバンドの音で契約が取れなかったというのはかなり驚いた。まぁ時代が80年代ど真ん中なので、と言うこともあるかも知れないが、一方ではNWOBHMから発展してきたバンドの最全盛期でもあるし、う〜ん、やっぱりメジャーのハードルは高かったのかな。

 そんな状況ではあったけど今ではしっかりとフィル・リノットの偉業が評価されて、無理矢理音源発掘されていくつかのCDがリリースされている。ひとつは「Twilight's Last Gleaming」という1984年のマーキーでのライブ盤。未聴なんだけど、あまり音がよろしくないライブアルバムらしく、出来映えもそんなに、という代物らしいが、ライブでの音が聴けるというだけでもよろしいことなんじゃないかと思う。まぁ、買ってないからなんとも云えないのだが(笑)。それと、多分同じマーキーからの音源じゃないかと思うけど、Thin Lizzy時代の名曲「Whiskey in the Jar: Live」を再度カバーしているライブ音源がシングルCDでアマゾンで買えるみたい。シングルではもうひとつアマゾンで入手できるのが「Whiter Shade of Pale / Like a Rolling Stone」をメドレーにした絶妙なカバー曲。いや、この二曲が同じコードと進行と展開のまま繋がるとは知らなかった。全く違和感なく「青い影」のギターのアルペジオのまま「ライク・ア・ローリング・ストーン」が歌われるんだよ。これは面白い。素晴らしいセンス。

 このシングルを収録していて、それから最後のシングルとなった「Ninteen」という素晴らしくフィル・リノットらしいハードロックを展開している曲を冒頭に収録した「Studio Sessions」というCDが発売されている。デモテープをそのままCDにした代物なのでバンド感というものは少々欠けているものの、今となってはフィル・リノットがどういうのをやりたかったのか、また実際にどんな音だったのかがよくわかる唯一の記録。普通にリリースされていたらあまり陽の目を浴びなかったことは間違いないけど、こうして出されると妙に気になるし、良いところを探そうとしたくなるのは無い物ねだりだから?駄作も多いけどやっぱりフィル流のハードロックで、いいけどな。そんな貴重なセッションの記録。彼の熱い気持ちと音が胸に染みるなぁ…。「Ninteen」かっこよいなぁ、YouTubeにちょこっとだけあったので是非…。

Dolores O'Riordan - Are You Listening 

 個性的な歌姫も多数いる中で今の時代に歌声だけで個性を出している人の一人でもあったクランベリーズのドロレス嬢。結婚出産という女性ならではの成長過程を経て、2007年に、というかついこの間クランベリーズ沈黙後初の活動成果をリリース。

Are You Listening

 「Are You Listening

 フルアルバムでどんなキュートな作品かと思いきや、いやぁ…それほどクランベリーズに詳しいワケじゃないんだが、クランベリーズとほとんど変わりのない作風が並ぶソロアルバム。個性的に歌を聴かせるものもあればしっかりとロック風にアレンジされた中で歌うモノ、そして生ギターバックに歌い上げるバラードなどなどバリエーションはかなり広がっているもののドロレス嬢の歌は相変わらず。しかし、そうだなぁ、ちょっと深みが出てきたのかな、という気がする。もっとキャッチーに歌ってたような面もあったからさ、まぁ、若さだったのかもしれないけど、それがやっぱりしっとりと深みを見せて歌い上げてるようなのが多くなった。当然と言えば当然だけどさ、でも相変わらず中音から高音に行く時の独特の粘っこい声質は健在でいいね。

 こういう歌声の人は珍しいからマイペースでいいのでアルバムリリースし続けてもらいたいね。自分でも思い出したら聴くって感じだけど、聴くと惹かれるのはわかってるからたまにあってほしい歌声。そういうのって何かしらあってさ、コアーズに期待が持てない今、彼女には頑張ってもらいたいなぁ。バンドである必要性はないけどさ。

The Cranberries - No Need To Argue 

 ようやくメタル色からは抜け出したものの女性歌モンからは相変わらず抜けられなくて、こないだMoonlightというバンドを聴いていてどこかクランベリーズ…と思って聴き直してしまったのでついでに書いておこうかな〜って(笑)。どのアルバムがいいかな〜なんて思いながら選んでいる楽しみってのはなかなか楽しいものがある。もうそんなこと何年もやってるのに今でもそういう作業が楽しいってのは凄いな、ほんと。まぁ、その分最近CD屋さんとか行って一生懸命何かを探すっていう行為が減ってるんだけどさ。自宅でそれに近いことができるのはなかなか趣味を満喫できるモノだ。

ノー・ニード・トゥ・アーギュ To the Faithful Departed

 The Cranberries 「ノー・ニード・トゥ・アーギュ

 1994年リリースのセカンドアルバム。ジャケットを見る限りまだまだ全然垢抜けないアイルランドのポップバンドと言った様相なんだが、これがまた音楽的にはかなりキュートで胸キュンとしたサウンド、っつうかほとんどがボーカルのドロレス嬢の個性的な声質によるものが大きいね。もちろん音楽の方もそれを生かすように決して激しいサウンドではなく、しっかりとメロディを重視したもので…と書きつつも、このアルバム最大のヒットソングは4曲目の「Zombies」だったりして、聴くとえらく派手に歪んだギターをバックに軽やかなリフレインのサビが心地良い曲だったりするんだけどさ。この一曲に引っ張られがちなんだが、全体的にクランベリーズらしいサウンドを打ち出したアルバムなんじゃないかな。この後の「To the Faithful Departed」なんかはそのおかげか凄く売れたアルバムになったしね。

 1990年代って結構アイルランドから色々なバンドが出てきて、多分U2の援助も大きく手伝っているんだと思うけど面白い音楽だなぁってのが世間的に聴けるレベルになった頃。うん、良いことだよね。お国柄を気にして音楽を聴く人ってのは全般的に見たらまだまだ少ないと思うけど、そういうのも意識しなくて耳に入ってくるようになるのは悪くない。やっぱ英語で歌われると日本人的にはそれが何処の国の人ってのも気にしないしさ。ここの所ヨーロッパ各国のモン聴いてたけど、ほとんど皆英語で歌ってるもんね。そういうのが当たり前、みたいにさ。その辺の意識の違いがメジャーなところなんだろうけどさ。

 話逸れたけど、既に解散してしまったクランベリーズ、今聴き直してみてやっぱり悪くない、結構好みの声だなぁと納得。久々に聴き直すと発見が多くていいね。ちなみに中古で見かければ300円以下で買えると思う(笑)。

Rory Gallagher - Irish Tour '74 

 アイリッシュの熱い魂は大地を駆け巡り、そして歴史をも駆け巡るものだ…。それを「魂の叫び」と歌ったU2は世界の英雄に祭り上げられているが根は熱いロックンローラーだ。ゲイリー・ムーアの泣きのギターにやられた後、同じアイルランドを代表するギタリストの熱いプレイが聴きたくなって思わず手を伸ばしたギタリストがロリー・ギャラガー。まぁ、当然の選択なんだろうな(笑)。

ライヴ・イン・アイルランド(紙ジャケット仕様) Irish Tour 1974

Rory Gallagher - Live At Montreux Live At Montreux

 晩年のライブまで全くしの衰えを見せることなく熱い魂そのままでギターを弾き続けていた人で、その人生の不器用さと言うかまっすぐなプレイスタイルは全く変わることなく密やかにそして真のロックファンを魅了し続けてきたものだ。アルバムはいくつもリリースされているし、当然作品毎に苦労話やスタイルはあったようだが一貫して熱いギターを聴かせることに変わりはなく、言い方は悪いがスタジオ盤では彼の魅力が発揮できたとはとても言い難い。当然ながらロリー・ギャラガーの真骨頂はライブにあり、名盤と呼ばれるものもライブ盤がまず挙げられるものだ。自分もいくつもスタジオ盤を聴いたのだが、やはりこの作品「ライヴ・イン・アイルランド」が一番好きな作品になってしまうものだ。

 前年に名作アルバム「Tattoo」をリリースし、それを受けてのツアー、しかも故郷であるアイルランドツアーからの収録のため気合いも入るというものだ。初っ端から滅茶苦茶熱いプレイでグイグイと引き込まれていくし、ライブステージの状況が容易に想像できるような激しいサウンドはギター好きには堪らない。近年DVDでもリリースされているのでこれを見るのも絶対にオススメだが、やっぱり想像通りに髪を振り乱し目を閉じて恍惚とギターと心中している姿を楽しめるものだ。

 このライブアルバムアナログ時には二枚組の作品だったんだけど今はもちろん1CDに収録されているし、挙げ句ジャケットまで変わっているというもんだ。アマゾンで探して一瞬わからなかったけど、まぁ、それでもいいんだろう。アルバムの価値に何ら変化を及ぼすものではないだろうから。背景ではアイルランド紛争の影響がかなり大きい時代なのでより一層ステージへの波及効果もあったんだろうなぁ。

 まぁ、何でもいいや、とにかく滅茶苦茶熱くてかっこいいライブアルバムで、聴かなきゃ損なロックスピリッツ満載のサウンド。映像と共に楽しむべしっ!

U2 - Live In Japan 


 U2来日公演については今年初頭に来日チケットを獲得したのだが、結局ツアーキャンセルとなってしまいまた見る機会を失ったかなと思ったんだけど、延期公演が確定したってことで、まぁ、チケット余ってるなら買ってみるかってことでふらりとチケットショップの近くを通った時に覗いたらあったので、買った。ホントは座ってゆっくり見たかったので安くて後ろの方の席で十分だったんだけど、安いのがなぜかアリーナ席立ち見ってトコだったので、それにするかってことで当日を迎えたのだが…、なんと、埼玉スーパーアリーナのいわゆるアリーナ席がオールスタンデイングになっているだけなのな。それで立ち見席って…、一番ステージが見にくいアリーナ席だから、そして立ち見だから一番安い席ってのは納得しちゃった(笑)。考えてみれば当たり前なのだが、なるほど、それまではアリーナ席って言ったらやっぱそれなりにランクが上の席だったんだがな…。ま、そんなことでとりあえず当日、開演10分前くらいに到着♪

 ちなみに演奏された曲はこんな感じだったらしい。

1.City Of Blinding Lights
2.Vertigo - She Loves You
3.Elevation
4.I Will Follow
5.I Still Haven't Found What I'm Looking For - In A Little While
6.Beautiful Day - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band - Blackbird
7.Window In The Skies
8.Walk On (Acoustic)
9.Sometimes You Can't Make It On Your Own
10.Bad - 40
11.Sunday Bloody Sunday - Rock The Casbah
12.Bullet The Blue Sky - When Johnny Comes Marching Home - The Hands That Built America
13.Miss Sarajevo
14.Pride (In The Name Of Love)
15.Where The Streets Have No Name
16.One
-encore
17.The Fly -(I Can't Get No) Satisfaction
18.Mysterious Ways
19.With Or Without You
-encore
20.The Saints Are Coming
21.Angel Of Harlem
22.One Tree Hill

 う〜ん、やっぱり凄いバンドだよな。アリーナクラスの会場でのライブを熟知しているから当然パフォーマンスも演出もよくできているんだけど、それでも4人でしかやってないっていうのは凄い。サポートメンバーとかなしで4人だけなんだよね。そういうトコ好きだな。で、最初の方にノリノリのナンバーを持ってきてるから、最初に観客も疲れてしまうみたいで、それはそれは凄いノリだった。そんなに燃えるなよ、歌うなよ、ボノの歌を聴きにいったのに近場のうるさい歌声聴かされたらたまらん…。ま、で、も結局あれくらいの会場なのでメンバーの姿なんてろくに見れないから、ある意味どうでもいいか、ってのもあったかな。音のデカサと演出は見事にライブなんだけど…やっぱ生のメンバーが演奏している姿を見てる気がしないからどうにも距離感があってね。ま、そんなもんでしょうがないけど。だから結論的に悪かったかということはまるでなくさすがに凄いライブだったとは思う。ステージでは世界人権宣言がスクリーンに映されたり「共存」というメッセージを打ち出したりとさすがに音楽だけではなくきちんとしたメッセージバンドとしての機能を果たしている反面、単純に楽しみに行っている多くの人種はシラけてしまったのもあるだろう。ま、そういうバンドだ。

 1/3くらいは知らない曲だったかな。90年代のはあんまり知らないから、そんなのがアンコール後にバシバシ出てきて、これはきっと熱くなって帰らないで気を静めて帰れっつうことなんだろうな、と解釈(笑)。おかげで全く最後は冷めて帰れたもん。いや、最後の曲知らないからさ。しかし年齢層がまちまちのライブだったな。それから人数が多くてメジャーなバンドなので外人が多かった。ロック野郎的なのはあんまり見かけなかったけど、あとは女の子が一人で来てるってのもいっぱい見かけた。女の子一人でアリーナ立ち見って何も見えなかったと思うけど凄くノッてて、かなり不思議だったが…。結局騒げれば良いのかな。バンドメンバー見えないと違うところに気が散ってしまってダメだな(笑)。

 なことで、12月4日にももう一回ライブがあるらしいので、あのパワーはまだ感じられる可能性はあるよ(笑)。その辺は凄いからね。U2のサウンドがこれほど温かく聞こえたのは初めてかもしれないな。

U2 - Boy 


 今月末から待望の日本公演が行われるU2の1980年のデビュー作品ではアイルランド出身のバンドという枠組みから大きく逸脱した世界的にも独特のサウンドを武器に、ケルトをほぼ排除したサウンドで、その寒々しい空気感だけをパッケージして、エッジの透明感溢れるサウンドとエフェクト、そしてシンプルでラフなリズム隊、何と言っても圧倒的な存在感を示すこととなるボノの今や世界最強のオリジナルメンバー歴を誇るバンドにまでのし上がったと云っても過言ではあるまい。

 そんなバンドでももちろん最初の作品っつうのはあって、「Boy」が彼等のファーストアルバム。アマゾン見てるとどうも最近はジャケットがつぶれた四人の横顔のモノクロのヤツ=アメリカ盤で統一されたのか全く愛着も面白味もないものとなっていて、やっぱアルバム「WAR」で怒りを露わにしていた少年がまだまだあどけない子供の頃の写真を使った英国盤がいいよね。なんでよりによってアメリカ盤のジャケ使うかねえ…、ま、しょうがない。

 うん、「U2 - Boy - I Will Follow I Will Follow」からして凄くラフなサウンドで迫ってくる…、それでも既に後のU2サウンドと呼ばれる原型になっていて、今でも演奏されるくらいの楽曲だね。うん、エネルギーに溢れてるよな。3曲目の「U2 - Boy - An Cat Dubh Cat Dubh」って多分ゲール語入ってるし、その辺アイルランドだな、と思う。後はねぇ、やっぱ「U2 - Boy - Out of Control Out Of Control」の積極性が良いなぁ。演奏なんて全然巧くも何ともないけどやっぱ凄くロックでさ、いいんだよな。バンド結成が1976年っつうから英国パンクと共にバンドを続けていたワケで攻撃性を持つのは当然なんだけど、それもアイルランド流ってトコで良い時代に出てきたんだ。

 実はリアルタイムで初期を聴いた時はそんなにかっこいいとは思わなかった。その他大勢のバンドと大して変わらないと思ってたしさ、ライブエイドで学ラン着て出てきたのを見てて、なんだコイツ?って思ってたしさ(笑)。アレがマイナスポイントだったかもしれん…。で、周りから名前を聞く頃にはもう90年代のワケのわかんない時代だから全く聴かないしね。そういう意味でマトモに手を付けたのが遅かったバンドではある。

 故に今度の日本公演が初めてのU2体験になるんだろうけど、どんなんかなぁ…、多分完成されたステージだからそれなりに満足するんだろうなぁと。やっぱプロの完全なパフォーマンスってのは面白いからさ。

U2 - Boy Boy
U2 - War War

The Cranberries - Wake Up and Smell the Coffee 


 90年代の音楽界では割と多国籍サウンドが賑やかになってきた頃で、アイルランド産はもちろんのことスウェーデンポップなんてのももてはやされたりしていて、結構国の文化が垣間見れる時代になってきていたのも事実。まぁ、ロック界の中ではあんまり変わらなくってどんどん衰退していった気がするが…。

 そんな中でアイルランドから元気の良い、と云うか昔のU2のようなサウンドっつうか雰囲気で出てきたのがクランベリーズ。初期作品は素朴なメロディと骨太な音楽性みたいなもので一見硬派サウンドだが女性ボーカルってことでちょっと柔和、でもこのドロレスという女性ボーカルがシニード並みに頑固そうな感じで凄くポリシーあってロックしてたかな。

 自分的には実は1996年にリリースされた「トゥ・ザ・フェイスフル・デパーテッド+5 」で最初にまともに聴いたんだけど、なんつうのかなぁ、アクが強いけどサウンド的には結構多彩だなぁと思って、ただ昔から女性ボーカル好きだからさ(笑)、どんなんかなぁって気になるワケよ。そしたら硬派だった。ふ〜ん、なんて注目してたらしばらく活動しなくなっててさ、ま、そんなもんか、と思ってたら99年に突然滅茶苦茶目立つヒプノシスのジャケットで新作「Bury The Hatchet」リリースして、なんかね、大御所みたいなサウンドに変わっててさ、自信着いたのかなぁ、堂々としてるんだよ。ケルトっぽさももちろんあったりするしね。その後の「ウェイク・アップ・アンド・スメル・ザ・コーヒー」でも同じように安定したサウンドで、これもジャケットがヒプノシスでさ、それだけで何か期待できるんだよな。で、今のトコ、変わってるけどこの作品が一番好きかな。全部まともに聴いてないからわかんないけど、なんかね。ケルトっぽさってのはかなり隠れているんだけど、アイルランドらしさってのはやっぱりあってさ、そういう意味で変化しきった、成熟したアイルランドロックのひとつの形かな、という感じ。

 ケルトっぽさで云うならやっぱファーストあたりだろうけど、でも、それもどっちかっつうとU2的な寒い音楽ってのが適当で決してケルトっぽさを出していた感じではないよな。後にこのファーストアルバム「ドリームス+6」からの「The Cranberries - Stars - The Best of the Cranberries (1992-2002) - Dreams Dreams」ってのが映画「ユー・ガット・メール」に使われてヒットしたのは有名な話。またいずれ復活して聴かせてもらいたいバンドのひつてもあるかな。

The Cranberries - Wake Up and Smell the Coffee Wake Up and Smell the Coffee
The Cranberries - Bury the Hatchet Bury the Hatchet
The Cranberries - To the Faithful Departed To the Faithful Departed

Altan - Blackwater 


 再びアイルランドに戻り今や大御所となったアルタンを取り上げてみよう。この人達、即ちマレードの人生なんだけどパッと経歴を見るだけでも既にドラマティックというのか、感情移入してしまう。もちろんそこから紡ぎ出される音楽が繊細で美しいからこそ納得感があるんだけどさ。だから今回は彼女たちの「Blackwater」を取り上げておきたい。

 1970年代後半マレードと当時はまだ結婚していなかった後の夫となるフランキーは二人とも教師をしていたが、二人して音楽好きでマレードは歌とフィドルを、そしてフランキーはフルートで密やかに音楽作りに励んでいたそうな。1979年になると二人の名義でいくつかの曲を発表し、1983年にはアルバムリリースできることとなり「北の調べ」として発売され、それから5年後にはもう一枚、決定的なアルバム「Altan」をリリース。ここで教師の道からは外れ、音楽家へと進むことにした二人はこの時のバックメンバーをバンドメンバーとして、バンド名にアルタンと付けたワケだ。まぁ、かっこいいよなぁ。で、問題はその後で、マレードの夫でもありバンドのリーダーでもあったフランキーが1994年にガンで他界してしまうのだよ。それでもバンドは続けろという遺言もあってマレードはバンドを継続して今に至るワケだ。で、その1994年の転機にリリースされたアルバムが「Blackwater」。アン・ブリッグスが世に出して有名にしたアレ、そしてジミー・ペイジがパクって更に有名にしたあの曲を取り上げたアルバム。もちろん他の曲もそういった背景を知ってから聴くとなるほど迫ってくるものがある。単純に音楽的にもハイレベルの代物だが、アルタンの音楽性を見事に継承しているし、これからも全く不安な要素がないような突き進み方でのサウンドはやっぱりいつ聴いても芯が通っていて響くものがある。そんな感じ。

 この手のバンドってパッと聴いただけだと正直どれを聴いててもあまり差がなくってBGM的に聴く方が多いんだけどアルタンはそういう意味ではやっぱり耳が惹かれるっていうサウンドなんだよね。理由はわからないんだけど、引き込まれる。これも初期よりも後期の方が好きだなぁ。結構ケルト系の音楽って古いのよりもちょっとアレンジされている方が好き…ってことは市場にハメられているのかもしれない(笑)。

 ちょっと前にタワーレコードの特売コーナーでアイルランドの原曲ばかりを集めた3CDがあって、安かったのでさっと購入したんだけどこれはねぇ、やっぱりダブリナーズみたいなもんで安い酒場での音楽の寄せ集めなので煌びやかさは全くなくって、でもアイルランドを感じさせる曲ばっかでさ。どっちかっつうとシン・リジィ的かもしれん。原曲は原曲でいいけど、それから進化させたものの方がね、やっぱり良いんだよ。

Altan - Blackwater Blackwater
Frankie Kennedy & Mairead Ni Mhaonaigh - Altan Altan
Altan - Island Angel Island Angel

Capercaillie - Sidewaulk 


 ちょっと島を離れたスコットランドでも同じように伝統音楽はもちろん存在しており、それは距離的な近さからどうしたってアイルランドあたりとは似てくるものだが、スコットランド伝統音楽からアイルランドケルト音楽)に近づいてきたことで洗練されたサウンドを生み出し、そしてスコットランドの旗手にまでなってしまったバンドがカパーケリーというこちらも紅一点ボーカルのカレンを配した素晴らしい音楽集団だ。

 デビューは1982年なのでそれほど古くもない…んなことないか、しっかりもう24年やってるワケだから古くなってきてるのか(笑)。こちらもやっぱり初期〜中期にかけてといわゆる90年代半ばからのサウンドは割とかけ離れてきているので実験的精神は旺盛で、そういう意味でも面白い。でも、基本的な楽曲のバランス、例えばフィドルとピアノとフルートやギターとの掛け合いなんてのは基本的なところで変わらない。だから毎回ちょっとづつ変わったことやっていたら結構変わってきたって感じ。

 一般的に一番良いと言われているのが「Sidewaulk」という1989年の作品で、スコットランドっていうのを知らなかったらアイルランドケルト音楽って言ってしまいそうになるくらい成り切った作品で、かなり好き。アルバムジャケットだけはもうちょっと洗練したモノにしてほしかったなぁとも思うけど、中身はバンドの過度期と遭遇して実にエキサイティングな曲に仕上がっているのが面白い。やっぱどう聴いてもケルトだよなぁ、と。

 そうだね、だからどっちかっつうと90年代以降の方がこの路線の拡大で好きかな。「トゥー・ザ・ムーン」とか「ゲット・アウト」とか、あまりアルバムを意識しないでさらっと聴くことが多いね。