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フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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Trees - On The Shore 

 あまりにもそのジャケットだけが有名になってしまったTreesのセカンドアルバム「オン・ザ・ショア」。ご存じのようにヒプノシスの手によるアートワークで、オリジナル盤でならば味わえるのだろう微妙なニュアンスの色合いというものが非常に重要な気がするのだが、なかなかオリジナル盤に出会えることもなく、また決して入手する出来る金額でもなく、高嶺の花なのだが、最近デラックスエディションな2枚組CDがリリースされたようなので、それならばかなりオリジナルに近い色合いが再現されているのではないだろうかと思う。

オン・ザ・ショア(紙ジャケット仕様)

 1970年リリースのセカンドアルバム「オン・ザ・ショア」。ここの所の一連のフォークとは少々異なり、これは完全にロックです。まぁ、フォークロックっつうか微妙な線はあるんだけど、これはロックだろうな、と位置付けていいと思うし、しっかりとバンド形態で演奏されているし、微妙なエレキギター…リチャード・トンプソンのような感じで頑張ってるんだけどさ、そういうのも含めてロックだよ。紅一点のセリア姫の歌声があまりにもトラッドフォーク的な歌声と歌い方なのでフォーク的要素ももちろん強くなるんだけど、フェアポートに成り切れなかった、でも頑張っていたらこうなりました、みたいな感じのバンドで、結構ツボを押さえていると思う。トラッド曲だけでなくってしっかりとオリジナル曲も違和感なく作られているし、長いアレンジを施している曲にしても飽きさせないようになってるしね。だからジャケットのインパクトに釣られて買った人でもそれなりに楽しめて質の高い音楽に触れられるレベルだから大丈夫でしょ。

 あぁ、英国らしいアルバムだなぁ…。ジャケットの雰囲気はもちろんだけど音もさ、モノマネから自身の音色を確立していくという感じでね、しかもそれが紛れもなく英国的な陰鬱度と共にしっとりと浸食しているんだもん。この辺はまだまだ浅く広い世界だけど、それでもこれだけ心地良く楽しめるんだからやっぱりこの深みは楽しい。そしてこのアルバムも全てが素晴らしい曲じゃないけど、良い曲がいくつかあって、例えば「Streets of Deny」とか「Sally Free And Easy」なんてのは多分ここのサイトに来ているロックファンは好きだと思うんだよね。良いんだよ、うん。

 ボーナストラック付き2枚組CD欲しくなってきたな(笑)。BBC音源とデモ音源が付いているみたいだけど、BBCは既にあるしなぁ…、全く商売上手なメジャーな配給会社は困り者だね(笑)。その分そこから入ってくる人には完璧に揃ったアイテムになるから嬉しいことなんだろうけど。難しいなぁ。

Dulcimer - Dulcimer 

 英国フォーク界の中でも一二を争う程のアルバムジャケットの美しさを誇るバンドと言えばこのダルシマーのファーストアルバムじゃないだろうか?非常に英国の荘厳さと気質を表現したアートワークはそれだけでも十分に名盤と呼ばれる資格を持ち合わせていたりするのだ。

ターンド・アズ・ア・ボーイ

 1971年リリースのファーストアルバム「ターンド・アズ・ア・ボーイ」。この後もう一枚、そして1990年代になって再結成して何枚かアルバムがリリースされているらしいんだけど、やっぱりこのファーストがダントツの出来映えというかインパクト。こないだまでの素朴でソフトなほのぼのとした女性が歌うフォークからは少々逸脱して、もっとフォーキーなロックというような激しさを持った三人組のアルバムなので、アルバムジャケットから思い起こす印象とは多分ちょっと異なる。基本はギターと歌なんだけど、ベースやマンドリン、もちろんダルシマーなどが積極的に絡んでくるところが激しさかな。歌声も静かな語り口調とは全くかけ離れていてかなり個性的な声と熱い魂を吐き出しているような歌というのもあるのでやっぱロックの世界に出てくるだけのことはあるアルバム。

 聴いていて思った…、デヴィッド・ボウイの最初期のアコースティック系の曲の雰囲気に似ているんだ。音とかの処理も12弦を思い切りリバーブ掛けて処理してるから質感が似てるし…と思ってクレジットをアレコレ見ているとプロデュースがラリー・ペイジ…?ん?キンクスのアレか?う〜ん、どことなくレイ・デイヴィス的な歌声でもあるし、キンクス的な面もある、か?あるなぁ(笑)。まぁ、やっぱりそういうのがあるから単なるフォークロックっつう枠には収まりきらないバンドなのは間違いない。

 いやぁ、アナログ盤は見かけたことないです。コピー盤ならあるけどオリジナル盤は知らない。見ても多分結構なお値段するだろうなぁ…、CDになってからもそれほど多く見かけないかもしれない。自分的にはやっぱり待ち遠しかったのでCDになってないかしょっちゅう確認していたアルバムのひとつで、発見した時は嬉しかったなぁ。音聴いて、ちょっと「??」って思ったけど(笑)。まぁ、いいじゃないか。

Anne Briggs - The Time Has Come 

 素朴なシンガーソングライターとしてはかなりメジャーな部類に入るのか、英国の森の奥深くを奏でていた女性はと言えばアン・ブリッグスじゃなかろうか。あのバート・ヤンシュとの交流の深さからサウンドで聴かれるシンプルで素朴な歌メロはアルバムをいつまでも名盤として語られ続けられる要素をたっぷりと持ち合わせている。

森の妖精(紙ジャケット仕様) コレクション

 1971年リリースのセカンドアルバム「森の妖精」。ファーストアルバム、というか60年代の活動を集約したアルバムがリリースされていたことはあり、そのジャケットもまた艶めかしくて、そして内容も更に素朴なカバー曲がメインで美しいんだけど、こちらのアルバム「コレクション」もまた素朴な点では変わらないけど単なるトラッドシンガーというだけでなく、自作曲やバート・ヤンシュとの共作なんかも併せ持っているというものでその筋では名盤。

 音的には、そうだなぁ、ギター一本をバックに素朴に歌うんだけど、なんつうのか、歌手って感じで森の中を誘ってくれるという感じではなく、いや、ここのトコロ一連のフォークシンガーはもうちょっと甘いというか柔らかさがあるんだけど、アン・ブリッグスはそこまで甘くないっつうか、そんな感じ。ある意味プロなんだろうけど、そういう感じがあるかなぁ。歌詞の使い方なんかも関係しているのかもしれないけど。

 一度日本でもCBSからCD化されていて、その時に入手したんだけどその後はなかなか再発されなかったみたいでアチコチの中古屋さんではCDでも結構高値で売っていたりした作品。この夏にどうやら紙ジャケでリリースされたみたいなので、音を聴く分には問題ないだろうし、それこそかなりマニアックにリリースされているみたいなので満足度高いんじゃないかな。内容もほっとする味があるしね。オフィシャルサイトでは結構細かくあれこれと書いてあるのでお薦め♪

Vashti Bunyan - Just Another Diamond Day 

 真の意味で英国伝承フォークソングを奏でていた人達、そして確実にそのスタイルでファンの心を掴み取り、永遠に愛されて止まないアルバムのひとつであるのがVashti Bunyanじゃないかな。素朴、英国的、伝統的な楽曲、そして何よりも優しい。このアルバムこそがトラッドフォークという世界を聴いてみたくなる、そして聴いてみた結果、出会えたことに至福の歓びを感じるに相応しいアルバム…。

Just Another Diamond Day

 う〜ん、褒めすぎなんだけどさ(笑)、それくらい最高の作品なのだよねぇ。Vashti Bunyanの1970年の唯一の作品「Just Another Diamond Day」、だったけどこないだセカンド「Lookaftering」が唐突にリリースされたな。優しいフォークギターとVashti Bunyanの素晴らしく優しくて素朴な歌声が絡み合って奏でているだけの音で、もちろん多少の彩りを与えるためにフィドルやピアノ、バンジョーやマンドリンなどが華を添えるけど、基本的に歌とギターだけ。そしてここにもフェアポート人脈はしっかりと根付いていて、この後のフェアポートを盛り上げていく重要な一員となるデイヴ・スウォーブリックとこの世界では有名なサイモン・ニコルのサポートもしっかりとクレジットされているのだ。単なる歌の綺麗なお姉ちゃんではなく、しっかりとそのフォークの世界の筋では実力を示していたからこそこういう人脈を生み出したんだろうから、やはり並みではない。

 アルバムジャケットの素朴な雰囲気がそのまま音に出ているのでこの忙しい世の中の時代から切り離れたところでボーッと聴いているとホントに全てを忘れ去れるような感じになるので、日だまりの午後なんかにいかが?って感じ。そういえばこんなのも紙ジャケでリリースされるようになるとは実に素晴らしい国だ、日本は。もちろんアナログでは見かけたことのなかった一枚で、その存在ですら割と伝説的だったし…、まぁ、セールス的には全く振るわなかった一枚としても有名で、だからこそレアアイテムだったんだろうねぇ。CDになるのも結構遅くて、なかなかCDでリリースされなかったもん。だから全然聴けないままでさ、だから最初に英国でCD化された時にあちこち探し回って入手したのが最初。聴いたらノックアウトされた(笑)。いや、ほんと素晴らしいアルバム。英国フォーク界広しと言えどもこれほどの作品はなかなかないのでは?と思えるくらいだね。

Spirogyra - Bells. Boots and Shambles 

 う〜ん、秋の夜長という理由にかこつけてなんとなく英国トラッドフォーク系にハマってきました。そんなところにやはり美しい女性の声と軽やかなフォークと言えば思い出すのはこちら。

ベルズ、ブーツ、アンド・シャンブルズオールド・ブート・ワインセント・ラディガンズ

 1973年リリースの三枚目のアルバム「ベルズ、ブーツ、アンド・シャンブルズ」。ファースト「セント・ラディガンズ」が1971年、セカンド「オールド・ブート・ワイン」が1972年なのでコンスタントにアルバムをリリースしてきたとも云えるバンド…っつうか正確にはユニットだな。ご存じバーバラ・ガスキンとマーティン・コッカーハムの二人によるもので、結構躍動感と起伏のあるフォークソングが多くて、淡々とという感じよりももうちょっと色のついたアルバムという感じなのが三枚目の特徴か。まぁ、ゲストメンバーには色々と呼んでいるけど、ちょっと驚いたのがフェアポートのデイヴ・マタックスがドラムを叩いていたってことかな。どこかで聴いたようなドスドスしたドラムだなぁと思ったら彼だった。好きなんだよね、この人のドラム。このアルバムの中では数曲も叩いてないけどさ。だってドラムの入ってる曲少ないモン。

 しかしバーバラ・ガスキンの歌声というのは美しいものだ。透き通る声に近いので天上を崇めるというような気持ちになる感じ。一方のマーティン・コッカーハムが結構曲者なんじゃないかなと思うんだけど、単なるフォーク野郎に留まらないキャパの広さがあって、ヘタしたらロックでも結構よかったのかも、と思うような感じがする。今どうしてるか知らないけど、妙なバンドだなぁ、と。単に英国切っての美しいフォークっつうんじゃなくってねぇ、結構クセあるよ、この人達。

 今は結構簡単に三枚とも入手できると思うけど、前はなかなか見つからなかったな。CD化されてからは割と良くなったけど、その前はキツかった。絶対枚数が少ないんじゃないかなぁ、ファーストとかはあんまり見かけなかったし。B&Cレーベルからのリリースで配給はポリドールなのかな?多分そうだと思うけど、だから割と再発でもしっかりしてたのかもしれん。

Tudor Lodge - Tudor Lodge 

 英国音楽探求の旅に出ると最初の方で出逢うこととなる名盤というものがいくつかある。もちろん入る人それぞれに道は異なるのだろうが、多くの人はこのバンドには割と早いウチに出会うこととなると思う。Tudor LodgeMellowcandleSpirogyraという三美神による心洗われるほどに美しく落ち着いた雰囲気を堪能できる英国サウンドもそうそう見つからない。素朴な音で聴く者を和ませるVashti Bunyanという手はあるけど、まぁ、いいじゃないか、秋ってのはこういう素朴で美しい音を聴くには実に心地良いのだから。

Tudor Lodge

 1971年リリースのちょっと前までは唯一のアルバムとして名高く、そして非常にレアな貴重盤としても永い間知れ渡っていたアルバム。理由はもちろん詰め込まれた素朴なサウンドの美しさもあるが、ヴァーティゴレーベルの6面開き変形ジャケットによるリリースというところも大きい。よってオリジナル盤はかなりの覚悟が必要なお値段で出回っているみたいで、何回か見かけたけど、いやぁ、とてもとても…。で、自分的には90年代のCD再発シリーズで入手したので割と聴くのはラクだったからよかった。今じゃ6面開きアナログ200g盤にてそのままの形で再度リリースされているのだから恐ろしい。CDの紙ジャケだけでは飽き足らないと見える…。まぁ、そんな伝説ばかりが先走るので英国好きになってからは大体の人が早めに通るものだろうってことだ。

 中身はねぇ、ホントに三人によるフォークバンドなので派手さを期待してはいけないし、サイケさもそんなにあるワケじゃないし、ちらりと言われるようなアシッドフォークってこともない。本当にフォークサウンドで、そこに細々とした小技の効いた楽器の音色が被さってくるくらいのもので、美神と言われるもののその実男性が歌う歌も多く、女性の歌だけで彩られているメロウキャンドルとは大きくことなる。どっちかっつうとトレイダー・ホーンみたいなもんだと思うけど、まぁ、あそこまでではないか。うん、クリムゾンの小曲あるじゃない?ああいうのがいくつもいくつもあって、それがフォークで形作られているっていう感じで思ってもらえれば良いのかな。雰囲気的にはね。

 驚くことに1990年代末になってからすっかりおじさんとおばさんになってしまった元メンバー二人によるセカンドアルバム「It All Comes Back」がリリースされているようだ。もっとも一般的なファンはこれを認めるかどうか知らないが、基本的に変わらない音楽性っていうから凄い(笑)。いや、まぁ、そうだろうけどさ。

Fairport Convention - 2007 Liege & Lief BBC Live 

Live at the BBC Liege & Lief

 ついこないだの8月10日になんとも驚くべき再結成が成されていたのを全然知らずにいたのだ。もちろん英国でのお話なのだが…。英国きってのトラッドフォークバンドとして名高いフェアポート・コンヴェンション。その栄華は60年代末期から70年代前半にかけて、もちろん黄金のメンバーが在籍していた時期でボーカルにはあのサンディ・デニーを配していた頃だ。以前にもアルバム「Liege & Lief」というのは紹介しているんだけど、知らない間にそのデラックスエディションがリリースされてた。スタジオアウトテイクが5曲とBBCセッションから5曲ってことらしい。アウトテイクは結構気になるなぁと思いながら今のところ舌なめずりしている状態(笑)。

 それからもうひとつ同じく今年になってからリリースされていたことに全然気付かなかったんだけど、フェアポート・コンヴェンションのその黄金時代のBBCセッションを丸ごとまとめた4枚組CD「Live at the BBC」がリリースされていたんだなぁ。これがあればこの頃の変化とかサンディ・デニーとバンドの素晴らしさってのは多分実感できるんだと思う。そんなにマイナーなバンドじゃないけど、あんまり情報が入ってこないってのはなかなか後が大変だ。もちろん国内盤なんてのは期待できないので当然英国盤ってことになるんだけどさ。このBBCセッション、かなり豊富な収録なので多分買うだろうなぁ…、三枚目とか凄く気になるもん。

 そうそう、それでこないだの8月に何が行われたかと云うと、フェアポート・コンヴェンションの黄金期のメンバーが揃ってなんとアルバム「Liege & Lief」を丸ごとライブで演奏して、しかもそれがしっかりとBBCラジオで放送されたってことだ。メンバーはSimon Nichol、Dave Mattacks、Richard Thompson、Ashley Hutchings、Dave Swarbrick、Chris Whileってとこで、もう言うことなしに円熟しきったプレイとサポートで凄いの一言。ボーカルはもちろんサンディがいないので別の人なんだけど、それがまたかなりサンディに近い歌い方をする女性で、声質もどことなく似ているし、もちろん英国の暗さってのも持ち合わせているので全然違和感なく楽曲にマッチしているので、凄く感動的なライブになってる。そもそもが名盤とされていアルバムが今この時代にこんな風に素晴らしい面子でプレイされるってのは本当に驚くばかり。フェアポート・コンヴェンションってのは毎年クロップレディ・フェスティバルっていう自分たちの過去を楽しむイベント+もちろん新風も入れ込むというものを開催しているので、過去のメンバーが参加することも珍しくないんだけど、こんな風にアルバム丸ごとをプレイするなんてのはなかったことだと思うので、かなり斬新だし、刺激的。メンバーもそうだったろうなぁと。いやぁ是非オフィシャルリリースしてもらいたいライブだね。

Capercaillie - To The Moon 

 スコットランドの音を現代風ポップスにハメ込んでしっかりとそれに成功したことで更に国民的…というかトラディショナルな世界からポップスのシーンに存在感を示したカパーケリー。キャリアは長く、そういう意味でこういったトラディショナルバンドっつうのは国民的なバンドになる要素が強いよな。今でも現役で25年のキャリアを誇るワケだし。もちろんメンバーに変化はいくらかあるものの、基本的な音楽路線に変更はないので基本的にどれを聴いてもバンドの本質はよくわかる。でも、さすがに音楽好きな人間が集まっているだけあって、あれこれよ新たなる試みに挑戦する時期もあったり、素朴に音楽を奏でることもあったりとキャリアに応じて多様な音をアルバムとしてリリースしているね。

グレンフィナン

 Capercaillie 「トゥー・ザ・ムーン

 何枚目になるのかな、ジャケットの雰囲気も作品的にもそして現代的な試みを行った意欲的な作品という意味でも「トゥー・ザ・ムーン」というアルバムはなかなか面白い。もちろん女性ボーカルなのだが、普段は完全にトラッド要素が強かったところにこの時期はモロにエレクトリックな要素を詰め込んで軽快なポップスに仕上がっている頃なのでまったくヒットチャートに顔を出していてもおかしくない出来映え。フィドルの響きとポップで軽やかなサウンドが妙に心地良い。コアーズみたいな派手でキャッチーなメロディではないけど(その辺は若さの違いか…)、なんつうかアダルトポップス、って感じかな(笑)。ひたすらロックだけにこだわるのでない限りこういうのを一枚くらい置いておくと心地良く過ごせるよ。多分この暑い夏にもピッタリだね。

 このアルバム、昔から欲しい欲しいと思っててなかなか見つからなくってね、結構探した。その間に他の作品をいくつも聴いてしまってそんなに違いがないから焦って全部集める必要もなくってさ、それで結局このアルバムを探し当てるのに時間かかったなぁ。ようやく見つけた時はあまりトラッドにハマってない時で、なかなか気分にならなくて大変だった(笑)。ただまぁ、聴いてしまうとやっぱりほっとする音だよね。

Blackmore's Night - Under A Violet Moon 

 日本のロックファンにとって三大ギタリストという印象よりもジミー・ペイジとリッチー・ブラックモアっていう図式の方が印象深い人多いんじゃないかな。自分的にはどうしてもZepに行ってしまうのでパープルとかにはあまり傾かなかったのでよくわからないけど、1974年にはパープルが「Burn」を発表してグレン・ヒューズとデヴィッド・カヴァーデイルを迎え入れた頃だから、かなりハードなロックで一世を風靡していた時期で既にギターヒーローだったんだよな、リッチーはね。

アンダー・ア・ヴァイオレット・ムーン シャドウ・オブ・ザ・ムーン ヴィレッジ・ランターン
Blackmore's Night - Village Lanterne Village Lanterne

 まぁ、なんでそんな話かと言うと、最近リッチーさんをよく聴いているからです(笑)。いや、パープルとかレインボウではなくってブラックモアズ・ナイトです。知らなかったんだけど、キャンディス・ナイトってアメリカ人だったんだね。結構驚いた。それがあんなにしっとりと歌わせられるんだからリッチーのコントロール術も見事なものだなぁと妙に感心してるのもある。うん、1997年にリッチーがルネッサンス音楽をやって女性ボーカルと一緒にやったアルバムが出るらしい、ってことで「ふ〜ん」なんて別に何の気もなく話を聞いていたんだけど、とある時に自分がトラッドフォークとか好きなのを知っている友人からリッチーのやってるブラックモアズ・ナイトのアルバム結構いいぞ、と薦められて聴いてみたのが最初かな。いやマジで驚いた。完璧にルネッサンス古楽的サウンドに綺麗な女性ボーカルが乗っかってるじゃないですか。リッチーって言われなければ全然気付かないし、素晴らしいアルバムだと思ったもんね。このファーストアルバムではアニー・ハズラムの歌っていたルネッサンスの「Ocean Gypsy」もカバーしているのでかなり面白い作品。

 そして今のところ最高傑作だと思っているのがセカンドアルバムの「アンダー・ア・ヴァイオレット・ムーン」で、ファースト「シャドウ・オブ・ザ・ムーン」のルネッサンス古楽傾向からもう少し砕けてきて、トラッドよりと言うか、庶民的になってきた感じだね。堅苦しくない。タイトル曲の美しさもよく話されるらしいけど、個人的には「Wind In The Willows」ってのが好き。白々しい壮大なアレンジとわずかなハードロックギターとソロが上手く溶け込んでいるってのがね、プログレッシヴな感じで好きなんだな。もちろんアルバム全体的にも面白いので「Morning Star」のフィドルをモロにフューチャーしたのも面白いし、やっぱりリッチーのアコースティックのプレイが下手したらジミー・ペイジのそれよりも上手いんじゃないかと思うくらいだし、やっぱりこういうのも簡単に出来るのね、って感じ。そう言う意味でパープルやレインボウ時代は完全にハードロックという枠を決めたバンドだっただけになかなかこういうセンスが出せなかったのかそれ以降に練習したのか…、ここまでスタイルが変わるってのはなかなかあり得ないので面白い。

 この辺からリッチーに入っていく新しいファンがいてもおかしくないし、今のスタイルの方が幅も広くて奥が深いので楽しめるかなぁ。邪道、っつうかここからまともに聴き始めたと思ってくれればいいんだけど、いいよね、この二人のユニットは。

Blackmore's Night - Winter Carols 


 素晴らしい。とにかくリッチーがキャンディス嬢とやるようになってからのアルバム全てが素晴らしいのだが、このクリスマスシーズンを狙った「ウィンター・キャロルズ」は実に見事にクリスマスを表現しているし、もちろん古き良き音楽を原題の音にして甦らせているスタンダードなナンバーばかりらしく、もちろん日本人にはそれほど馴染みがないものばかりなのだが…、それでも、まぁ、やっぱ雰囲気はわかる。でもって、この人こんなに音楽の才能あったんか、って思うくらいにホンモノのルネッサンス音楽なんだろうなぁ、こういうの、綺麗に音を使っているし、繊細さの出し方が巧い。キャンディス嬢の歌もリバーブバッチリで凄く綺麗に空気に溶け込む感じで良いねぇ〜。大好きなんだよな、こういう音楽。英国トラッドあたりとは異なった中世の宮廷音楽の再現なのだろう。気持ち良い。

 曲そのものはそれほど知ってるものはないんだけど、ファーストの「シャドウ・オブ・ザ・ムーン」に入ってる曲のリメイクは改めて名曲だったんだなぁと実感したね。他にもコーラスワークやら何やらとあるけどクドクド言う前に聴いてみろ〜っていうくらい良い♪ 是非クリスマス前までに聴くことをお薦めするんだが…、多分それ以降だと気分的に聴きたくないんだと思う(笑)。しかしさ、こういうギターの弾き方ってのはどうやってマスターするんだろうね?もちろんアコースティックなんだけど爪弾き方っつうかさ、フォークでもないし、ま、ジミー・ペイジなんかもそういうのあって不思議なんだけど、リッチーもやっぱ凄いなぁ、とマジマジと思う。ハードロック時代にはここまでのアコギ技って聴けなかったしね。確かにソロのフレージングなんかはやっぱりクラシカルなバロック調のものも多かったので、それが後のヘヴィメタの基礎にもなるんだけど、その深さが違ったなぁ、ここまで来ると。いや、実に素晴らしい。

 いつも聴く音楽ではないけど、流れていたらとてつもなく心地良い音だから恋人達も盛り上がることだろう…。しかし一番不思議なのはこの二人ってほんとにまだ続いてるの??恋人っつったって年齢差ありすぎるんだからさ、いい加減終わっててもおかしくないのだが、マジでまだ恋人なのか?だとしたらその方が不思議なのだが…、でもこんなに甘ったるい作品が出来ちゃうんだからまだ付き合ってるんだろうなぁ…。いや、それが一番不思議。やっぱファザコンなのだろうか…。

Blackmore's Night - Village Lanterne Village Lanterne
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