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フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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Gentle Giant - Free hand 

 プログレッシヴロックってどんな音をイメージする?そんな質問に答える場合結構困る。プログレ名盤の音ってもなかなか言い表せないし、そういうアルバムはやはり個性際立っているし、それひとつずつがジャンルになるんじゃないかっつうくらいのもんだからさ。でも、音のイメージはあるよね。人それぞれでフロイドの「おせっかい」かもしれないしクリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」かもしれないし、イエスかもしれない。うん。でもね、自分が一番いわゆるプログレバンドのプログレらしい音っていうのを出しているのはジェントル・ジャイアントだと思うのさ。

Free Hand Free Hand Endless Life

 1975年リリースの彼等の7枚目のアルバムにして最高傑作と名高い「Free Hand」。7枚目にして最高傑作ってのもまた珍しいバンドではあるんだけど、初期からず〜と聴いてみると分かるんだけど、基本的にあかるいヒネたポップスというかポップなメロディは押さえていて滅茶苦茶演奏能力が高くて完璧な演奏を誇るし、アレンジも変拍子も滅茶苦茶凝っている。更にコーラスも見事でそれだけで別のコーラスグループ作れるだろっていうくらい。そしてよくわかんないけどポリリズムっつうのか前に前にくるリズムっつうのが特徴的で聴いていて凄くひっかかるのでもっともプログレッシブって思うわけさ。

 この「Free Hand」っつうアルバムはそんな要素の全てが開花しまくった、時代が違ったらもしかしたらビートルズを超えるくらいの天才的な曲を持っていたりする。自分的にはこのバンド、すごく難しくて聴くのが苦手だったりしたんだよね。聴いてもなんかハマれないっつうかさ。でも、ちょっと違うセンスの人は相当ハマれるバンドだし、やっぱ面白い。苦手意識があったのであんまり聴こうっていう気にならなかったんだけど、こないだpapini嬢のブログおいみず〜さんとこに出てきて、へぇ〜って思ったのでちょっと何枚かアルバムを聴き直していたんだよね。で、やっぱ「Free Hand」が一番だろうなぁと思って手を出したら驚くことに驚いた(笑)。やっぱ凄いなぁ〜このバンドって。この無邪気でヒネてて練られている歌メロは一体なんなんだ?そしてこの変態的アレンジもやっぱり変態だ、とか。コーラスもやっぱハンパじゃない(笑)。そして変拍子なプログレ度もやっぱ凄いわ。ちょっと声質がダメだけど、う〜ん、聴き直してみるとなかなか面白い。曲的には好みではないけど、面白い。ベースのテクとか凄いしねぇ。

 ジェントル・ジャイアント聴いたことない人はこのアルバムから入ると良いかも。一番聴きやすいような気もするしさ。今ならヘンなおじさんのジャケットにくるまれた35周年記念盤が容易に買えるし♪ それと知らなかったけどこの頃のライブアルバム「Endless Life」ってのが出てるんだね。

Clodagh Simonds - Six Elementary Songs 

妖精交響曲

 ついでなので、メロウキャンドル繋がりで書いておこう〜っと。今書いておかないと多分絶対今後出てくる可能性が少ないだろうから(笑)。いや、メロウキャンドルでフロントを務めていたクロダー・シモンンズって人がいたんだけど、Evangelレーベルっつうところからリリースされた超マニア向けのクロダー・シモンズさんソロ作品♪なんとプロデュースにはあのトム・ニューマンを配した作品で、それだけでも英国マニアには受けるのだ。

 まぁ、実際そんな夢のようなお話は1997年に行われてリリースされたワケなんだが、多分この人の趣味なんだろうなぁこういうのは。まずジャケットからしてもかなり耽美的というか摩訶不思議な世界で綴られた小冊子的になっているし、しかもそれが青い色に包まれているから結構神秘的で妖艶とは言ったものだ。そして肝心の音世界…、トム・ニューマンの世界ってこういうのもいっぱいあるもんなぁ…。そしてクロダー・シモンズの趣味ってのはこういうもんだったんかな、と思える音。

 ようするに現代シンセサイザー的なドーンと流れるバックの音に歌や簡単な音が乗せられているもので現代音楽に近いかな。英国トラッドとかサイケとかそういう世界じゃないけど、ある意味もの凄くトリップしている音ではある。でもメロウキャンドルのトラッド的側面を削って残ったものってこういう雰囲気かもしれないなぁとか思うとあんまり不思議じゃないから面白い。

 CD屋でたまたま見つけた時があって、ラッキーだった。うん、リリース当時にね。へぇ〜ってな感じで飛びついたもん。聴いてちょっとがっかりしたけど、でもなんか凄く貴重なものを手に入れた気がして嬉しかった(笑)。

Dave Greenslade - Pentateuch of the Cosmogony 

 グリーンスレイドが出たついでに1979年にリリースされたデイヴ・グリーンスレイドの初ソロ作品の方も書いてみよう〜。厳密に言えばソロ作品ではなくって英国の画家パトリック・ウッドローフ氏との共作によるコンセプトアルバムで、実際にアナログでリリースされた際には画集+レコードという形を取っていた。CD時代になってからはBGOレーベルが1994年頃に紙ジャケみたいな感じで同じコンセプトを再現してリリースしていたもので、なかなかゴージャスな仕上がりになっていたんじゃなかったっけ?

Pentateuch of the Cosmogony Terry Pratchett's From the Discworld

 「Pentateuch of the Cosmogony

 今でも英国産のCDでは同じような形態でリリースされたものが残っているみたいで、こういうアーティスティックな試みを実験していた時代の産物がそのまま残されるというのは面白いものだ。さて、グリーンスレイド時代には自身の名をバンド名にした自信溢れるものだったし、当然その前のコラシアム時代にも自身の名をバンバンと売っていたワケだからさぞや面白そうなソロアルバムではないかとかなり期待することになった。しかもジャケットがこれまた期待させるアートワークだったのでアナログレコードを見つけた時にはもう舞い上がってしまったくらいだったが…、もちろん高かったので買えなかったんだけどさ。その後CDで出た時に感動して入手。しかしその後何度も聴かないアルバム入りになってしまったのだった…。いやぁ、あれだけアナログ鍵盤を使い倒して正にプログレっていう音を聴かせてくれていた人なのに、このアルバム「Pentateuch of the Cosmogony」ではどこか環境音楽というかシンセサイザーの実験音楽というか、富田勲さん的というか、もちろん音楽的バックボーンがあるからこそそうなるんだろうけど、ロックファンとしては全然面白くなくて結局ジャケットのためだけにあるみたいな感じでさ。惜しいなぁ。

 話題的には幾つかの曲にジェネシスのフィル・コリンズが参加しているということらしいが、だからどうだ?ってなもんで、全くそそらないのだ。酷評になってしまったが、それを聴き直してみたワケだな。う〜ん、もちろん聴けば聴けるし、壮大でフムフムってなモンだけど、やっぱり好んで何度も聴くものでもないかなぁ。軽快なBGM的には良いかもしれないけど…。

 この後にもグリーンスレイド氏は今度はテリー・プラチェット氏とのコラボレーションアルバム「Terry Pratchett's From the Discworld」をリリースしているね。こっちはまだ聴いてないから知らないけど似たようなものなのだろうか?1990年にはようやく本当の意味でのソロアルバム「Going South」をリリースしているみたい。

Greenslade - Bedside Manners Are Extra 

 デイヴ・ローソンが完全な主役というワケじゃないけど、歌というパートを担っていた以上役柄的には主役を担っていたバンド、そして彼の名をメジャーにしたバンド、そして英国プログレ界での実力派バンドとしても名高く、更にデイヴ・ローソンのポップセンスも花開いたか、最強のギターレスバンド且つツインキーボードという形態を上手く使い倒しているグリーンスレイド。こちらも久しぶりに聴いたけどやっぱり好きだなぁ、このバンド♪

ベッドサイド・マナーズ・アー・エクストラ(紙ジャケット仕様) グリーンスレイド(紙ジャケット仕様)

 1974年リリースのセカンドアルバム「ベッドサイド・マナーズ・アー・エクストラ」。彼等のスタジオ作品は4枚しかリリースされていないがその中でも最高傑作と呼ばれることの多い作品。個人的にはファースト「グリーンスレイド」と甲乙付けがたい出来映えの作品なので聴く時はどうしてもこの辺のどちらかになっちゃう(笑)。それにしてもカラフルでスリリングでドライブしてるバンドだなぁ。アンディ・マッカロックのドラムもかなり特徴的でクリムゾンのドラムってのが一番合わなかったんじゃないかって思うくらいにこのバンドでのドラミングはバッチリとバンドに合っているし、それはデイヴ・ローソンにしてもグリーンスレイドにしてもトニー・リーヴスにしてもそうだろう。アルバムはそのトニー・リーヴスの奏でる何ともグルーヴ感のあるベースラインから始まるが、これがまたグイグイと来てねぇ、聴く者を惹き付けるんだよ。そこにプログレッシブな展開が十分に予想される歌とかメロトロンとかムーグとか…、ツインキーボードが上手く絡み合って二つの楽器が見事なアンサンブルってのも素晴らしいのだが、そこに歌メロがこれまたポップに被さってくるんだよ。アルバム的には半分くらいしか歌の入った曲ってのがないんだけど、その半分の歌が面白い。3曲目の「Time To Dream」なんて歌謡曲かと思うくらいのメロディセンスで凄いグルーブ感だしね。この辺は二人のパートナーシップがしっかりと出ていた頃の作品で傑作と呼ばれるに相応しいな。

 ジャケットにしてももちろんロジャー・ディーンの傑作シリーズのひとつでもあるパターンで見事にバンドの音を表しているもので、このバンドの特徴でもある突き刺さるような音がない=ギターがないっていうのがね、こんなに刺激的なジャケットのくせにしっかりと表現されているんだよ。だってこのジャケットの怪物くん、怖いけど悪いことしなそうに見えるでしょ(笑)?まぁ、それは冗談だけど、音とジャケと引っくるめて芸術的で好きだね。

Tai Phong - Tai Phong 

 いやぁ〜、凄い台風が東京直撃でした。それでも見事に遊び歩いていたのでしっかりと帰宅できず、朝まで台風の楽しみをたっぷりと楽しむことになりました(笑)。いや、ま、別にどうというものでもなく凄い風がアチコチのものを吹き飛ばしていて、ビニール傘が何十本も飛散していて結局皆びしょ濡れになったのだな、とか。川の氾濫にはちとビビったけど、そこまで行かずにまずは大丈夫ってことで大型台風の威力をまざまざと認識。しかし川沿いに住んでいたホームレスの人々、見事に一掃されてしまったらしく、これからどうすんのかねぇ?環境的にはマシになるが、そういう人達的にはなかなか厳しいだろうなぁ。ま、このブログを見に来ている人にホームレスはいないだろうが(笑)。

恐るべき静寂(紙ジャケット仕様) ウィンドウズ(紙ジャケット仕様)

 そんな台風の面白さを表現した…ってのは全然関係なくって、バンド名だけがそれだってことでチョイスしたのがタイフォン。1975年頃のフランスのプログレバンド。これがまたかなり叙情性を持っていてギターもかなり切なくというかテクニックもあるしメロトロンの洪水もあったりして英国プログレ好きな人にはかなり近くて聴きやすいバンド。残念ながらアルバムは3枚くらい出ていないんだけど、やっぱりお薦めはファーストの方かな。メロディーの美しさが凄く印象的で広大なスケールを奏でるかなり浸れるバンド。名曲「Sister Jane」を聴いたらその美しさには誰もが感動〜って思うよ、ホントに。小曲と大作、どちらも緻密にまろやかに聴かせてくれるし、大作に至ってはきちんと展開もしていてね、そこに入魂のソロ!ってのも良い。

 どうやらベトナム人の兄弟がフランスで組んだバンドらしいのだが、こういう叙情的なメロディラインってのは東洋的な部分もあるのかな、それで聴きやすいとか…。日本人好みのメロディ満載のタイフォン、バンド名からして思い付いただけだけど悪くないサウンドで心地良かった。

Barclay James Harvest - Barclay James Harvest 

 プログレバンドというカテゴライズをされつつも聴いてみるとどうにもそこまで発展した音楽をやっているワケじゃないよな、と思うようなバンドっていうのはもちろんいくつもあるんだけど、このバークレイ・ジェームス・ハーヴェストというバンドも英国ならではの摩訶不思議な側面を持ったバンド。最初期から何枚か…、ライブ盤あたりまでが一般的にプログレッシヴロックとして解釈されているようなんだけど、ホントの最初期を聴いてみると「ん?」っていう感じです(笑)。

Their First Album Their First Album
Barclay James Harvest - Barclay James Harvest: The Collection The Collection
Barclay James Harvest - Mocking Bird: The Best of Barclay James Harvest Mocking Bird: The Best of Barclay James Harvest

 Barclay James Harvestが1970年にリリースしたデビュー盤「Their First Album」。まぁ、バンド名から蝶々をイメージとしてモチーフにしていて、その影響がこの後も含めてず〜っとジャケットに登場する。こういうこだわりって好きだけどね。ファーストはその蝶々をステンドグラスにイメージし直したものでなかなかよろしい。が、再発ジャケットのセンス、何とかしてくれんかねぇ…、これはアーティストのオリジナルジャケットに対してあまりにも模倣過ぎるだろう、と思う、うん。

 さてさて、そんなファーストアルバムだけど、方向性の未決定っつうのかゴッタ煮ロックの中から整然と纏め上げてきたのか、そもそもオーケストレーション豊富で叙情性の高いプログレッシヴバンドっつう印象はそれほど強くない。どっちかっつうと穏やかな英国トラッドフォークに起因するソングライティングが発展したのだなと思うような素朴なメロディの曲が多く、その味付けに歪ませたギターをヒステリックに、というかオーヴァーファズ気味に出力しているというようなところか。もちろんストリングスによるオーケストレーションも入ってるけど、そんなに仰々しくというようなものでもなく、ましてはプログレと呼ばれるようなものでもなかろう。叙情性を重要視しているのは聴けばよくわかるし、正に叙情性が良い味を出していてハマっていくんだけど(笑)。ん〜、メロトロン好きだからかな。とは言ってもオルガンの音色もなかなか素晴らしいし、いやぁ、どれもほのぼのする曲でいいなぁ…。最後の曲だけは12分くらいあるんだけど、この後のバークレイ・ジェームス・ハーヴェストを予言している壮大な楽曲。こういう白々しいまでの大らかなストリングスを配した曲って好きだし、そこで上昇旋律とかで凄く雰囲気を盛り上げてくれるのはもっと好きだね。長さを感じさせずにハマれるのが良い。

 そんなバンドなので何処のジャンルにカテゴライズも出来ないでいるバンドのひとつなのかもしれない。多分英国の牧歌的なトラッドの空気にクラシカルなオーケストラを入れ込んで叙情性を持たせたらこうなるという実験のひとつだったのかもしれない。後にThe Enidでオーケストラを大活躍させるロバート・ゴドフリーがアレンジしているってので勝手な推測だけどさ。この人のソロはもっと垢抜けている作品だったような気がするが。

 しかしこれぞ英国と言わんばかりのメロディとセンスには正に脱帽。他の国では絶対に出てこない音楽だし、それでいて全く深みのあるサウンド…、う〜ん、やっぱり英国は深いっ。


Bozzio Levin Stevens - Situation Dangerous 

 う〜ん、ザッパ先生とボジオ先生が出てきたトコロでちょろっとマニアックなモノに進んでみようかな…、何て思ったりしてます(笑)。自分もそんなに言及したことなくって聴いたのは最近の話なんだけど、いやぁ、驚いたってのが正直な感想。こんなセッションでアルバム二枚も出していたんだねぇ、っていう感じですな。

Black Light Syndrome

 テリー・ボジオとトニー・レヴィン…ここまではまぁまだわかる。が、もう一人意外な参加者スティーヴ・スティーヴンスとのトリオによるBozzio Levin Stevenっつうそのまんまのセッション名でCDリリースしてます。1997年にリリースされたファーストアルバム「Black Light Syndrome」は何と4日間だけの集中レコーディングによるほとんどセッションとも云えるものらしく、それでも十分に各プレイヤーの技量は発揮されているんだけど、圧倒的に完成度の高い2000年にリリースされたセカンドアルバム「Situation Dangerous」の方が良いと思うんだな。

 何が一番驚くか、ってスティーヴ・スティーヴンスのギターの技量。正に本領発揮と言わんばかりのもので、今までは彼のハードロックの一面ばかりを知っていたのでどうしてもそういうギターなもんだろうとタカを括っていたワケさ。あ、ファーストアルバム聴く前にセカンド聴いてるから順番無視ね(笑)。そしたら何とまぁ驚くことにシンセサイザー的なギターの使い方はしているし、ま、それ自体は不思議はないから「へぇ〜」ってなもんなんだけど、驚くのは「Spiral」や「Tziganne」っつう曲でのホンモノのフラメンコギタープレイ。フラメンコだぜ。それって凄く難しい分野だし、並みの努力程度じゃ弾けないハズなので元々そういうのが好きだったりするんだろうなぁ、と。どっからどう聴いてもモノホンのフラメンコギターだし音色もそのままで、凄く心地良いサウンドなんだよな。もちろんそこにプロフェッショナルなボジオの歌うドラム…っつうかこの人も色々なジャンルの音楽に精通しているのかしっかりとハマっているのが素晴らしく、およそボジオらしくないドラミングでフラメンコギターに華を添えている。更にトニー・レヴィンだが、この人もまたもちろんプロなので良い感じでベースライン弾いててさ、いやぁ、こういう刺激があるから色々な人とのセッション活動ってのは面白いんだろうなぁ。うん。

 もちろん他の曲ではギンギンにハードな路線が多いんだけど、それはどっちかっつうとスティーヴ・スティーヴンスっていうよりもトニー・レヴィンとボジオのやりたいようにやれるため、って感じで特にトニー・レヴィンのベースに圧倒される。ボジオはさすがだなぁ〜っていうのが前からわかってたからだと思うけど(笑)。もちろんトニー・レヴィンってのはクリムゾンで鍛えられているので当たり前っちゃ当たり前なんだけど、やっぱ凄いな、と。

 そんなワケで、この三人のセッションアルバムなんだけど実はかなりとんでもない一枚に仕上がっていてマニア向けにしておくのは勿体ないくらいの作品…、そう作品って云えるアルバムだね。インストものだけどたっぷりと楽しめる。

Curved Air - Phantasmagoria 

 クラッシック音楽とロックを融合させて、その上で美しい女性ボーカルを乗せていくという手法を実践したのは多分ルネッサンスが最初になるんだろうけど、別の角度から同じ手法論を採っていたバンドにカーブド・エアと言うバンドがある。こちらのアルバムデビューは1970年だから、まぁ、第二期ルネッサンスと同時期のバンドなワケで、よくルネッサンスカーブド・エアってのは比較されるバンドなのだが、その実音の中味的には相当質が異なるものってのが個人的な印象で、ルネッサンスが煌びやかな華のあるクラシカルロックであることに対しカーブド・エアは妖しげな艶のあるバイオリンバンド、そんな感じ。

Alive 1990

 カーヴド・エアーの中でも最高傑作として言われることの多い三枚目の「ファンタズマゴリア~ある幻想的な風景」で行ってみよう。1972年リリースの作品で、名曲「マリー・アントワネット」が入っている作品。うん、多彩な変化を遂げていくこの曲はボーカルのソーニャ姫の妖しさにツラれて聴き入ってしまうもので、途中の展開のヘンさ加減からまた戻ってくるところとか心地良いのだ。続く「Melinda」も牧歌的なアコースティックな英国然としたリリカルな曲で美しく微笑ましい。が、やはり艶やかさがあるのは不思議なところ。まぁ、アルバム全体としてまたまだ実験的意欲が溢れている中での作品なので、クラシカルなバイオリンはもちろんフューチャーされているけど、このアルバムではブラスが割と取り上げられていて、盛り上がるトコに上手く使われているって感じかな。どっちかっつうとギターとか目立たないもん。タイトル曲の「ファンタスマゴリア」とかなんかも凄く英国的な曲で、ケイト・ブッシュみたいな感じがするな、今聴くとね。もちろん順序は逆なのでこれが最初なんだろうな。他にも実験色の強い曲が並んでいるので一般的に受け入れられるバンドか、っつうとちと違うかな…。

 今では割と色々な作品がリリースされていてBBCライブやらDVDやら出ているので情報を紐解くことのできる状態なんだけど、自分が漁っていた時なんてCDも全くリリースされていない時だし、アナログで一生懸命探しててさ。それでも初期の三枚とライブ盤はまだ何とか見つかったけど、それ以降のいわゆる売れなくなった時期のアルバムなんて全然見つからなくって苦労したもんなぁ。動く姿なんて見れると思わなかったからDVDの映像は衝撃的でねぇ。ソーニャが動いてる…みたいな感じで嬉しかった(笑)。

 1990年に再結成ライブをやっていたようで、そのCD「Alive 1990」が出てる…、知らなかったなぁ。果たしてどんなもんなんだろう?

Fields - Fields 

 アンディ・マッカロック=クリムゾンリザード」時のドラマー。その割にはフリップ卿からは可愛がられていた様子で以降も仕事の紹介などを受けていたらしいし、更に凄いことにヴァーティゴの名作でもあるマンフレッドマン・チャプターIIIでの「Volume Two」にゲストで「It's Good To Be Alive」という曲で一曲叩いている。そしてアーサー・ブラウンとも交流があり、そのテクニックには定評がある人。アラン・バリー=ゴードン・ハスケルのセカンドソロアルバムでギターを弾いていた人で、スタジオミュージシャン的に評判が高かったようだ。グラハム・フィールド=云わずと知れたシンフォニックバンド レア・バードのリーダーで鍵盤奏者。この人がレア・バードにうんざりして解散して新たに組んだバンドがフィールズと言うバンドだ。

Chapter Three Vol.2

 アルバムリリースは1972年で、スーパーバンド的な位置付けだったにも関わらず一枚だけのリリースで終わってしまったメジャーながらもB級色の強いバンドだったとも言えるか(笑)。初っ端から鍵盤のピコピコで攻めてくるのでどうしてもEL&Pみたいな印象を持ってしまうんだけど、そんな曲ばかりではなくって妙〜な曲、まぁ、あまり意味もない曲っつうかさ、そういうのも多くて実に散漫な印象を与えてしまったのが敗因か。もちろんアンディ君のドラムひとつで破壊的クリムゾン復活ってワケにはいかないワケで、当然ながらグラハム氏の鍵盤に依るトコロが大きくなってしまい、さすがにそれらはシンフォニックな味わいを出しているのでこじんまりとはしているけど壮大さはある。ただ、やっぱり壮大なシンフォニックという道を選ばずに短い時間に曲を追えるという時代に即した方向に向かったためにイマイチの印象なんだよな。残念。

 ただ、その中にも目を見張る曲がいくつかあるのがこういうバンドを漁る時の面白さでこのアルバムの場合は5曲目「Over and Over Again」かな。6分弱なんだけど、歌モノと起承転結とハードさとソフトさを持っていてコンパクトに仕上がっている秀作だね。

 そんなアルバムが当時CBSからリリースされていたんだけれど、今アマゾンでは簡単に見つからない…。アナログはもちろんなかなか見つからないと思うのでCDで十分だとは思うけど、自分のCD見たら1991年の再発盤になってたから今はどうなんだろうなぁ…。

Jade Warrior - Released 

 この時代の英国にはホントに色々と考えて出てくるヤツが多くて、その多彩さ加減は他に類を見ないほどのバリエーションじゃないだろうか?なんて思う。この時期のデヴィッド・ボウイが非常に日本について関心を持っていて知的な彼の場合は密やかに研究していたようだが、それ以外にはこの頃の英国に日本をテーマにするバンドもそうそうなかった。せいぜいWebというバンドから発展したSamuraiっつうバンドがあったんだけど、まぁ、名前がそれっぽいなぁ〜、くらいのもので中味は別に和風なモノでもないしね。もっとも70年代後半にもなればかの有名なJapanなんつうのが出てくるんだけどさ。英国から見た日本ってどんなんなのかなぁと興味はあるけどなかなかそういうのはわかりにくい。

 話逸れるけど昔オランダのアムステルダムっつうトコに行った時に博物館に行ったんだよね。そしたらいっぱい浮世絵があったり、篭があったり刀があったりと日本の文化が展示してあって、日本にいるよりも日本のものに触れられたっつう経験があるのだが、英国にはそういうのないだろうしなぁ…。



 で、本日はそんな奇特な日本を思い切りテーマにしたJade Warriorっつうバンド。バンドなの意味はそのままサムライっつう意味。アルバムデビューは1971年、こんな変なバンドはもちろん我らがヴァーティゴからしかリリースされない(笑)。このファーストアルバムの時点からかなり独特のバンドサウンドを生み出していて、かなり異端の扱いだったと思うんだけど、音的に一番ヘヴィーで透き通っていて混沌としているっつうのがセカンドアルバム「Released」ではないかと。なんつうのかエスニック風味とも云えるし多国籍サウンドとも云えるちょっとそこらでは聴けない独自性を持っていて、基本的にはハードロック…、ヘヴィロックに近い音もあるけど、何故かものすごくクリスタルな音も奏でていて、表現が難しいね。歪んでるっつうのはもう綺麗な歪み方じゃなくってそうだなぁ、ハイタイドみたいな歪み方でうるさい!っていう感じなんだけど、周辺の楽器…、フルートとかサックスとかがギターと一緒に鳴り響くからハンパじゃないワケよ。んでサイケデリックな雰囲気もあるしさ。でも一方では同じフルートなんていう楽器が透明感溢れる音を出していてバラード系は見事に綺麗。う〜ん不思議。そんな不思議感の集大成が7曲目の「Barazinger」かな。15分の大作でインストモノなんだけど聴いているとなんかこうハマる。三枚目まではヴァーティゴにいたけどその後はアイランドレーベルに移ってジャケットなんかもすっきりとしていくんだけど、その辺の布石となる音がこの曲だね。イメージ的にはアイランドの方は透明感をクローズアップ、ヴァーティゴ時代はヘヴィさを打ち出していた、みたいな感じ。

 ジャケットもオリジナルは6面開きで、まぁ、浮世絵…というかやはり西洋人から見た東洋の絵、っていう感じだけど凝ってる作りで、やっぱヴァーティゴからの三枚がいいな。ちなみにここ最近も活動しているみたいで新作が出ているようだ。オリジナルメンバーは一人くらいしかいないみたいだけど…、やるなぁ…。
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