The White Stripesってドラム的にVelvet Undergroundかな、と。いや、そういうこじつけはまぁ、いいんだけど、White Stripesってのはどこか退廃的な雰囲気を持っていながら赤黒白のトーンで派手派手しいカラーリングだったりする。なかなか不思議な二人組だよね。
そんな二人組がデビュー10周年ともなる2007年に新作「イッキー・サンプ」リリース。相変わらずのThe White Stripes節なので最早多くを語る必要もないのだろうが、相変わらずのセンスが炸裂していて正直言ってかなりかっこよい(笑)。この人のギターってのは決して昔でいう音の良いギターなどではなくってどっちかっつうと安っぽい音ですらあるのだが、その音と曲と演奏とドラムがマッチしてるっつうかね、これでレスポールなんかの綺麗な音じゃダメだろうな、と思うし。音圧を出すためにも粒の粗い音のするギターが良かったのかもしれないな。
大体がバンド名決まってない、っつう感じでそもそもアルバムタイトルしか記載されていないってことらしいが、結局「The Good, the Bad & the Queen」がバンド名になってしまったらしいん。果たしてどんなものなのかと新譜がリリースされた時点で気になっていたので聴いてみた。うむ、これはかなり意外なサウンドで、ロックか?と言われるとかなり疑問…というかもの凄い雰囲気だけで作り込まれたアルバムって感じで強烈なビートや激しいギターなんてのは全くなくって、淡々と湿っぽい音にポール・シムノンのあのスカダブベースが絡むという不思議な音で最初は何だこりゃ?って感じなんだが何回か聴いているとかなり心地良くなってきてBGMには最適な音になってくる。デーモン・アルバーンは元々メロディラインには定評があったようなのでその辺はしっかりしているけど、サウンドは今までに聴いたことのないような作品にしあがってる。ただ間違いなく英国の音。70年代アングラの雰囲気もあるのかなぁ…、こういうのが自然に出てくるんだから英国の風土ってのはまったく面白い。
まぁ、なんというか「 The Fight Song」のノリの良さからこのアルバムにしたんだけど、この前の「メカニカル・アニマルズ」あたりも割と印象深い作品だったかな。不気味さってう意味ではそっちだね。怖さってのはコッチのアルバムになるのかな。…つっつてもそこはアメリカの音だから垢抜けているので、湿っぽい暗さはない。しかしここまで完全にダークサイドを打ち出されるとなぁ、喜劇になっちゃうんだけどな。だからアリス・クーパーってそうなんだよな。でもここまで徹底していると面白い。バックバンドの面々っつうかバンドメンバーもこのコンセプトを理解した上で一緒に演奏しているのだろうから大したものだ。で、この「Holy Wood」っつうかマリリン・マンソンの詞世界ってのはシニカルな皮肉が多く用いられているようでその辺も共感されているところなのだ。そういえばMTVでここのギターのツィギーの自宅訪問みたいなのやってて、まぁ、オカルト趣味なんだなぁとは思ったんだけど、そこに近所のマンソンがGパンにカウボーイハットで普通に登場したんだが、実に普通のアメリカ人だったことに驚いた。やっぱ虚構の世界なんだなぁと当たり前ながら思ったもんな。ギターのヤツの方がよっぽど変態チックで面白い(笑)。
Holy Wood (In The Shadow Of The Valley Of Death) Mechanical Animals Antichrist Superstar