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フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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Albert Collins - Truckin' With  

 そろそろ世間的には夏休みシーズン到来で、この暑さを体感していればもちろん休みに納得。オリンピックなんてのも始まって家でダラダラするには丁度よい休みなのかもしれない。ガソリン代高騰により交通機関を使って出掛ける人が多いとか…。人間何かと考えるものだ。それよりも出掛けない人も多いんだろうな。そういう世間的な事には全く疎いモンなので大して影響を及ぼさないのだが暑いのは暑い(笑)。それでも暑さを吹き飛ばす音を聴いて快活に楽しむのだ。

Truckin' with Albert Collins Frostbite

 意外なことにブルース。しかもアルバート・コリンズっつう大御所で暑苦しい人ではあるんだが…、テキサスのブルースメンで割と遅咲きなんだが、これまた熱いブルースギターを弾いてくれる80年代の作品が好みなんだけど、聴いていると色々と集めてしまうもので、最初期の60年代前半にリリースしていたシングル?を寄せ集めたアルバム「Truckin' with Albert Collins」で。

 この人は最初から「Frosty」という曲のせいか、「アイスマン」とか「フローズン」などという氷とアイスをイメージさせる面をトレードマークとしていて、雪だったり曇った息だったり、寒さというモノを連奏させる曲やジャケットが多い。もちろんプレイは滅茶苦茶熱いんだけど、そのギャップが良いんだろう。そしてこの寄せ集めのアルバムは1969年になってリリースされたもので当時はほとんど見向きもされなかったらしい。それもそうだ。ほとんどの曲がインストで、ブルースというジャンルに囚われることもなく、かなり多用なリズムや曲調で遊んでいるから捕らえどころがないという感じだろうなぁ。それでもギターは相変わらずの個性が出ているので面白いし、やっぱテレキャス〜って音だし。

 初っ端の「Frosty」がいいかな。まぁ、「Tremble」なんてのもシャープでかっちょよいけど。うん、ブルースで夏を楽しむにはこういうのも良いか。

Sonny Boy Williamson II - One Way Out 

 演奏を媒体に吹き込む、もしくは録音して形に残すという行為はレコードというものとなって初めて実現したことで、1920年代頃に遡る話なんだけど、それでもまだ80年くらい前の話で、技術の進歩は凄いものだよね。いまやデジタルだもん。自分達が耳にする音の中で一番古いのって多分ロバート・ジョンソンの録音とかかな。1930年代半ば頃の音源っていうからさ。まぁ、戦前ブルースっていうくらいだからそりゃそうか。しかし今となってみるとそういう音が残っているのは凄いことだな、とつくづく思う。ふと、そんなことをたまたまソニー・ボーイ・ウィリアムスンIIの「ワン・ウェイ・アウト」を聴いていて、調べていると1955年から60年頃に録音された音源を集めたモノ、と書かれていてさ。凄いなぁ〜と。

ワン・ウェイ・アウト ダウン・アンド・アウト・ブルース+7

 そんな時代のアルバム、じゃないんだろうな、シングルへの吹き込みを纏め上げたモノっていう感じだと思う。アルバムとしてリリースされたのは1965年だから、ま、それでも古いんだけどありがたい編集です、うん。「ワン・ウェイ・アウト」という作品で、ソニー・ボーイ・ウィリアムスンIIの傑作と言われる「ダウン・アンド・アウト・ブルース」と比べたって甲乙付けられないんじゃないか、ってな作品だ。多分後者はマディ・ウォーターズ、オーティス・スパン、ウィリー・ディクソンっつうメンツが揃っていたから代表作に挙げられるんだろうけど、この「ワン・ウェイ・アウト」ではマディは参加していないのかな、なんとなくそういうギターが聴ける曲がいくつも聴けるので、多分参加してるんだろう、と思う。一応ギターはロバート・ロックウッド・ジュニアが弾いているようなんだけど。確かにこの人とマディ・ウォーターズのギターって似てるからわかんないな(笑)。

 メンツは元より、そもそもソニー・ボーイ・ウィリアムスンIIという人のハープはホントに見事なもので、歌なのかハープなのかギターのオブリガードなのか全く区別なく、遜色なく普通に入ってくるんだから不思議。もっともここまでハープを吹き倒す人も多くないから余計になんだろうけど、バンドがどうであろうとも自分で歌ってハープ吹いてブルースしちゃってるので、それだけでもうクラクラするくらい。録音ももちろん一発録りだろうからもう思い切りライブ感たっぷりだし、白熱した空気が詰め込まれているよね。この音を聴いて英国の白人坊や達は狂喜してこぞって駆けつけていたらしいからねぇ。ロバート・プラントなんてその最たるものでしょ(笑)。まぁ、アメリカの本場に行けばリトル・ウォルターやジュニア・ウェルズなんかもいるのか。

 ブルース…、こういうのはいいね。曲を知ってるとか知らないとか関係無しに浸れる。ジャズなんかもそうだけど、音に身を任せられるからさ。あぁ、だからアルコールにピッタリなんだ…。なるほど(笑)。

Howlin' Wolf - London Sessions 

 ブルースって暑い時も寒い時も気分が凹んでいる時も明るい時もいつでもどこでも楽しめる音楽だと思う。長く聴いていると飽きるんだけど、飾り気のないジャンルだからそういう部分では素のままで楽しめるんだろう。昔若い時にブルースってのは黒人オヤジの音楽だからさぞかしハードルが高いもんだと思って一生懸命聴いていて、ブルースってのは大人の音楽なんだ、って思って聴いてた。だから多分高校生くらいの頃からブルースは聴いていて、もちろんギター弾くにもそういうの知らないとダメだろうし、ってのがあったのも大きいけど、何よりも自分が好きになったギタリストの皆が皆ブルースって言うんだからそりゃ聴くだろ。んなことは多分英国でも同じ感覚があって、クラプトンにしてもペイジにしてもベックにしてもコソフにしてもみな10代の頃にブルースにハマってるワケだ。だからブルースってのは若者の音楽なんだよね、結局。若いウチに聴いておくべき音楽なのかもしれないけど、その筋の人間達にとってみればアイドルよりも何よりもブルースを聴いているという反抗心もあるけど、実際身になるのもブルース。だからやってるのは黒人オヤジなんだけど聴いているのは若者ギタリスト。だから若者のサウンドなんです。ただ凄いのはブルースっていつでも戻ってくる故郷のようなもので、そういう深さがあるから面白い。大人になった今でもやっぱり楽しくハマって、そして楽しく、時には哀しく聴いていられるものなんです。

ザ・ロンドン・ハウリン・ウルフ・セッションズ+15<デラックス・エディション> Howlin' Wolf/Moanin' in the Moonlight

 前置きが長くなったのはやっぱり気分が凹んでいるせいかな(笑)。んなことで、ブルースメン側からしたらあまり大したアルバムじゃないんだけどロック側の人間からしたらとんでもなく刺激的なアルバムをりりーすしたハウリン・ウルフの1970年の作品「ザ・ロンドン・ハウリン・ウルフ・セッションズ」。ハウリン・ウルフ自身も初めての海外レコーディングを行った作品で、当時英国ではアメリカの黒人ブルースメン好きな若者がどんどんとロックのフィールドに出てきていた頃なので大元の黒人ブルースメン達も再度脚光を浴び始めた頃。こんなチャンスを逃してなるものかとばかりに色々なブルースメンが奮起するんだけど、その一角でもあるな。

 故にカバー曲が多く、英国のブルース好きの若者がセッションに挑み、その真摯な姿勢で目の前のオトコから吸収するという貴重な体験なのだが、音を聴いているとやっぱりまだまだ英国の若者ミュージシャン達では甘いのかなぁと。いや、普通に聴けば大したものだし、それなりに雰囲気も出しているし、もちろんハウリン・ウルフ御大自らが自身のアルバムとしてリリースしているワケだからお墨付きと言えばその通りなんだけど、単なる一リスナーとして聴くとね、やっぱりまだまだ深くないんだよね、バックの音が。この辺が白人ブルースと黒人ブルースの違いなんだけど、それが見事に出てしまっているかも。クラプトンのギターはさすがにもうモロで凄いなぁ〜と。シャープに弾いているし、枯れたトーンで的確に弾いているので言うことないんだけど、何かが足りない…。ウィンウッドの鍵盤なんかもアメリカのアル・クーパーあたりとはやっぱり違うワケで、ブルースらしさっていうのが出しにくい楽器というのもあるけど、なんかね、ちょっと。コーラスとかはいいのかもしれないけど、やっぱホンモノ前にすると大分違うもんだ。そしてストーンズのリズム隊である二人は、あまりにもストーンズ的に軽く流しているというか引っ掛からないんだよ、音が。やっぱ本場のリズム隊のアグレッシブなセッションとはちょっと違うのかなぁ。

 昔はもう名前だけで喜んでやっぱりすげぇ〜とか思っていたけど、冷静に聴ける今となってはそんな感じに聴けてしまって…。決して出来映えは悪くないししっかりと熱いプレイをしているしハウリン・ウルフの歌もギターもさすが〜ってモンなので全然素晴らしいアルバムなんだけどなんでだろうね。その辺行くとマディ・ウォーターズとバターフィールドやブルームフィールドがセッションしたアルバム「Fathers and Sons」はホンモノの雰囲気漂ってるからなぁ…。英国とアメリカの違いなんだろう、きっと。

 それでも今ではその時のセッションの模様からいくつもの曲をボーナストラックとして収録したデラックスエディション「ザ・ロンドン・ハウリン・ウルフ・セッションズ+15<デラックス・エディション>」がリリースされているので全貌を紐解くのは面白いかもね。まだ手に入れてないけどね。


Albert Collins - Live From Austin Texas 

 最近イヤなことが多くてなかなかに気分がブルーなのだが、そんな一日一ヶ月を無為に過ごしながらやっぱりひたすらロックだ〜と息巻いて生きている自分。やっぱり音楽への感性が強い人間ってのはどこか繊細だし環境に左右される部分もあるなぁと無理矢理に自分を慰めながら己の世界に突入〜。単なる現実逃避とも言うのだが、まぁ、暗くなってもしょうがないのでスカッ!としたい…が、あまりにも脳天気っつうのもどうかと。そして激しくっていうのもちょっと…と言うことで、ゴキゲンなハードなブルースでいいんじゃないか、ってなことでお気に入りのアルバート・コリンズ。

Live From Austin Texas (Ac3 Dol) Live at Montreux 1992 (Dol Dts)

 リアルな世界でもロック好きってのはあちこちで広がっていくワケで、先日も新たなるメンツと飲みに行ったのだがそこでの自分のお薦めとして取り上げたのがフレディ・キングとアルバート・コリンズでした。いや、その方がツェッペリン大好きっつうので、んならばきっとこの辺のモノホンブルースも気に入るんじゃないかと言うことでお薦めしました。案の定ハマってくれたらしいので、次回が楽しみなのだが(笑)。

 そんなことで、別にどれでもいいんだけどGWにはたまたま別のライブDVDを見ていて、やっぱり凄い〜って思っていたので、何でも最近リリースされたらしい88年のオースティンのライブDVDあたりを挙げときますか。多分どのライブを見ても聴いても似たような曲とプレイでガシガシ攻め立ててくれるので、そんなに変わり映えはしないと思うんだけど、実に良い〜音です。正に「マスター・オブ・テレキャスター」と呼ばれるに相応しい人で…、ん?これがテレキャスの音か?って言われると実に疑問なのだが、どう見ても普通のテレキャスでこんなに真のある太い音を出してくれてくれてるんだから不思議。しかも5カポか7カポという変態的なカポの位置で、そして多分身長は2メートル近くあるんじゃないだろうか?ものすごく背も高いしカラダがでかいし、何よりも指と手のでかさもハンパじゃなくって、圧倒的な威圧感です。

 そして脇を固めるのは相変わらずのメンバー+A.C.リードのサックスがこれまた脳天気なブギにはハマっていてねぇ。ブルース界広しと言えどもサックス奏者がバンドメンバーにいるのはこの人くらいなもんでしょ。聴いていてなんら違和感ないから面白いけどね。ライブ中にアルバート・コリンズのギターの音って結構変化していって、サックスが入ってくると自分のいつもの太い音からちょっとサックスに近いようなトーンの音になるんだよ。まぁ、普通のテレキャスっぽい音なんだろうけど。

 80年代に出てきた大器晩成型のアルバート・コリンズ、90年代にはゲイリー・ムーアとのセッションが有名で、その他にももちろんベックやクラプトン、BBキングやアルバート・キング、バディ・ガイからロイ・ブキャナン、レイ・ヴォーンあたりまで幅広くセッションしてる。You Tubeで検索するとそんなのがいくつもヒットするので相当楽しめるけど、まとめて編集したDVDでもリリースされれば更にお得なんだけどな(笑)。

Buddy Guy - Feels Like Rain 

 もう一人ロック界に近いブルースギタリストと言えばもう70歳を超えたバディ・ガイもいるな。こないだ来日した時のライブを見る限りでは全然そんな歳にも見えなくてバリバリにフィードバックしたギターを弾きまくってたのでその年齢とキャリアを聞くと驚くんだけどね。そんなバディも実は70年代80年代はかなり不毛な時代を過ごしていて、90年になってからクラプトンのおかげで息を吹き返したっていうところだが、その選択は非常に賢明で以降のバディ・ガイはセールス面でもパフォーマーとしても見事な働きぶりを示してくれている。そんな復活第一弾はクラプトンやベックなんていうゲスト陣を迎えての「Damn Right, I've Got the Blues」だったが、今回はその後にリリースされたアルバム「Feels Like Rain」にスポットを当ててみよう。

Feels Like Rain Damn Right, I've Got the Blues
 1993年リリースのシルバートーン移籍第二弾アルバム。ゲスト陣は相変わらず豪華で、ジョン・メイオールやポール・ロジャース、イアン・マクレガンなんてのが有名か。あ、あとタイトル曲はブルース界の名曲として君臨しているんだけど、スライドギターでボニー・レイットが弾いているね。ジミヘンの「Hey Joe」みたいな感じでしっとりと聴かせてくれます。そしてオリジナル曲もさることながらカバー曲が圧倒的で、だからこそジャムセッション的なアルバムになっていくのだろうけど、それがまた面白い。さすがにこのくらいになるとオリジナルの色がどうの、って言うよりもバディ・ガイの色が強く出ているので全然問題なし。ポール・ロジャースが歌う「Some Kind Of Wonderful」なんて好きそうだしねぇ。ジョン・メイオールとの「I Could Ciry」は掛け合いしていてなかなか迫力モノ。

 バディ・ガイのギターって豪快でノビノビと弾きまくっているタイプなので凄くロック的。ストラトってのもあってか聴きやすいし、弾き方も凄く力強いピッキングと指圧で攻めてくるのでこれぞブルースロックという音で、ある意味ロック野郎に対して同じアプローチでホンモノが歩み寄ってきているっていうスタイルなので受け手は大変(笑)。その分リスナーは普通に聴ける。う〜ん、この辺のバディのアルバム、凄く良いぞ。

Freddie King - Larger Than Life 

 アグレッシヴなギタープレイでグイグイとロックファン…ロック小僧を惹き付けてくれたのがフレディ・キング。この人は1976年暮れに42歳という若さで亡くなっており、ブルースマンの短命さを物語っているというのか、それでこそブルースマンというべきか、やはり滅茶苦茶幸せな人生というわけでもなかったようだけど、うん、そういうもんなのだろう。

Larger Than Life Burglar
 1975年リリースの生前最後のレコーディング作品としてリリースされたアルバム「Larger Than Life」を引っ張り出してみた。他にもフレディ・キングの作品は当然いくつもあって、結構聴いていたりしててやっぱりシェルター時代が一番好きなんだけどさ、その他のってあまりしっかり聴いてなかったりしたのでここのところチョコチョコとつまみ食いしててね、その中でこの遺作ってのが結構面白くて…、というかリリースされた当時、そして今でもあまりブルースファンには好まれない作品だし、フレディ・キングのキャリアを語る中でもRSO時代は割とないがしろにされているケースが多くてんで。最後の最後となった「Freddie King (1934-1976)」ってのは割ともてはやされるんだけどこの前の「Burglar」と「Larger Than Life」はあまり着目されない(笑)。

 そんなことで敢えて着目してみた…。うん、全然悪くないじゃん、これ。そりゃそうなんだけど、音のアレンジが非常にソウルフルというのかディスコでもかかるようなアレンジになっているっつうか、音もそういう雰囲気になっているってのもあるのでファンからは割と敬遠されてしまうっていうのがよくわかる。ホーンセクションとかもゴージャスな感じではなくってアクセント的にダンス調に使われていたりね。今となっては全然ハマっているし、面白いんだけどピュアでアグレッシヴなブルースギターを期待していたブルースファンは引くかな。言い方を変えればこれもまた新たな領域の拡大に挑むフレディ・キングの姿とも云えるね。

 でもさ、当然ながらギターはバリバリに弾いていて、それがまた相変わらずなのでやっぱり凄いワケさ。うわぁ〜、こんなギター入ってくるんだ〜と感動するもんね。そして歌声もあの覇気のある元気な声で全然いいじゃんね。どうやらスタジオ録音テイクとライブテイクが混在しているアルバムで、そのスタジオテイクはあのマイク・ヴァーノンがプロデュースしてるとか。この人、ブルーホライズンレーベルの人ね。フリーとかも思い切り関係してる人。

Albert Collins - Live 92-93 

 同じギターでこうもスタイルが違うかと言うくらいに対極に位置している思い切り黒人ブルース…でもモダンブルースやデルタブルースではないからまだ近い領域かもしれない(笑)。テレキャスターを右肩に掛けて7フレット目にカポして超ワイルドに指で弾きまくるデカい黒人、アルバート・コリンズ。この人が亡くなったのも実に惜しいよなぁ…、そのちょっと前くらいに日本に来ていたんだよね。見たかったなぁ〜。

Live '92/'93 Live

 そんなことで思い切りヘヴィーっつうか人間臭さ丸出しのライブアルバム、しかも晩年のライブ集大成とも言える「Live '92/'93」という作品だ。リリースは1995年なので当然没後のリリースだが、このジャケットが実に良いと思いません?こういう渋いセンスはアメリカならではで、まぁ、ロック系で言えばブルース・スプリングスティーンなんかと同じ男臭さっていう世界なんだろうけど、良いじゃないか、かっこよいし、そのかっこよさの中にはどこか男の香りがある、ってもんだ…、とは男の勝手な意識か?ま、なんでもいいんだけどさ(笑)。

 うん、あちこちのライブ録音素材から引っ張ってきたものらしいので、曲順とかは別にこだわりないんだろうけどこの人もこれくらいになると色々なライブアルバムがあったりするが、ほとんどいつも似たような曲が並ぶのが常で、このアルバムも大体似たようなものが並んでいるので曲そのものにはそれほど注意を払って聴いてはいないんだけど、初っ端「Iceman」はテーマみたいなもんで、もう始めからバキバキのテレキャスサウンドでいきなりハートに刺さるサウンドがガンガン来る。その後はすぐにソフト&メロウなアドリブ重視の11分弱にも渡る曲で、こういう曲での音使いってホントに本能的に巧いよなぁ…。ハードにバキバキってしながらメロウにやんわりと、ブルースメン曰く「ギターはオンナを抱くように可愛がるのさ」ってなことを見事に音で聴いていてもよくわかるくらい多様な触れ方をしていてそういう意味では非常にいやらしい…、でも凄く温かみがある心地良さ。その温かさが良いんだよね、ブルースってのは。特にこの人は普段のギターがシャープで尖ってるから余計にそう思う。

 ブギありシャッフルあり、そしてこの人のバンドの特徴でもあるけどホーンセクションはもちろんながらA.C.リードのサックスが結構メインに据えられていて、パーティバンド的なものでもあるけど、毎度のことながらお遊びが面白い。サイドギターの人、名前調べてないけど結構良い味でギター弾いてて、アルバート・コリンズと似たようなフレーズを結構キメてくれるし、面白い。しかし…、「Frosty」なんて毎度の曲ながらもやっぱり弾きまくっててクラクラするわ(笑)。

 キャリアは古くてデビューも古かったんだけど一端ブランクがあって、主に目立ち始めたのは80年前後くらいからという遅咲きブルースメンだけど、当然ホンモノのスジはしっかりある人でロックにも多大なる影響を与えているしロックに影響も受けている人で、バディ・ガイなんかとも双璧を張るかもしれん。まぁ、この手のギターはフレディ・キングあたりからなんだろうけどね。でもアルバート・コリンズ、かっちょよいっ!

Robert Cray - Strong Persuader 

 そういえばロバート・クレイってレイ・ヴォーンの後に売れたんだよな、とふと思い出した。いつだったっけなぁ、多分1988年か89年に来日していて、売れたのは1986年か87年くらいなので、まぁ、まだ人気があったくらいの頃だね。んで、すっかり忘れてたけれど、その来日公演を見に行ったんだよ。

Strong Persuader ライトニング・イン・ア・ボトル

 …とは言っても知ってる曲なんてそんなになくって、まだブルースに色々な種類があるなんてのは知らない頃だったからブルースメンのライブを見てみたいってことで行ったんだと思う。そしたらまぁ、別に悪いことはなくって妙〜にファンキーなブルースなんだなぁとか思ってたくらいで、一生懸命ギターフレーズとかスケールとか見ていてね…あぁ、あとは音。ギターの音色がカラッとしたモロにストラトサウンドなんだけど、いいなぁ〜なんて聴いてた。だから曲って言うよりもギターを見に行った、聴きに行ったっていう方が強い。都合一時間半くらいのライブだったと思うけど、もちろん終盤にヒット曲「Smokin'」で盛り上がったんだけど、それよりもその後にやた「Spoonful」に狂喜したかなぁ。順番は定かでないけど、「Spoonful」だぁ〜って(笑)。いや、まぁ、当然のチョイスなんだけどさ、ブルースメンがやるホンモノってどんだけぇ〜って感じで興味津々だったね。まぁアドリブが少なくて、あと顔でギター弾いているって感じが少なかったのが心残りではあったけど、やっぱ良い音だ〜って感動した記憶がある。

 そんなロバート・クレイの思い出だけど当時売れた「Strong Persuader」というアルバム。かなりモダンなサウンドだったので今となってはレトロか?ただポップでキャッチーな曲でブルースメンからもリスペクトされていたってのはなかなかいないので、やっぱり相当ホンモノの人なんだと思う。奇しくもレイ・ヴォーンが飛行機事故で死んだ時だって、レイ・ヴォーンとロバート・クレイとクラプトンでツアーしていた時の出来事だしね。まぁ、人気者ブルースメン達が今を楽しむって感じだったのかな。悪いアルバムじゃないけど、今聴き直すとジャズの世界で言うマンハッタン・トランスファーみたいな位置付けで、ブルース好きからするとちょっとポップ過ぎるかな。

 ちょっと前にブルース映画「ライトニング・イン・ア・ボトル」で出てたのを見たんだけどなかなか貫禄のついたブルースメンになってた。だから今ならかなり素直に楽しめるのかもしれないけどね。まぁ、音はそうそう変わらないけど(笑)。

Albert King & Stevie Ray Vaughan - In Session 

 クラプトンもミック・ジャガーもキース・リチャーズも黒人ブルースに憧れて自らが徐々に大物になっていく過程でそのファーザーであるホンモノの黒人ブルースマンとセッションを行うようになり、そして大御所となったブルースマン達は後に彼等がいなけりゃとうに乞食になってた、と語っている。そしてアメリカでももちろん悪魔の音楽ブルースに憧れた若者が当時から少数ながら存在していて、その一例がポール・バターフィールドだったりマイク・ブルームフィールドだったりする。そして実は70年代初頭からそんな黒人ブルースマンのひしめくスタジオに出入りしていたテキサスの少年がリトル・スティーヴィーと呼ばれていた白人だ。そう、スティーヴィー・レイ・ヴォーンその人です。

イン・セッション Blues at Sunrise: Live at Montreux

 そのスティーヴィー・レイ・ヴォーンがデビュー直後くらいに既に大いなる影響を受けたブルースマン、アルバート・キングとラジオ番組の企画モノながらもセッションした「イン・セッション」、しかもアルバムとしてリリースされているのは実に喜ばしいことだ。ボウイの「Let's Dance」でアルバート・キングみたいに弾いているヤツは誰だ?と話題になし、その後すぐに当の本人とのセッションなワケだから面白い。しかし今聴き直して見てもこのセッションは素晴らしい魂が漲ってるね。アルバート・キングのトーンと奏法は一発でそれとわかるもので、指でのピッキングが優しくマイルドに音を鳴らしているし、そしてまたあのいやらしいビブラートも良いのだなぁ。一方でもちろんそれほど出番が多くないスティーヴィー・レイ・ヴォーンだが、いやぁ、しっかりと乾いたサウンドで存在をアピールしているね。バッキングで聴けるフレーズなんかもなかなか芸が細かくて聞き逃せないところが普通のブルースマンとは違うトコロだね。ジャケットはダサいけど中身は結構な熱いセッションが詰め込まれている一枚。貴重なセッションだ。

 クラプトンは若い頃にフレディ・キングとのセッションで腕を磨き、BBキングとのセッションで成熟させた。スティーヴィー・レイ・ヴォーンはもちろん数々のセッションに参加していたけど、まともにこうして残っている音源はそう多くない。あ〜、ブルースっていいなぁ。朝聴いても夜聴いても落ち着く音楽。心を委ねられるっていうのかね、そういうサウンド。

 バーボン一杯奢って♪みたいな感じかな(笑)。しかしYouTubeって凄いな、この時の映像ってあるんだ…。

The Road To Memphis 


 ブルース発祥の地となるデルタ地帯のメンフィス。広大なテネシー州を端から端へと駆けめぐるドサ回りバンドを元に描かれていくドキュメンタリー。クライマックスはかつてメンフィスのブルース界を支えてきた男達の共演イベントなワケだが、何というのかな、ブルースって面白い。まずドサ回りをやっているボビー・ラッシュだが、知名度は正直云ってほとんどないし、いわゆるクラブからクラブへと回っていくバンドで、好きじゃなきゃできないよなぁって思うようなものだし、それでもやっぱり一国一城の主なわけで、バンドも喰わせてるんだよね。どこまでも続けていくしかない仕事なのかなぁって云うのが見ていて辛いというか、あまりにも先行き見えないなぁって。でも楽しそうに歌ってるから、羨ましいかな。

 そして本作の準主役…と云うのか、昔は大物ピアノプレイヤー、今は引退して20年、今回メンフィスに戻ってきて再びブルースを奏でることとなったロドニー・ゴードン。う〜ん、名前知らないんだけど、15歳でキャディラックを買ったっていうんだから相当売れたんだろうな。50年代のメンフィスでは「ビール通り」っつうところがあって、ここにジャズやらブルースやら、いわゆるクラブ、パブが立ち並んで朝まで音楽を奏でていたという所らしいが今では跡形もなく、時代の変貌を見せつけられる。そしてB.Bキングも故郷に戻りメンフィスを堪能するようだが、どこか活気がない。ライブシーンや再会シーンでは活気があるどころかもの凄いパワーと素晴らしい音を聴かせてくれるんだけど、やっぱ故郷ってのは良い思い出も悪い思い出も甦ってくるからかな。分かる気がするけど。

 そしてアイク・ターナーとサム・フィリップスの再対面。エルビスについての論理とサンスタジオの当時の姿勢など、チェスレコードと同じく白人黒人関係なしに想いを掛けている人間達が集まったからこそ素晴らしい歴史が刻まれたと改めて実感するシーンだ。そういう意味では広範囲B.Bキングがフィルモアでライブを行ったときの感動を語るシーンも時代の産物、正に60年代終盤のロック黎明期と重なる。

 あまりにも映画的で寂しかったのがロドニー・ゴードンがその後すぐに亡くなってしまったことで、出来過ぎじゃないかと思うくらいのタイミング。映画であんなに明るく楽しそうにブルースを歌っていた人が突然という感じで、最後によい思い出できてよかったな、というのはあるけどさ。人はいつ死ぬかわからんから一瞬一瞬を楽しむってのも大切だよね。それからB.Bキングのギターの迫力に喝采。更にアイク・ターナーのピアノではなくギタープレイの凄まじさも新たな発見だったなぁ。やっぱブルースは深いっ。

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