Jade Warrior - Kite
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ロックの系譜を漁るとき、多分最初はバンドそのものを追いかける。なぜならその音が気に入ったから、衝撃を受けたから。そのうちにそのバンドの人がどこに行った、とか前はどんなバンドにいたんだ、とかそういう情報からその前後に漁りに行く。そのうち、その人がどこそこの誰それのアルバムにゲスト参加している、なんていうことがあるとそっちを探し求めることになる。そうこうしてどんどん深みにハマっていくのが常だと思うんだけど、やっぱりゲスト参加作品というものを探し出すのは実に困難。メジャーな人ならそれこそあちこちで確認できるからまだ良いけどね。それでも結構抜けていたり新たな発見があったりするからキリがない。本人に訊いても覚えていないってのも多いだろうし。
さて、それが、だ。クロダー・シモンズくらいのマイナーな人になるとなかなか調べがつかない、っつうかネット時代じゃなきゃ全然知る由もないって感じだったけど、さすがに今の時代はネットがあるから便利だねぇ~。ちょろっとググったらまぁ、割と出てきて、そしてまた驚いた。最近でも結構歌で参加してたりするので…、しかも全然知らない世界に行っているので、そこまで追いかけるのは止めました(笑)。ま、でも、どこかで多分探して聴くんだろうけど、焦らないってことです…。
そして、お仕事的にはマイク・オールドフィールドの「Ommadawn」の後になる1976年リリースの、まぁ、マイナーなバンドなんだろうなぁ…。英国の東洋チックな音階とラテン系の音をごっちゃにして英国風のハードな味付けを施してシーンに出てきたバンド、ジェイド・ウォリアー。4枚目からはレーベルをバーティゴからアイランドに移してそれまでの音とは一線を画す透き通ったアンビエントなサウンド、それでも和風且つエスニックな音階や楽器を用いての作風でここまで変わるか、って感じ。そしてアイランドからの三枚目となる「Kites」のクレジットにクロダー・シモンズが登場。その他にもフレッド・フリスがヴァイオリンでゲスト参加しているという不思議。ちなみにフレッド・フリスはヘンリー・カウの主要メンバーで、カンタベリー一派。う~ん、まぁ、この「Kites」というアルバムに限らず、ジェイド・ウォリアーはトム・ニューマンがいつも絡んでいるからねぇ。トム・ニューマン=ヴァージンのエンジニア=マイク・オールドフィールドとも仕事して有名=クロダー・シモンズの力量認識から紹介?ってなトコか。一方ではマイク・オールドフィールドからカンタベリー一派に繋がりヘンリー・カウ…、ヘンリー・カウもヴァージンだ。う~ん、ロックの世界は狭い(笑)。
ってなことで、そんなゲスト陣を迎えて制作された「Kites」。最早メンバーはジョン・フィールドとサムライ魂の好きなトニー・デューイしかいないので、それぞれがアルバム片面づつを受け持って制作。琴の音色が出てきたり乾き切ったのパーカッションの音と絡んでみたり、とにかく不思議なサウンドで、ま、ロックっつうよりもヒーリングミュージックに近い。マイク・オールドフィールドの大作でその感動を誘う手法を一曲ごとに完結させているという感じで、和む音ですな。よくわからんけど、リラクゼーションルームとかで流れていても結構面白いんじゃないか?まぁ、妙に気になる音ではあるだろう。
…しかしクロダー・シモンズはどこで歌っているんだ?一曲目と二曲目の旋律と重なる妙なクワイヤ部分か?またしてもそんな扱いなのか?やはり天上の歌声ってのはクワイヤで登場するのが一番美しいのだろうか?いやいや、もったいない…。そしてまたしてもそれだけのためにこのクレジットを探し当ててワクワクして聴き直したのだが…。ほんの何秒かしか登場しないというのもかなり残念。ん~、まぁ、ジェイド・ウォリアーの音自体はかなり楽しめる音作りだからよしとせざるを得ないだろうなぁ…。しかし、今世間的には彼等のCDってのはほとんど手に入らないのか?アマゾンほぼ全滅だ…。
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