A.R.B. - 魂こがして


そんな時代のど真ん中を新宿という街、その中の新宿ロフトで生き抜いていったバンドがいくつか存在している。A.R.B.はめんたいロックあがりの石橋凌がフロントを担っているのでその男気がクローズアップされるが、他は東京でのメンバー、っつうか結構紆余曲折あったバンドで、さすがにハンパじゃない人達。そしてロックに憧れる人間からはそのスタイルに惚れるってとこかな。キース、田中一郎、サンジという個性的な面子と労働者の歌を中心に歌い上げてきた骨太なロックバンド。
1983年にリリースされたA.R.B.初期の集大成ライブ「ARB LIVE/魂こがして」。いくつかライブアルバムがリリースされているけど、やっぱりこのライブの熱さを超えるモノはなかなかない。後の「LOVE THE LIVE」もかなり良いけど、こっちの「ARB LIVE/魂こがして」はもっと勢いがあるし、その分粗野でもあるけどタイトル通り魂こがされる。初っ端の「ウィスキー&ウォッカ」から強烈にノレる正にロックなライブで息つく暇もなくかっこよさが響き渡るんだな。石橋凌のMCも勢いがあって観客の叫びも見事に入ってくる…そして何よりも田中一郎さんのシャープでソリッドなギターがグイグイと曲にエッジを加えてくれて、サンジのベースもブイブイとうねっていてすげぇかっちょよいワケよ。
A.R.B.って多分オトコのファンが多いと思う。すごく男臭いもん。オトコに惚れられるバンド。まぁ、良いか悪いかはあるけどさ、自分がバンドやってる時もオトコのファンが多かったなぁ…、女の子にモテたいからやってたのに、あんまりそこで美味しい思いをしたことないから残念(笑)。ま、ファンというほどの人数のファンがいたわけじゃないけどさ。なんかね、そういうのある。
いやぁ~、ジャケットの気合いと言い中味のかっこよさといい、泣ける切なさと言い、とにかくひとつの日本のロックがすべて詰め込まれているライブ盤。もうすぐ紙ジャケで再発されるらしいんだけど、できることなら更に曲数を増やして80分くらいまで拡張したライブ盤にして再発してくれないかなぁ。
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