Patti Smith Group - Radio Ethiopia


そんなパティ・スミスが1976年、ロンドンパンク誕生前夜には既に市場にリリースしていたセカンドアルバム「ラジオ・エチオピア」。もちろんジャケット写真はロバート・メイプルソープの手によるモノでしっかりと見据えたパティ・スミスの表情が印象的。そして中味。何がそんなに良いのかわからないけれど、素晴らしい。メロディとかもあるんだろうけど、やっぱりパティ・スミスの歌声の説得力というのか、意志の強さなのか、伝わってくるものが凄く大きくて最初から最後まで感動しながら聴ける代物。くだらない曲がないんだよね。1976年だからホント、パンクという概念が一般化していない頃でしょ?だからこのアルバムも別にパンクの女王として言われるけれど、そういう音でもない。激しい曲があるワケでもないし。ただ説得力のある女性が歌を歌っているというだけで、楽曲的には言われるほどパンクらしいところは全くない。だから偏見なしに聴く方が正しい姿に痺れるんじゃないかな。ま、これは彼女の作品すべてに言えると思うけど。
この頃のパティ・スミスってパティ・スミス・グループっていうバンド形式の名義にしていて、しかも最初のアルバム「ホーセス」をカーステで聴いたらえらくしょぼい音だったということに気付いてジャック・ダグラスをプロデューサーに迎えて分厚いサウンドを目指したってことだけど、そういう意味では確かに迫力のあるサウンドに仕上がっているかな。でも、そんなの今となってはあまり関係ないけど、そういうところにも気が付くのは本人のこだわりだろうね。確かに音の厚みってのは小さい音で聴いたときにもよくわかるし大きい音で聴いてもパンチが足りないわけで、その辺はファーストをプロデュースしたジョン・ケイルにはわからなかった、というかパティ・スミスの持つガレージ的なイメージには当てはめなかったところか。
今の時代は幸せだよねぇ。昔この頃のパティ・スミスの映像なんて見れることなかったけど当然YouTubeにて見れる。そんなライブを繰り広げていたんだ…。もっと早く見たかったよねぇ。
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