The Kinks - Something Else

日本で人気がなくて世界的には人気のあるバンドってのはいくつかあるんだけど筆頭に出されるのはThe WhoとThe Kinks。まぁ、Status Quoとかもそういう部類なのだが、とりあえず(笑)。基本的にその辺のバンドは好きなので大体聞いていて、好きなバンド群なんだけど、やっぱり日本でブレイク仕切れないってのも何となくわかる。文化的にはロック黎明期に来日したことのあるバンドは今でも人気が高くて、神格化されているのだが、70年代に来日しなかったバンドはどうしても人気が追いやられる。ではキング・クリムゾンの人気は何だ?となるのだが…、アレは多分音楽的なインパクトがありすぎたから人気があるのだろう。そういう意味で普通の、というかロックらしいロックバンドの日本での人気はある程度決定付けられてきたのかもしれないが…。
キンクスの1967年リリースの6枚目のアルバム。そしてかなりの傑作でもある「Something Else by the Kinks」。まったくこの頃のキンクスときたらとんでもなくハイクオリティなアルバムを次から次へとリリースしていて、シングルだろうがアルバムだろうが捨て曲なしはもちろんのこと、名曲のオンパレードで英国では絶大な人気を誇るってのはよくわかる。こういうのが琴線に触れるんだよなぁ、自分も。ビートルズの天才さとはちょっと異なる、ビートルズよりももっと独特の才能を感じられる人、レイ・デイヴィス。弟のデイブも何曲か歌っているんだけど、これもまたよろし。
最初の「David Watts」は後にThe Jamがカバーして有名になったけど、かっちょいいよねぇ。「Fa fa fa fa…」って何だよそれ、とか思うけど、それを超えるかっこよさとノリの良さ。そしてデイブの「道化師の死」も今でもライブで残っている名曲で、デイブの歌も悪くない。更に名曲「Two Sisters」…。レイのソロでも取り上げられているんだけど、もうねぇ、最高の一曲のひとつです、これは。こういう名曲を何曲も立て続けに書ける人、いないって、ほんとに。素晴らしい曲です。それとサイケデリックな雰囲気が入っているけどやっぱりどこか物寂しさの漂う「No Return」も時代を感じさせる佳作。そんでもって軽いラグタイムな雰囲気を醸し出してくれる「Harry Rag」なんてのも最高。いやぁ…書いてるとそんな感じで恐ろしく楽しめてしまうアルバムなんだよね。
以降も「Tin Soldier Man」という変わった雰囲気を持ち込んだ曲から、イントロのハープシコード?から一転して始まる「Situation Vacant」、そして再度デイブの歌う「Love Me Till The Sun Shines」っつう傑作も入っているし、怠惰な雰囲気を醸し出す「Lazy Old Sun」も正に英国らしい、そして時代を感じさせる作品で、そうするともっと英国らしい空気を感じる「Afternoon Tea」が始まってしまって…、いやぁ、もう最高。素晴らしい。「Funny Face」にしても「End of The Season」にしても云うこと無しの作品なんだけど、なんだけど、なんだけど…、最後の最後にダメ押しの大傑作そして大名作でもある「Waterloo Sunset」があるんだなぁ。これ、ホントに素晴らしい曲でさ、何回聞いても涙するし、Waterlooの情景を思い浮かべてしまう素晴らしい曲。うん、いいことあるさ、きっと、と思えるもん。
う~ん、キンクスって聞かずキライの人多いと思うし、聞いてもちょっとだけだと全然わからない。だからこのアルバム「Something Else by the Kinks」を最初に聞くのをお薦めするね。ベスト盤とかだとちょっと違うんだよな。これか「Face to Face」か「The Village Green Preservation Society」だね。もう最高過ぎて何も言えないっす♪
ちょっと前に実現したデヴィッド・ボウイとレイ・デイヴィスの歌う「Waterloo Sunset」
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