Moody Blues - On the Threshold of a Dream
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プログレッシヴロックバンドとして名の知られたムーディ・ブルース、それもジミー・ペイジをして真のプログレッシヴバンドと言わしめたためというのも大きい。英国人の感覚でのプログレッシヴロックってどんなのかよく分からないからあまりアテに出来ないが。それでも荘厳さと混沌さが同居するバンドとして自分的にはイメージの強いバンドです。1965年デビューだけどその頃はビートバンドのひとつで、とてもその後のバンドをイメージするモノではなく別物として認識すべきだ。1967年にリリースしたアルバム「Days of Future Passed」からの「サテンの夜」が当時、ではなく後にヒットした事で一気にメジャー化した。このバンド、基本的にず~っとコンセプトアルバム続きで、それらを纏めて聴くとそれもまたひとつのストーリーに聞こえるからなんと壮大なスケールでの活動だったんだろう、と驚くが今回は彼等の三作目「夢幻」です。
1969年リリースの「夢幻」。やっぱムーディー・ブルースのアルバムは日本語タイトルに限る♪ かっこよいんだもん、どれもこれもさ。「童夢」とか「夢幻」とか「失われたコードを求めて」はそのままか(笑)。コンセプトは「夢」なので、何となく幻想的な雰囲気に浸れるんだけど、よくよく聴いているとどこがプログレッシヴロックなんだ?と思うくらいに牧歌的でポップなメロディの曲が並び、確かに英国的な湿っぽさはあるんだけど別に一曲単位で売れても良いんじゃないかと思うくらいの軽やかな曲調が多い。意外なんだけど全然プログレっぽくないから(笑)。
ただねぇ、音の作り込みというか楽器の使い方とか効果的な音の入れ方とか…例えばフルートにしてもここぞって時に入ってくるのはともかく、さりげなく後ろで鳴っていたりすると何となく変わった雰囲気になるし、笛なんかもそうだけど牧歌的になるでしょ。それもアコギの鳴ってるところとかさ。そこにコーラスワークだったりエコーが効きまくっていたりするのでなんか、どわぁ~んってするんだよね。ベースやメロトロンがやはり効果的に鳴っているのでこの辺がプログレ的になる所以だろうけど、基本的にジェスロ・タルとも同じようなごちゃごちゃになったロック。メロトロンのフューチャー度が大きいがためにそのジャンルに入ってしまっているだけで、「夢幻」にしても非常~に聴きやすい曲ばかりだ。ただ音数が多くて密集しているのでちと疲れるってのはあるかもしれない。
このバンド、面白いのは全員が作曲したりしているのでアルバムにしても個々で作った曲が単に並んでいるんだけど、それでもコンセプトアルバム的に一連の曲にひとつのストーリーが走っているようになっているのが凄い。誰かが作ったからと言っても決してその人の個性が出るのではなくって一旦バンド内で消化してから再構築して出しているというような感じで一貫性がある。まぁ、作った本人達は想いが異なるのだろうけど、それはそれでソロアルバムでやればよいってところなのかな。しかし実にホノボノとした春らしい音でした♪
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