Jethro Tull - Aqualung


1971年リリースのジェスロ・タル4枚目の作品で、全部聴いてないから断言できないんだけど世の中的に名盤との誉れ高いアルバム。ジェスロ・タルの場合はそうだなぁ、ファーストから「Songs from the Wood」あたりまでしか聴いてないからアレだけど、これこそゴッタ煮ロックの象徴かもしれない。フルートをロックの世界に持ち込み、あれほどまでに下品な楽器にしてしまったのもこの人、イアン・アンダーソンありきの話だろうしね。老人の乞食の格好で出てくるワケだし、そりゃ英国的なジョークっていうのもあるのだろうが、やっぱりヒネたセンスが凄くて、それはこのアルバムの曲のそこかしこに反映されている。
冒頭のタイトル曲からしても妙~なリフと曲展開で一般的なビートの利いたロックとは全然異なるものだってことに気付くだろうし、それじゃプログレか?って言われるとそうでもないよな、これ、と思う。あるがまま、好きに曲作ってヒネて演奏してみたらこうなった、ってところで、歌詞とかも多分深い意味があったりするのだろうが、とにかく最初は「?」。慣れると音楽的に凄く面白いし、あり得ない展開とか平気でしていくので恐ろしい。2曲目ではフルートソロがやっぱりフルートの音していて、こんなに攻撃的か?ってくらいにノリの良いフルート、そうそうないぞ(笑)。
アルバム的にはそんなロックと叙情的なアコースティックで牧歌的な曲があれこれと入れられているので、英国~って感じで良い。そういう小曲がいいんだよなぁ。イアン・アンダーソンの歌の巧さもよくわかるし。で、4曲目、「Mother Goose」のタイトル通りにアコースティックの牧歌的なトコロにフルートが入ってきてしかもパーカッションはなんだろ?タブラ?う~ん、英国的情景が目に浮かぶような素晴らしい雰囲気と展開。次もアコギで叙情的な風景を映し出してくれる曲で聴いて驚くなかれ、ジェスロ・タルというバンドはこういうのが真髄なのだ(笑)。
フルートを堪能したかったら実にユニークな「My God」をオススメするね♪ やっぱりヘンなバンドだなぁ、ジェスロ・タルって(笑)。う~ん、プログレッシヴロックバンドって誰が言ったのか、この人達もツェッペリンも大いなるイメージの誤解をされているバンドかもね。しっかりと英国フォークの土壌や情景があってこそできるロックを奏でているワケで、単なるロックバンドじゃない。故に70年代はZeppにヒケを取らないくらいの人気を誇ったり、国民的バンドの側面を持ったりしていたワケで、そりゃそうだと納得する素晴らしき作品。アルバム後半は割とハードなロックを展開するので、盛り上がって、そしてエンディングという起承転結なアルバム作りもしっかりしてる。
今は25周年記念盤ってことでボートラ付きのが出ているので入手には良いチャンスだし、イアン・アンダーソンの片足フルート吹きもYouTubeで見れるし、幸せな時代です。ジェスロ・タルの映像なんて全然見れなかったしなぁ。
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