Genesis - Foxtrot


「Foxtrot」。もちろん、何度も聴いているしやっぱり何回聴いても凄いアルバム。繊細さもあるし音の作り込みも美しさも正にジェネシスの世界。ピーガブだけじゃなくてスティーヴ・ハケットのギターの音色やここではトニー・バンクスの鍵盤にしてもそれをよく彩っている。逆にフィル・コリンズのドラムがどうってのはあまり感じないけど、多分裏方では相当役立っているんだろう。
冒頭の「Watchers of the Sky」のイントロからしてユニーク。このリズム面白いなぁ~と思うし、そこに乗っかる歌メロと何とも言えない躍動感、ただし一辺倒では行かないプログレらしさ、っつうか英国らしさ、かな。次の「Time Table」だってやっぱり繊細な音色が全編を支配していてソフトに軽やかに優しくリスナーを和ませてくれる。こういうのってやっぱりジェネシスらしいよなぁ。メロトロンの支配力が強い「Get'em...」ではその手のファンを釘付けにする魅力を放ちまくってる。あぁ、ピーガブの歌詞の世界はよくわからないので割愛してるけど、それでもサウンドだけで十分に楽しませてくれるアルバムなので問題ないんだろうな。日本にもファンは多いし。そんなピーガブの多様な歌声が披露されていたのがこの「Get'em...」みたいで、へぇ~ってな感じに聞こえるので演劇性を楽しむには良い作品。当時のライブでは正に狐のメイクとドレスでキメていたらしい。やっぱり変人。
ハケットの美しきアコギによる「Horizens」は些か硬質ながらもメロトロン一辺倒な作風のアルバムにアクセントを与えてくれる。いやぁ、これがまたメランコリックでギター一本だけで心地良い世界を奏でてくれているんだよね。それに続いて大曲「Supper's Ready」へと。正にプログレらしい曲で23分もの長さ♪ 叙情的に始まり鍵盤の繊細な繋ぎで曲調を変えていき、お得意の世界をガシガシと広げていく、これぞジェネシス、なワケだ。彼等の変拍子ってどういうわけかあまり変拍子に聞こえないので覚えやすい。それがジェネシスを聴きやすくしていると思うんだけど、メロディがあっての変拍子だからだろう。それでいて軽いっつうのも強みか。そしてこの曲も同じリフレインをひたすら繰り返して盛り上がって最後はピーガブの陶酔の世界を気持ち良く歌い上げて終演を迎えるというモノだ。
久しぶりに聴いたなぁ…。ホント良くできたアルバムで構築美と言い、陶酔度と言い、名盤とされるワケだ。またファンも多いし、聴いて当たり前だもん。他のジェネシスの作品と比べてもやっぱり良い出来だと思う。うん。で、好みは別ね(笑)。個人的にはやっぱりダメなんだ、これ(笑)。
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