Paul Kossoff - Blue Soul
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1976年3月19日ロサンゼルスに向かう飛行機の中で小汚い若い英国人が死亡しているのを発見、となったのだろう、きっと。もちろんスタッフ等がいたからそのような事にはならなかったと思いたいのだが、現実的にはそんな話で別に美しくもない。しかもドラッグでボロボロになったカラダであれば尚更だろう。それがポール・コゾフの最後。享年25歳。早くから成功を収めたフリーと言うバンドのギタリストで、唯一無二のギタースタイルを持ち、とてもピュアな人でもあったと聞く。
キャリア的にはフリーに参加して活躍したのがまだ10代だったので、1973年のフリー解散後は自身の名義にて「Back Street Crawler」をリリース、つい先日デラックスエディション盤がリリースされて、セッションの内容がもっと明るみに出てきたのは非常に嬉しいことだが、もちろんギタリストのジャム的な作品という感は否めなくて、特に名盤とされるようなものでもないのも事実かな。その後はバック・ストリート・クロウラーというバンドを組み、二枚のアルバムをリリース。それでオシマイ。だけど、実はこの人結構色々なミュージシャンとセッション活動を行っていて、アイランドレーベルという共通の枠もあったようなんだけど、ゲスト参加しているアルバムや曲が多くあるんだよね。それでそんな活動をまとめたアルバムがポール・コゾフ名義で何タイトルかリリースされていて、多分有名だったのは「Blue Soul: Best of Paul Kossoff」ってヤツだと思うんだけど、随分前から廃盤になっているらしくていかん。勿体ないなぁ、と。フリー時代の曲も最初に入ってるんだけど、それはともかく当時は「Free Live」では聞けなかったライブ曲が入っていて、特に「Crossroad」なんてすごく興味を惹かれたもんな。うん、クリームのやってるあの「Crossroad」をフリーがやってるんだよ。さすがにフリーのアレンジ!と唸らされるようなリズムで、そこにポール・コゾフの泣きが詰まったギターがキュインキュインと鳴りまくるという逸品。何てったって冒頭のイントロからして速弾きのギターソロからなんだから、こりゃもう堪らんっつうくらいのモンでね、いやぁ、それでもってギターの音がマイルドで素晴らしいワケよ。この一曲だけでレコード探しまくったし、CDになってからも速攻で買った思い入れの強い編集盤だね。ポール・コゾフで聴くって云ったらこれが最初に浮かぶ。フリーというバンドももちろんなんだけど、ギターを中心に聴きたいときはこっち。
他には英国スワンプロックのアングラバンド?のアンクル・ドッグっつうバンドに参加した時の「We Got Time」とかね、これも凄く雰囲気良くハマってるワケで、まぁ、歌ってるのがあのキャロル・グライムだからそりゃ凄くもなるでしょう。ん?うん、デリヴァリーってバンド知ってる(笑)?カンタベリーの…云々とまぁ繋がってしまうのでその辺はまた今度にしておこう(笑)。
それから同じレーベル仲間で割と良く一緒に活動していたらしいトラフィックのジム・キャパルディの作品にも何度か参加していて、まぁ、好みかどうかは別としてポール・コゾフらしいギターを聴けるのでこれも重要だね。あとはフランキー・ミラーとアンディ・フレイザーがやり始めたランブルタウン・バンドっつうのに参加したときの曲とかね。この編集盤には入ってないけど、他にも色々とやっているのがあって、ヒープのケン・ヘンズレーのソロとか英国フォークのジョン・マーティンとかアメイジング・ブロンデルなんてのにも参加してたりね。なかなか多彩な人だったし、またその人柄の良さからか声掛けは多かったらしい。
そしてまたフリーの「Fire and Water」という名盤がデラックスエディション盤として再度リリースされたらしいのでポール・コゾフの「Back Street Crawler」と共にまたしても楽しめる一枚が増えたってもんだ。
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