Steve Howe - Not Necessarily Acoustic

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 ギタリストってのは元来目立ちたがり屋なもので、それは多分どんなバンドのギター弾きにでも云えることだと思う。その表現は色々あるので一概に云えないんだけど、多分そうだと思う。殊にロック系は絶対そうだと思うね。本当にギターの巧い人っていうのももちろんたくさんいて、個性豊かで音色も豊かなので面白いんだけどさ、プログレ界を代表して皆に巧いと言われたのはこの人、スティーヴ・ハウくらいなんじゃないだろうか?もちろん他にもいるんだけど、キース・エマーソンですら彼とはバンドを組みたかったと言わせるくらいなのだから。

Not Necessarily Acoustic Turbulence
 そんなスティーヴ・ハウが無謀にもたった一人でツアーに出たときのライブ音源を収録したライブ盤、だけど全然完璧なソロ作品として成り立っている、そして自分が普段余り聞かないイエスとは全く切り離された世界で一ギタリストとして非常に好きな作品がこの「Not Necessarily Acoustic」だ。ャケットはもちろんロジャー・ディーンで幻想的な世界が描かれていてCD時代の1994年にリリースされているけど、惜しげもなく見事なアートワークを見せてくれているのは嬉しいね。

 そして中身は1993年12月のライブを収録してて、ホントに一人だけでやっているので基本アコースティック。曲によってはバックに自分で録音したオケを流して、これもギター一本なんだけど、それをバックに多重演奏を聴かせてくれます。アコギメインで、エレキも使ってるけどフルアコなので歪んでいるワケじゃないから当然静かなる演奏。そして驚くことにイエスの「海洋地形学の物語」なんてのを9分間も独演している。故にボーカルもやってます。可もなく不可もなく、楽曲のラインは当然なぞっているのでハウ中心の曲だったんだなぁとつくづく思い知らされて、観客の盛り上がり方と言ったら凄いモノがある。それはもちろん「Roundabout」なんかもそうなんだけどさ。

 でもこのアルバムの真髄はやはりハウのフラメンコ、スパニッシュ、クラシック、フォーク、ジャズなど多様な弾き方で楽しませてくれる飽きの来ないギター演奏であって、もちろんイエス好きの人は聴くのかもしれないけど、個人的にはイエスよりこのアルバムの方が全然良い(笑)。凄いんだもん、やっぱり。ギター一本に近くてしかもアコースティック中心で一時間飽きないって凄いよ。そして聴いていれば聴いているほど音色とか指使いとかフレーズとかが気になる。

 モントルーのライブビデオってのがあって、それを見たことがあるんだけどさ、もうとんでもないワケよ。うわぁ~、こんな風に弾いてるんだ…、でも指は5本だよな?みたいな(笑)。いや、楽しめる作品で、ギタリスト向けのマニアックな作品で、何でイエスなんてやってるんだろうと不思議に思う作品でした。ん?廃盤?勿体ないねぇ…。

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フレ
Posted byフレ

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