H.S.A.S. - Through the Fire

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Through the Fire

 ヴァン・ヘイレン二代目のボーカリストとして迎えられたサミー・ヘイガーは今やそれで有名なのだろうが、もともとはモントローズのボーカリストとして1973年頃からシーンに登場してきた強者、75年にはモントローズを脱退してソロ活動に移るが、そこから結構地道に歌って名を売り始めていたのだ。80年代に入ってからはサントラで名前を見かけることも多くなってきて、どれもこれもスカッとしたアメリカンハードロックサウンドで何のクセもなくハイトーンボイスで実に気持ちの良い歌と音を聴かせてくれる人、だったのだが、同じく当時アメリカでヒットを放ちハードロックと産業ロックの橋を掛けていたジャーニーのニール・ショーンと意気投合して放った作品がこれ。

 1984年リリースのセッションアルバム「Through the Fire」で、歌はサミー・ヘイガー、ギターにニール・ショーン、ドラムはニール・ショーンがサンタナと一緒にやってた関係からのマイケル・シュリーブっつう人、ベースは元々はデリンジャーにいた、そしてサミーと一緒にやっていたことからのケニー・アーロンソンっつうメンツで、まぁ、ゲフィンの差し金ではあるけれど、大いに名盤として語られる域にあるアルバム。何でもジャーニーの活動休止中でのプロジェクトだったので一年程度でアルバム制作及びライブ活動というもので、そもそもこのアルバムも1983年のクリスマスチャリティでのライブ一発録音がベースになっているらしい。とてもそうは聞こえないくらい完璧なのでさすがにプロミュージシャンの集まりというところかね。

 いやぁ、一曲目からもう快活で心地良いアメリカンロックで正にサミー・ヘイガーの本領発揮。それこそサントラに入っていても納得の爽やかさだし、続いてはニール・ショーンの味が出ているのか名作という雰囲気でメジャーになりすぎないで心に残るメロディを奏でてくれる作品…、そしてあらゆる箇所でニール・ショーンのギターのオーケストレーションっつうか分厚い音の壁によるサウンドの広がりはさすがにアメリカンロックを支えている人なだけある。テクニックも申し分ないのでやはり心地良いね。歌のサビもしっかりと売れるようにフックの効いた展開だし、ギターソロもばっちりハマっているし、単純にかっこよい。それはアルバム全編を通して云えることで、単なるセッションアルバム以上の出来上がりでそれこそパーマネントで活動していればもっと売れただろうに。

 そこにヴァン・ヘイレン加入の依頼が来てしまうんだな。まぁ、ニール・ショーンもそれは止められなかっただろうし、誰もが当時のヴァン・ヘイレンに行くべきだ、と考えるもんね。その後のサミー・ヘイガーの快進撃はご存じの通り。そして個人的には全然聴かなくなった頃(笑)。

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フレ
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