Sinead O'conner - The Lion and the Cobra

2 Comments
 アイルランドからも衝撃の、と言うか真の意味で革命的な女性が一人世間を騒がせた、というかアメリカを脅かしたとも云えるが、過激な姿勢で全盛期を生き抜いた女性がシニード・オコナーだろう。普通に見ているだけではアタマを坊主にした変わったアーティスト、くらいのモンだけど、ちょっと歌詞の中身に目を通してみるとそこには非常に過激に、そして赤裸々な歌詞が描かれている。こういう部分ってのは日本人には弱いところで、自分的にも弱いところなのでその面白さに気付くのに時間がかかるのが残念。

The Lion and the Cobra I Do Not Want What I Haven't Got

 1987年リリースのファーストアルバム「The Lion and the Cobra」で、一般的にはこの後のセカンドアルバム「I Do Not Want What I Haven't Got」の方が有名だろうけど、何となくファーストの方がインパクトあって良かったんだもん。音だけで聴いてはいけないので、そのアジテーションとか知って聴いた方が面白い。…っつってもまぁ、どうしても音を聴くのでしょうがないんだけど、シニードの声を聴いているだけでも非常に透き通った、そして意思の強靱さが表れ出ていることだろう。激しさの中にもどこか冷静な部分があって、そして元がアイルランドなので旋律や寒さってのはしっかりとメロディに表れているしね。

 とは言っても当時この良さがわかって聴いていたワケじゃないし、どちらかと言えばあまり聴かなかった。これぞロック、っていう感じの音じゃなかったし、かと言ってポップスというように軽く聴ける音楽でもなかったから手に取ってみることは少なかったんだよね。ただアイルランドとか女性ボーカルものとか、彼女の歴史、みたいなのが何となく情報として入ってくるようになる度にへぇ~って聴いてみたりしていて、だんだんと彼女のスタンスっつうのがわかり始めて来たってのが真相。

 セカンドアルバム「I Do Not Want What I Haven't Got」ではプリンス作の「Nothing Compares 2 U」を歌い大ヒットを記録しているけど、とてもこれがプリンスの曲だとは思えないくらいのシニード・オコナー調に歌われたバラードで最早聖歌と呼んでも良いくらいの出来映えに驚く。もともとプリンス好きの彼女にしてみると願ったりのシングルらしいが、それでもここまで歌えたら素晴らしい。プリンスも相当気に入ったんじゃないだろうか。ただここまで暗いとどうかとは思うが(笑)。

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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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オダ  

シンニード・オコナーは好きでよく聴いていました。

活動が過激になってしまうのは、やはり根が真面目なんでしょうか。
U2といい、アイルランドの歴史とかがそうさせるのか。
ビジネスとしてはわざわざ売れなくなるようなトラブルを抱え込まなくてもいいのだが、あえて信念を通そうとしてしまう。
そういう姿勢も好きなんですよね。

一時引退宣言してたのに、2005年にはレゲエのカバー・アルバムで活動再開してきたのには驚きました。

2008/02/17 (Sun) 23:15 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>オダさん

アイルランドの歴史でしょうか、気質でしょうか、そういうアイルランドの熱い魂が好きなんですけどね。多分、すごくロックなんです、損することを知っててもやっちゃうってのが。
引退宣言撤回もこれまたらしい、っつうか…。ゲール語のアルバムは聴きましたね。

2008/02/17 (Sun) 23:49 | EDIT | REPLY |   

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