Cream - Reunion Live
気になりながらもなかなかDVD
クリームの全盛期については今更書くこともないんだけど60年代終盤になって正にロックが多様化する時代に突入した頃にジャズとブルースをロックが包み込んだバンドとして名を馳せた時期が最高。初期はかなりポップなサウンドをプレイしており、それほどバトルが繰り広げられていたわけでもないので、ファーストアルバム「Fresh Cream」やサイケ調で有名な「Disraeli Gears」などを聴いているだけでは絶対のクリームの凄さは分からないんだな、これが。で、「Wheels of Fire」を聴いて初めて「何だこれは?」ってなるんだけど、このアルバムによってクリームのライブによる指向性とか音楽性ってのがしっかりと明示されたおかげで一般的ロックファンにもクリームってのはとにかくアドリブ合戦でそれぞれがバトルを繰り広げる凄いバンドなんだ、と認識されたようだ。スタジオ盤ばかり聴いていると決してそんな風評は広がらないハズ。その後その凄さを裏付けるように「Live Cream 1」「Live Cream 2」や「Goodbye Cream」なんかもライブ盤でリリースされたワケだ。
で、1966年から1968年で活動を終えてしまったクリームはメンバーの仲の悪さが手伝ってメンバーが全員生きていながらなかなか再結成には至らなかったみたいだけど、一度1993年にクリームが「ロックンロール・ホール・オブ・フェイム」でロックの殿堂入りした際に三人が集まって演奏している。この時もかなり話題になったんだけどね。それから更に10数年後の2005年になって再度結集して今度は簡単なツアーを行うと発表したワケだ。ロイヤルアルバートホールでの演奏ってことは、クリーム最後の公演と同じ場所から始めるってことで、なかなか憎い演出。
んでもって今回の再結成ライブで、まあお爺さん方々が演奏を始めるんだけど、やっぱり懐メロ以外の何者でもない、ってのが正直な感想。それなりにアドリブもやってて、いや、それなりどころか流石にプロフェッショナルっていう演奏。そしてクリームの名曲群ながらも、そこにはロックはない。しょうがないか…。こじんまりと上手くまとめ上げられた演奏者がいるだけ、みたいな感じ。まあ昔のような熱い演奏を求めていたワケでもないけど、ジャズの人って年老いてもガンガンにバトルしてるじゃない?そうはならないんだよね。最後にジンジャー・ベイカーが「Toad」を叩きまくる終わり方するなら、そういう体力あるなら、サイズをコンパクトにして熱いバトルをもっと聴かせて欲しかったなと云う贅沢な要望。見れただけでも幸せって云えばそれまでか。
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