The Pogues - Red Roses for Me

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 「赤い薔薇を僕に (Red Roses for Me)」。良いタイトルだね。でも「For Me」ってのがどこかおかしい(笑)。そう、1984年にデビューしたアイルランドの酔いどれ天使率いるポーグスの最初のアルバム。今ではリマスタリングされて更にボーナストラックが山のように追加された全19曲バージョンが出ているので心の底まで楽しめるってもんだ。

Red Roses for Me Rum Sodomy & the Lash

 普通にロックを聴いているうちは遭遇することのないバンドかもしれないな。パンクっていうには遅すぎるし、ニューウェイブっていうには音楽性が個性的すぎてジャンルで括れないし、かといって当然ながら80年代ポップスじゃないし。しかもアイルランドの民謡をベースにロック的に、というのかハチャメチャに明るく、そしてスタイル的にはロックで=パンクの勢いを持って本当に音を楽しんでいる姿をそのまま自分達のイメージにしているバンド。

 ちなみにこのファーストアルバム「Red Roses for Me」ではエレクトリック楽器ってのはベースくらいしかプレイされていないんじゃないか?ギターもアコギだし、後はバンジョーやら笛やらもちろんドラム、フィドル、マンドリンとかもあるかもしれない…、いやぁ、だから基本的にトラッドを演奏するバンドで、フェアポート・コンヴェンションと同じくトラッドをロック風に、というパターンでトラッドをパンク風に、そして明るく楽しく、っていう要素を加えて出来上がっているんだもん。アルバムの最初からかっ飛ばしてってひたすら脳天気に演奏される楽曲の数々、どれもこれもが勢い満載でかっちょ良い。多分後にも先にもこのバンドみたいなのはこのバンドだけだろうね。はちゃめちゃなお祭り騒ぎの中に一本筋の通ったスタイルが走っている、そしてラブソングなんていうものは皆無で、酒や夢なんてのをひたすら歌っている…そういうところの儚さや切なさってのもアイルランドの面白いところ。骨太な硬派主義なんだよね。

 この後色々作品を出していくんだけど次のアルバム「Rum Sodomy & the Lash」まではまだこの路線、その後の名盤「If I Should Fall from Grace with God」からエレクトリックというかロック的に羽ばたいていく感じで、名作。ジョー・ストラマーのプロデュースしたアルバム「Hell's Ditch」も凄く好きで、正にジョーの作品って感じだし。でも原点のファーストアルバム「Red Roses for Me」はダイヤの原石のように…というか「赤い薔薇」のように輝いている作品だね。

 そういえば昨年かそこらにボーカルのシェインが復帰して再結成、そして日本にも来てライブをやっていったらしい。その時も酔いまくっていて相変わらずのバカっぷりだったらしい(笑)。

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フレ
Posted byフレ

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るい  
こんばんは

知人にPOGUESのライブDVDを借りて、新しい扉を開いたような、素敵な出会いに感動していた所です。
ブログにも書かれていたとおり、私もロックばかり聴いていたので勧められていなかったら出会えなかったと思います。

こちらのブログは私にとっての教科書みたいなもので、もしかしてPOGUESものってるかな〜?と思ったらのってて嬉しくて書き込みしました。
これからも色々知識を深めてロック好きの行き着く先まで行きたいなと思います!

2015/04/12 (Sun) 21:13 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>るいさん

ポーグスって多分今まであまり聴いたことのない類のロックだと思うんで、面白いんじゃないかな〜。自分的にはそんなのもあってちょくちょく聴いてるバンドです。アイルランドの空気とパンクの雰囲気だけど、でもロック、みたいなね。いろいろな音楽に出会って楽しめれば嬉しいです♪

2015/04/19 (Sun) 19:19 | EDIT | REPLY |   

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