Michael Bloomfield - The Live Adventures of
3 Comments

ホワイトブルースの第一人者、ポール・バターフィールドとマイケル・ブルームフィールドのアバンチュールはどういうワケか数年程度しか続かず、二人は袂を分かっている。アルバム二枚しかないが、その間には実は数多くのセッションを二人揃って行っている事もあって、結構積極的に動いていた故にか、その寿命を縮めてしまったのか。マイケル・ブルームフィールドがブルースギタリストとして最も輝いていた時のライブの産物が歴史的名盤として残されているのは実に幸いなことだ。
もうジャケット見ただけで「あぁ、あれか…」と言わんばかりの輩も多いはず、であってほしい「フィルモアの奇蹟」。アルバム「Super Session」で一躍スーパースターになってしまったマイケル・ブルームフィールドを上手く担ぎ出してライブを実現させてしまおうという目論見か、はたまた歴史的イベントか…。結果マイケルは三日間の強行スケジュールをこなせなくて体調不良を起こしてアルバムのセッションにも参加できなかったという経緯があり、おかげでデビュー前のカルロス・サンタナが参加したり、バターフィールド・バンドの同僚でもあったエルヴィン・ビショップが助け船を出したりして成り立ったライブ。そういうのあり?と思うけど、現実的にフィルモアはそういうトコロだったから凄い。全く予定されてない人達が即席でステージに立ってライブやっちゃう、って。曲知ってるのかよ、ほんとに、と思うが、別にバンドの一体感は関係ないし、個々のテクもあると言っても、そんな短期間で出来るもんなのかね。
それはともかく、少なくともマイケル参加のライブは正直言って「これぞマイケル・ブルームフィールド!」と言わんばかりに情緒溢れるフレージングのオンパレードで、一発で分かる。次のフレーズを覚えてるワケじゃなくて読める。ああこう来るだろうなぁ、って。それがまた華麗に来るのでハマる。ちなみにここでの選曲はカバー曲ばかりで残念ながらアルバム「Super Session」での曲はやってないのは残念。もともとあれも即興セッションライブだから良いけど、拡張したライブだとどうなるのかなと興味津々だったから。慣れない人には少々ダラけててかったるい感じがするかも知れないが、時代が時代だからしょうがないだろう。こういうのにも慣れてみると面白いの出て来るかな。
ここで聴けるプレイは正にホワイトブルースのプレイで、黒人のそれとはやはり一線を画すものだ。マイケルは多分レスポールを使っていると思うけど、レスポールの音色もこの人のこの時代はかなり特殊、と言うか本来のギターの音色をちょっと太くしたような音でハードロックのそれとは大きく異なるレスポールらしい音で、凄く艶っぽい。このいやらしさが良い。しかしこのアルバムこそ完全版リリースされないかな。
- 関連記事
-
- Michael Bloomfield - Live At Bill Graham's Fillmore West
- Michael Bloomfield - The Live Adventures of
- Michael Bloomfield - Blues Gospel & Ragtime Guitar Instrumentals