Led Zeppelin - The Song Remains The Same

![レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51fWUDzsuML._SL160_.jpg)
てなことで遂にリリースされた映画のサントラ、である「永遠の詩(狂熱のライヴ)」の最強盤だ。レコードを聴いて、この映画のビデオを見ていた時代からこの二つの音を組み合わせていけばもうちょっと長々とライブ全編を聴けるんじゃないかという編集欲に駆られていたこともあったのだが、当時は「Misty Mountain Hop」がなかったのでここから「貴方を愛し続けて」への強引なギターソロへの繋ぎが実現できないだろうってことで編集を諦めてビデオはビデオ、レコードはレコードで聴いてた。聴いていると面白いことにそれぞれ被る曲でも編集が違ったり演奏が違ったりして何か不思議な気分になったものだが、まぁ、映画は映画、音は音、と割り切ってるんだろうなと。しかしこのビデオはよく見たなぁ。今回DVD「レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ スペシャル・エディション」でもリマスタリングされてリリースされたのでまたじっくり見るんだろうけど、ライブシーンはほんとに食い入るように画面を見ていたし、ギターのフレーズひとつひとつポジションを確認して、あの辺で弾いているんだ?とかよく見てたなぁ。おかげで先ほどの「貴方を愛し続けて」は割と色々なパートがコピーできて楽しかったモン。
それで今回のCDなんだけど、やっぱり曲が増えて当時のライブセットに近い状況になるってのは良いなぁ。ディスク1最後の「Ocean」をディスク2を聞き終えた後の最後に聞けばほぼライブ完全で聴ける。いや、もちろん細かく言えば足りないんだけどまぁ、十分じゃないですか。音は迫力満点に仕上がっているし、全ての音がシャキっと前に出ているのでレコード時代のようにどこか迫力に欠けるっていんじゃなくって荒々しさが前に出てきていて、ライブ感がある。そして改めて聴いてみると演奏だってかなり凄いしさ。こんなに良いライブの部類だっけ、これ?って思った。1973年7月27日から29日の三日間のライブを元にしてつぎはぎに編集しているんだけど、まぁ、これだけ音が良くなるとあちこちでつぎはぎにしているなっていうのが余計にわかってしまうのでそれもまた哀しいけど、良かれと思ってやっていることだろうから素直に認めることとしよう。こういった部分に納得出来ない人は別の世界が待っているワケだから(笑)。
ボンゾの荒々しいドラミング、ジミー・ペイジのクールでハデに弾きまくるギタープレイ、ジョンジーのツボを得たベース、プラントの新たな歌い方を習得した雄叫び、どれもこれもがレッド・ツェッペリンという融合体を表していて、やっぱり今に至るまでどのバンドもこれを超えられないってのがよくわかった。
やっぱ凄い。
「ロックンロール」から「「貴方を愛し続けて」までの前半はギタープレイの調子を上げながらプレイしていき、プラントも自身の歌声を調整している。そして「No Quater」になるとその調子を思い切り発散する世界に突入。この幻想的な空間はどんなバンドにもできないものだ。ライブ盤の魅力はこの曲の長さにもあるんだけど、後半でペイジがテルミンに向かって手を向けるシーンとディレイのかかったその音の幻想に浸れるシーンが最高。ギターソロにしたって普通のスケールで弾いているものじゃないし、それがまた深みを出している。素晴らしい。長いからという理由で聴かない人も多いだろうけど、この曲の美しさは最後まで聴き終えてみないとわかんないだろうなぁ。そしてダブルネックを持ち込んでの二曲「永遠の詩」「レイン・ソング」。この二つのハードさと幻想感も魅力的で、果たしてどうやって弾いているのか「永遠の詩」のギターオブリプレイなどは感動のみ。「レイン・ソング」の美しさもペイジならではの巧さ…、同じギターでここまで違う音が出るのかと思うような素晴らしい美しさ。
そしてディスク2に進むとアナログ時代には片面全てを埋めていた「幻惑されて」だが、これこそ聴きもの。ありあらゆる箇所に於いてツェッペリンというバンドの集大成を集約している素晴らしい曲だ。ライブならではのアドリブプレイは炸裂しまくるし、もちろん弓弾きによる不思議な音を楽しむこともあるし、何よりもプラントとの掛け合いは魅力的だ。そしてペイジの激しくアグレッシブなギタープレイ。聞き終えた後はどっと疲れる、それくらいのエネルギーをぶつけてくる魂の音。最高だね。
そして永遠の名曲「天国への階段」。もはや語ることは何もないよなぁ、これはホントに。涙あるのみ♪ ライブの終盤になって今度はボンゾの出番か。しかし実はボンゾのドラムソロのための曲とは云え、リフにしても素晴らしいものを採用しているし、結構ギタープレイも難しかったりする曲で、安直に捨ててはいけない曲なのだ。映像ではかなり短縮されているがCDでは結構長目の編集なのでトクと楽しめるってもんだ。ドラムって楽器を見直すんじゃないか、これ聴くと。そして「Heartbreaker」から「胸いっぱいの愛を」か。リフのかっこよさはもちろん、ハードなロックとバンドの一体感、生のライブ感、どれもが素晴らしく集約されている名曲群。う~ん、最高としか云えんな(笑)。
そしてこの後にディスク1の「The Ocean」を聴くのだ。うん。アンコール後のボーナス曲って感じでね。オープニングのボンゾのかけ声やコーラスが余興っぽくていいんだよね。ちなみに7月29日のアメリカツアー最終日でもあった公演では最後の最後に「Thank You」を演奏していたので、その「Thank You」を収録してほしかったなぁと思うのだが、まぁ、しょうがないか。
CD入手して早速iTunesに入れて、上記に曲順を並べ直して聴くのだがやっぱりでかいシステムでスピーカーで聴きたい音だ。ライブ盤だから余計にその方が良いし、ボンゾの重さはやはり耳で聴くのでなくってカラダで体感するモンだしさ。あぁ、まだまだこういうのでロックを楽しめるのは幸せだぁ~。DVDもしっかりと見直さないとな。ボーナストラックに収録されていた映像は見たけどどうせなら曲順に編集しなおしてくれればよかったのにと思うばかり。いや、映画だからそりゃ無理なんだけどさ、ライブ映像という位置付けではありだったんだしさ。近年色々とリリースされているけど、やっぱり往年のカタログがこうやって甦る方が嬉しいよね。もっともっと発掘して色々と届けて欲しい気持ちと両方あるけど、しばらくはこのCDとDVDでたっぷりと楽しめるってもんだ。
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