The Jam - Setting Sons



英国パンクの波に乗って出てきたバンドの中にザ・ジャムというのがある。まぁ、別に説明せんでもいいんだろうが…。The Whoの流れでThe Jamなワケで、パンクとはそれほど意識することもなく出てきていたのか、たまたまポリシー的に同じだったから時代的に受けたのか、いずれにしてもシーンに出てきて成長して行くに従って音楽的幅の広がりを見せてくれたバンドでもあった。それは単にポール・ウェラーの趣味によるトコロが大きいのだが。
さて1979年にパンクの大物達があれこれと問題作をリリースする中、ある種早々に成熟仕切ってしまったザ・ジャムというバンドの円熟期のアルバムとなる「Setting Sons」。ファンの間でもこのアルバムかその前の「All Mod Cons」かが名盤と言われていることが多いようだ。自分的にはファースト「In the City」なんだけど、まぁ、それは置いといて(笑)。
確かに成熟しているというかゆとりすら感じさせる程のアルバムの出来映えで初っ端からThe Jam的ビートとコーラスによって聴くモノを惹き付けてくれるアルバム。でも、今になって聴くとちょっと若いかなぁという気がする。もちろんこのアルバムが作られた時ポール・ウェラー21歳くらいっつうからしょうがないけど、深みがちと足りない。うん、今改めて聴くと、だけど。小手先の部分では凄く凝っていることもしていたりトータルアルバム的に聴かせたりしてくれるんだけど、ちょっと子供だまし的な面もある…。何だろ?多分自分が年を重ねてしまったせい。作風的には悪くない。英国の王道の先輩諸氏のアルバム従ってThe Jamのビートもきっちりと出しながらの作品だから。
でも、なんだかんだ言っても凄く英国らしいバンドだよね。このアルバムも裏ジャケなんて凄く英国的だしさ、音も軽快な英国ビートで…うん、思い入れがあんまりないだけにじっくり聴かなくなった作品かもしれない。好きな人は好きだろうなぁと思う。最後の最後に「Heatwave」のカバーが入っていて、これが妙に浮いている。なんだかんだとこのアルバム全ての曲がこのカバー曲に勝ててないのかな。ま、でも「Smithers-Jones」のストリングスアレンジによるロックは好きだけどね。
同時代のバンドはクラッシュが「London Calling」、ストラングラーズが「The Raven」、ダムドが「The Black Album」だからなぁ…。
- 関連記事
-
- The Jam - In the City
- The Jam - Setting Sons
- The Jam - Extras