Steve Vai - G3

ザッパバンドからは数多くのテクニシャンが巣立っていったけど、中でもロック畑の人間にとって一番有名なのはスティーブ・ヴァイだろう。そもそもザッパのワケの分からない旋律や音を採譜する役目を担って、当初から変態度が高い育ち方をしていたらしい。その後の彼の作品にももちろんそれが顕著に現れている…とは言ってもモロっていうのはそこまでは無いか。
ロック畑にその存在がクローズアップされたのはアルカトラスのセカンドアルバムからで、レインボウのグラハム・ボネットが結成したこのバンドは当初から話題満点でシーンに登場し、前任ギタリストは恐るべし速弾きプレイヤーとして名を馳せたイングヴェイ・マルムスティーン。ファーストアルバムリリース後のツアーをこなした後、早々に脱退してしまい、後任ギタリストに注目が集まっていた中でヴァイが任命されて、いきなりの重役を担うことになる、ってのが一般の見方だった。ところが、実はそんなことを全く感じさせる必要のないくらいにテクニック、センスとも素晴らしいギタリストで見事に実力を発揮している。アルバムセールス的にはいまひとつだったみたいだけど、インギーの穴を埋める程度の事は簡単にやってのけていたのは非常に驚いたし、且つそれ以上の変態さをしっかりと当時のヘヴィー・メタルシーンに於いてアピールしていた。さすが、ザッパ大学出身なだけある。
しかしアルカトラスもその後パッとすることなくスティーブ・ヴァイの名前だけが印象に残った感が強かったけど、しばらくすると衝撃的なニュースが届くことになる。アルバム「1984」で大ヒットを放ったヴァン・ヘイレンから最強のエンテーティナーフロントマンだったデヴィッド・リー・ロスが脱退するという事件だ。そっちはそっちで次のボーカリストは誰だ、なんてのが話題になってて、結局アメリカンロックの象徴ともいえるサミー・ヘイガーが加入して賛否両論を醸し出した。一方のデイヴは早々にソロアルバムをリリースすることになり、その時に集められたメンバーが超豪華に彩られていて、ギタリストにスティーブ・ヴァイが参加し、ベースはビリー・シーンが務めるという、正に変態たちが脇を固める素晴らしい光景。そこでリリースされたデイヴのソロアルバム「Eat'em and Smile」はミニアルバムながらもサウンド的にはものすごくユニークなものとなり、ヴァイも変態プレイの本領発揮。ギターがしゃべっているように聞こえるサウンドなんてのは当時驚いたものだ。しかも楽曲が滅茶苦茶明るいロックンロールばかりで正にアメリカンエンテーティンメントといった傑作で、テクニシャンならではのゆとりのある音作りになっていた。この頃のスティーブ・ヴァイの姿で印象深いのはハート型のトリプルネックギターでしょう。一体どうやって弾くんかいな?って思ってたけど、映像を見たらなるほど、さすが変態ギタリストなだけあって、しっかりと使いこなしている。
この後も7弦ギターを開発し、第一人者として作品にも反映したりしていたがそういえば一時期ホワイトスネイクにも参加していたみたい。ソロ作品はデモテープから作られたものからコンセプトアルバム的なものまでありとあらゆることを実験しているけど、マニア向けかな。最近ではG3
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