Howlin' Wolf - The Howlin' Wolf Album (1969):

0 Comments
B004O9G9RG

 ブルースには実に色々なスタイルがある。一言では到底語りきれない世界だし、スタイルもプレイも音も捉え方も間口が広いし懐は深い。そんな中で、いつまでも大御所として語られ、ある意味ではこの人達を聴かなければブルースを聴いたとは言えない。ましてやロック側から入った人からはマディ・ウォーターズやハウリン・ウルフは超標準だ。普通にアナログ時代から入っている人間のスタンダードなブルースアルバムは例えばハウリン・ウルフなら「モーニン・イン・ザ・ムーンライト」や「Howlin Wolf」、マディ・ウォーターズなら「ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ」や「At Newport 1960」だ。今の時代だとCDやDLで手に入るから幻のアルバムやあり得ない作品、ロックに対抗して出したアルバム、本来ならカタログから抹消されるアルバムまで簡単に手に入るから恐ろしい。

 1969年にリリースされたHowlin' Wolfの異質作品「The Howlin' Wolf Album」。Howlin' Wolfの名はストーンズが騒ぎ出した頃だから60年代中後半に知られていった。一方では本家本元のマディ・ウォーターズやハウリン・ウルフがロックに対抗したアルバムをリリースしたのも面白い。対抗なのか売るためか、小僧たちに負けてたまるか、ブルースからロックはこうやるんだと教える意味か、相当の異質作は間違いない。アルバムのジャケットで「このアルバムは嫌いだ」と宣言しているくらい。ただ、ロック側からしたらこれほど素晴らしい回答例もなかったと思う。「The Howlin' Wolf Album」がリリースされた時のロックミュージシャンの受けた印象を聞いてみたい。

 「The Howlin' Wolf Album」はHowlin' Wolfの作品だが、アレンジが全て物凄くぎごちないロック。本物のブルースメンがロックをやるとこうなる好例。やってる曲はブルースの名曲オンパレードで、Howlin' Wolfも馴染みのある曲ばかり。それをドラムとベースを入れて重くギターを弾くスタイルで、違いはギターソロの派手さがないくらい。ただ、それでもHowlin' Wolfは不器用でゴツゴツした人と分かる。ホントに骨っぽい音と歌になってる。これはロックの連中も出来ないと思っただろう。ただ、ロックのフィールドから見たらロックさが全然ないアルバム。物凄く中途半端なアルバムにだけど、歴史的価値の高いアルバム。

 あり得ないけど、ロック側の誰かが参加してたら、60年代末期のブルースロック名盤になただろう。あまりにも本物のゴツゴツさ加減が聞く人を選んでいる。最初にHowlin’ Wolfを聴く作品に選んではダメだ。サイケデリックスタイルなブルースの回答なので、大して面白味はなく異質さが楽しめるだけ。音のイメージはかなりアチコチに広がっているだけど、ファンカデリックが近いか。しかし凄いアルバム。





US_blacks
関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply