Soft Machine - Third (1970):

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 どこか冷淡で複雑なサウンドを適当に流して聴くのはなかなか出来ない。大体そういう音楽は流して聴くには非常に不快なサウンドだろうし、その手の音楽は割とじっくりと聴く時間が必要になる。ここのところの自分の時間の無さを考えるとどうしてもその手のサウンドから遠ざかってしまう。家でじっくりと聴くので余計にだ。頭の中では聴きたいと思っていて、チャンスを伺っているが。

 ソフト・マシーンの1970年リリースの「Third」。ソフトマシーンはどれも好きなアルバムばかりで聴けば聴くほどにハマリ込んでいくのでどれを聴くかと思ったけど、ゆっくりとハマり込みたかったので「Third」。アルバムはアナログ時代にはメンバー4人が片面づつ曲を受け持つので2枚組全4曲入りの構想。何で一人一曲でアルバム片面を埋めるのか、完全にジャズロックに傾倒していた時代だから故の発想だが、その分当時はC面に収録されたロバート・ワイアットの「Moon In June」の美しさにほっとした。ちなみにこの時にメンバー編成はマイク・ラトリッジ、ヒュー・ホッパー、ロバート・ワイアットの三人にエルトン・ディーン他が加わった面子で、その他もバイオリン、フルート、サックス、トロンボーン、クラリネットだからそりゃヘンだ。

 普通に聴けばジャズを聴いている感覚だが、そこは何故かロックだったりする。一生懸命ジャズをやってるが。オープニングの静かな始まりからメインテーマが出てきていわゆるジャズと同じような感じでテーマから派生する即興音楽がメンバーの力量を示してくれるし、緊張感もたっぷりと出しながらバランスよくぶつかりあって展開されていくスタイルの曲で、いわゆるプログレの世界ではない。中でも圧倒的に曲を引っ張っているのはヒュー・ホッパーのベース。ワイアットのドラミングも格段にスケールアップしているけど、ヒュー・ホッパーのベースがこんなに自己主張してていいのかくらいに存在感たっぷりで面白い。

 そしてワイアットの「Moon In June」で初めて歌が聞こえてくる。それが凄く優しくて、後のマッチングモールへと繋がる味わい。それでも楽曲的には正にカンタベリー的サウンドの象徴で、浮游感のあるポップなメロディに複雑なバックの演奏とアレンジが絡み付く。最初の歌パートが終わってからはそのメロディの流れを汲んだ即興演奏が繰り広げられるから面白い。この路線でバンド一個出来るだろう。歌メロも即興音楽のひとつの楽器として認識してメインパートを受け持つ感覚で不思議。だから同じ歌メロが非常に少ない。そんな曲よく作れたと思うけど、このバンドはその辺の感覚がおかしい人達だろう。

 ソフトマシーンは根強い人気があるが、もの凄い数のライブアルバムが続々とリリースされて、ほとんど追いつけていない。時期的に区切って聴けば良いけどなかなか全部制覇できない。「Third」の頃では詳細データ不明だけど「グライズ」「バックワーズ」「Noisette」「Live at the Proms 1970」あたりが出ている。





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Posted byフレ

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