Ten Years After - Ssssh (1969):

2 Comments
B0001YFP8M

 1969年ウッドストックに出演して一躍ヒーローの座を獲得した若き英雄アルヴィン・リー。もちろんそれ以前にアルバムデビューしており、ファーストアルバム「Ten Years After」ではまだサイケデリックな雰囲気も残したサウンドだったが、セカンドアルバム「Undead」ではいきなりライブアルバムとしてリリースし、「I'm Going Home」を収録している事で有名。まだサイケデリック的な印象を残したままではあるが、ジャジーに展開する秀作。その後「Stonedhenge」も1969年にリリースして、かなりブルースロックの原点の良い作品。

 ウッドストックが宣伝となったアルバム「Ssssh」はウッドストック後にリリースされ、ロック名盤一覧には必ず挙がるくらい定番化された傑作。初っ端の「Bad Scene」から意表を突く曲展開が繰り広げられ、バンドの一体感と曲のアグレッシヴさが目立つ入魂の一曲。ともすれば単なるキワモノバンド扱いされてもおかしくない曲ではあるが、フォーカスみたいなおちゃらけさではないと認識されているのでマシではある。その分ギターソロが滅茶苦茶カッコ良い。ブルース一辺倒でもなくメロディをなぞっている部分もあって円やかに弾かれている。そしてバックのオルガンとベースとドラムとの一体感が熱くて素晴らしい。燃えてくる。その分二曲目はアコースティックに展開した曲で、なかなか趣がある小曲。「Stoned Woman」はリフ一発で時代の産物か、もちろんギター弾きまくりなので悪くない。そして入魂の一曲「Good Morning Little Scoolgirl」。ヤードバーズもカバーしていた有名曲だが、圧倒的にTYAのこのバージョンの方がカッコ良いし、演奏力も違う。クラプトンを向こうに回してそれは言い過ぎかもしれないが、そう思えるプレイぶりだからしょうがない。アレンジ力の差だろうけど、それよりもアルヴィン・リーの技量の凄さが全面に出せているのが強くて、ここでのギタープレイこそがブルースロックのお手本みたいな面も大きい。静と動、バンドとのバランス、心地良いところでリフレインに戻るなどZep好きの自分にはツボにハマる。

 以降はアルバムB面で、A面ほどのアグレッシヴさがなく少々テンションダウン。悪くないけど実験的な面が大きいのでちょっと求めてるのと違う。しかし、最後の「夜明けのない朝」はもう王道ブルースロックで、カッコ良いです。リフはともかくギターのフレージングや歌の絡みやハモンドもひっくるめてTYAの最高作の最後を飾るに相応しい曲。スタンダードなところで期待するフレージングが必ず出てくる裏切られない曲だから余計に良い英国ブルースロックの象徴。

 この人達はライブに尽きる。「Live at the Fillmore East」とウッドストックから半年後のライブ盤がリリースされていて、これがかなり熱くてよろしいライブです。「Recorded Live」だとちょっと大人しいから70年前後が良い。





UKbluesrock
関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 2

There are no comments yet.
Zitada  

初めて聴いた「Good Morning Little Scoolgirl」はTYAの方だったのでそのあとヤードバーズの方を期待して聴くと「ん?んんんん?」となってしまいました

2023/09/25 (Mon) 20:34 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>Zitadaさん

自分は逆でしたねぇ…、これ同じ曲?って(笑)。

2023/10/17 (Tue) 00:01 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply