Humble Pie - Eat It (1973):
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ダミ声での縦ノリ、そしてコミカルで本物嗜好、そんなバンドが70年代前半の英国にはいくつも現れてきて、今でも語られるバンドも数多い。その中でも60年代から活躍して今でも白人ソウルシンガーとしての異名を持つスティーブ・マリオット。スティーブ・ウィンウッドも似たような異名を持つが、贔屓目に見てもこの二人くらいしかソウル声を持つ英国人はいないだろうと。女性だと最近でも結構出てるけど。アデルとかジョス・ストーンとかエイミー・ワインハウスもだ。男性ではなかなか出てきてない、と思う。ダミ声かと思って手に取ったのがHumble Pieで、しかも1973年の名盤と言われる「イート・イット」。アナログ時代には2枚組で、それぞれの面に音楽的特性を持たせた集大成とも言える作品。明らかにハンブル・パイの何枚かある傑作のウチの一枚だ。
冒頭からして思いきりハードロック、そしてソウルハードロック。ブラックベリーズのコーラスが気持ち良く入ってきて、これまでのウチで聴いたことのないヘヴィーなロックともソウルとも言えないサウンドを聴くことが出来る。それはアルバム「イート・イット」全体に波及していて、スティーブ・マリオットがロックから始まってソウルに傾倒している、そして独特の歌声を持って出てくるロックな魂をソウルな心を借りて出てくるサウンド、こんなの聴いてノックアウトされなきゃそりゃヘンでしょ。カテゴリとかジャンルはどうでも良くて、とにかくハートに来る一枚。多分テクニカルな面や歌、コーラスとか色々と修飾する言葉はあるだろうけど、聴いてとにかく心が揺れる。
クレム・クレムソンは良いギター弾くし、Bakerlooの若者ギタリストは伊達ではなかった。もうちょっと重いギターでも良かったけど、スティーブ・マリオットもレスポールだししょうがないか。これだけの傑作をリリースしながら次作「サンダーボックス」ではかなり失速したのは何故?前作「Smokin」は名作の域なのに、この路線は当時メンバーには理解されなかったのかな。それで売れてしまったからメンバーがスティーブ・マリオットに従う形になったのかもしれない。その先見の明は間違っていなかったが、天才と凡人が一緒になるとままあるお話。いや、実は昔はハンブル・パイの凄さや面白さが分からなかった。黒い系のがダメだったし、バックコーラス入るのは問題外だったし。だからあまりロックの知識的にハンブル・パイに詳しくない。ただ、色々紐解くとアチコチで出てくるし、そのウチ聴くようにもなるし段々ハマってくる、そんなバンドでした。
今じゃ全部CDあって普通に聴いてるバンド。中でも「イート・イット」はバリエーションに富んでて勢いもあってソウルフルな歌が最高で楽しい一枚。コレ聴いてるとソウルも良いかもと思うもん。

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