Amy Winehouse - Back To Black (2006):

0 Comments
B0011VQJMK

 新進アーティストの音に耳が向く機会は多くなくて、多分偶然でしかないから出会いは必然で、その時に自分の琴線に触れるかだ。随分前に「Isle Of Wight 2007」をテレビで見た時に今の音楽シーンも面白いと新しいバンドやアーティストを聴いて、唯一ハマり過ぎて簡単には書けなかったエイミー・ワインハウス。2003年デビューの英国人女性シンガー。

 彼女をテレビで初めて見た時はビックリした。姿格好は40年代風で振り付けや飾りっ気は一切なし、ワイングラスにアルコールを入れて足下に置いて歌ってる。それも熱唱ではなく、クラブで投げやりに歌っている感じだけど、もの凄く魂入っててクールながらよく見れば体中刺青だらけで、火傷の痕や傷だらけ、寝不足ヤク中感は体中からオーラが出てるし、オトコも適当みたい感がアリアリと出てて、それでも歌はホンモノ。信じられないくらいにソウルフルで心にグサッと来るからウソがない。

 それからアルバム二枚しか出てなかったから聴きまくったがファーストの「フランク」よりセカンドアルバム「バック・トゥ・ブラック」が素晴らしく、シングルカットの「Rehab」からノックアウト。歌声とハートが素晴らしい上にシンプルな曲ながらもメロディラインやセンスが良いので売れるし、本当に素晴らしく良い曲、良い歌、良い声。そこから怒濤のソウルジャズスカポップスロックなどがオールドタイムな雰囲気で歌われて最高に素晴らしい時間をくれるので、何度も楽しめて、味が出てくる深みを持ったボーカルスタンダードな作品。こういうジャンルは非常に括りにくいし、多分存在していないと思ったくらいに、黒い雰囲気あるけど英国白人女性だ。ジャニスほどしつこくブルースじゃないし、歌姫でもない。場末のバーで歌う名もない姉ちゃんな感じ。

 歌声だけでなく、楽曲のアレンジも面白くて、基本的には歌を聴かせるシンプルなアレンジ程度で、ソウルな雰囲気やジャズボーカル的だけど、スカやレゲエも出てきて不思議に面白い。歌優先でシンプルにするとこうなるのか、過去の歴史を踏襲しないオリジナルな雰囲気が出ていて、アルバムタイトル曲の「バック・トゥ・ブラック」は今のところ彼女の最高傑作と思うくらいに何回も聴いた最高の曲だが、この流れに身を委ねて溺れていると時間を忘れる。酒に溺れてタバコをふかしてユラユラとまどろみながら「バック・トゥ・ブラック」を聴くと世界がどうにでもなれという気にすらなる。そんな最高の歌。

 その後、英国ではゴシップ的に扱われる女性で有名と知ったもので、音と歌と雰囲気から入っていたから素行はどうでも良かったが、隠せないから血肉となって歌に出ている今も聴いてるシンガー。何年かしたら場末のバーで歌っていてほしいし、その時に遠くからバーで酒を飲みながら見ていたい素晴らしいシンガーとも思っていたけど、今となっては叶わぬ夢…。





EUmoreRock
関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply