The Clash - London Calling

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 二枚組のアルバムがロックの名盤ってことになるのはなかなかしんどいことではないのかな、と思うが、実際にはそれなりにたくさんあるモンだなと不思議に思った。ここの所そんなのを意識していたワケでもなかったけど、各アーティストに一作くらいはそういうのがあって、ロック全体的にそういうボリューム感を評価する傾向もあるのだろう。まぁ、じっくり聴くと大概のモノは飽きてくるのだが…、しかしここ最近のCD世代のバンドなんてのは標準で80分なんだから凄いボリュームだよな。作る方はともかく聴く方はチャプターピッピッて飛ばして聴くんだろうな。だから音楽が軽い扱いになっちゃうんだよねぇ、きっと。いや、それはいいんだけどさ。ロックってのはもっと重みがあって欲しいものだ。

The Clash London Calling - The 25th Anniversary Edition Sandinista!

 The Clash 「The Clash London Calling - The 25th Anniversary Edition

 1979年、というか実際は1980年リリースのアルバムなんだよね。でも多くの資料を見ると何故か70年代のアルバム傑作選に入ってくるんだよ。気持ちはわかるが、そりゃウソだろ、って言いたくなることが多々…、実際ジョー・ストラマーもインタビューでそんなこと答えてた(笑)。

 そうだなぁ、このアルバムと「Sandinista!」はとにかく攻略するのに時間かかった。15年くらいかかったもんなぁ。「Sandinista!」よりはこっちの方が時間かからなかったけど、それでも結構かかった。そりゃ、パンクの勢いとか攻撃性ってのに惹かれてたワケで、それがいきなりこのアルバムでは多くがレゲエ・ダブへのアプローチなワケでさ、好き嫌いがはっきりと曲によって分かれてしまって、自分で編集して聴きたいと思ったくらいだもん。そういう聴き方しないから、どうなるかと言うと無理矢理アルバム全部を聴くんだけど、やっぱ苦痛になってきた時あるしなぁ。でも、ジャケットは滅茶苦茶かっこいい。コレ、ポール・シムノンがベースを叩きつけている所なんだよね。このイメージのままだと攻撃的なパンクなんだが(笑)。うん、でもやっぱ「London Calling」とか「Clampdown」てのは昔からのクラッシュらしい曲だしね、ちょっとクールでさ。他のはちょっとダラダラ過ぎるんじゃないか?なんて気がしてて、やっぱ二枚組の名盤ってのは難しいのかもな。

 なんて思ってるところにこないだリリースされたのが25周年記念盤の2CD+DVDっつうデラックスなヤツ。アルバム本編はともかく、ミック・ジョーンズの自宅から発見された有名なヴァニラテープ。要するにスタジオでのリハテイクっつうとこだけど、これがまたダラダラのセッションでさ(笑)、本編があれだけダレてるってことは、やっぱりリハ段階からかなりダレてるのがわかる。DVDではプロデューサーのガイ・スティーヴンスの気違いじみた様子がよく見れて、全くこれでレコーディングできたバンドってのは凄いな、と。フリーにしてもモットにしてもクラッシュにしてもよく付き合ってるわ。そんな妙な感動があった(笑)。

 うん、だからこの「London Calling」っつうアルバムなんだが、昔はそんなんであまり聴けなかったけど、時間と共に聴けるようになるとなかなか頼もしい。特にアルバム前半は粒揃いかもしれん。「新型キャディラック」は思い切りクールなロカビリーだし、「Jimmy Jazz」もクールにスウィングしたダブっつうか独特の音だね、いいよ、これも。で、「Hateful」は言葉の過激さから昔風のパンクかと思えば、もっと最先端のビートを効かしたボ・ディドリーのパンク編って感じかな。「Rudie Can't Fail」はねぇ、凄く良いクラブダブサウンド。ジョーのソロでもやってたけどじわじわと染みてくる名曲。…とまぁ、そんな感じに続くのでビートの効いたものはたまにスパイス混じりに、あとは妙なビート感とダブ感でロック界にこういうのを持ち込んだと言う意味での傑作かな。

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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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リュウ  

このアルバムは若いときに聴いた時より、今、そう正に今が心地良いアルバムです!

色んな事やっていて、確かにダラダラ、ユルユルなんだけれども、年行った耳には心地よいのが不思議っ。

そうかと思うと、しっかりパンチ効いた曲でガツンとやられたり。(笑)

ただしサンディニスタは、未だにカオスな世界。(笑)
解明まで時間かかりそうです・・・。

2007/08/16 (Thu) 22:37 | EDIT | REPLY |   
オダ  
パンク初体験盤

パンクを初めて聴いたのが、実はこのクラッシュの「ロンドン・コーリング」。

初体験がこのアルバムだったこともあって、パンクってのはシンプルなロックン・ロールナンバーからレゲエやダブもなんでもありのジャンルカというとんでもない勘違いを最初してしまいました(笑。
もちろん、すぐに間違っている事は判明しましたが。

自分にとってはクラプトンでレゲエを経験していたし、クラプトンのレゲエよりよっぽどとっつきが良かった事もあって違和感なかったです。
最初からこのアルバムお気に入りになりました。
サンディニスタもあれだけ長い割にかなり好きで聴き込んでいました。

今でも、パンクで一番聴いているのはこのクラッシュですね。

2007/08/17 (Fri) 16:48 | EDIT | REPLY |   
フレ  
コメント感謝~

>リュウさん
あ、やっぱりそんな感じ?このアルバム難しいっつうか、時間かかるもんね。同じ仲間がいてよかった(笑)。「サンディニスタ」は途中で飽きるからなぁ…。

>オダさん
オダさんトコのクラッシュの思い入れブログは脱帽っす。やはりリアルで聴いている時の思いってのは違います、はい。パンクについての解釈は自分も同じで、レゲエやダブってのもパンクのひとつっていう認識でしたもん(笑)。うん、今でも、っつうかパンクってクラッシュくらいしかず~っと聴いてないっす。信念があるからでしょうね。

2007/08/18 (Sat) 22:15 | EDIT | REPLY |   

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