人間椅子 - 人間失格 (1990):
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器用な日本人とはバンドの世界でも全く同じで、既にロックが普遍化してから独自性の強いロックは難しいし、それでも英米のシーンは新しい事が起きていて、フェスティバルが成功する。日本でも色々と模索した結果独自の世界を築き上げたバンドもある。
人間椅子は江戸川乱歩の傑作からバンド名を拝借してて、コンセプトが日本的要素とヘヴィメタル、しかもサバスやバッジーをモチーフにしている。つまり、英国の悪魔主義と日本に古くから伝わる昔話の伝承を組み合わせて音世界を構築しているが、独特のオドロオドロしさを出してて今でも現役長寿バンド。
そんな人間椅子のメジャー一発目の作品「人間失格」は最初期から確立されていて、初っ端から暗黒感漂う重い音で、インスト曲から始まって二曲目「針の山」はバッジーの「Breadfan」のカバーで白熱したバージョンだが、日本でバッジー信者が集まってバンドやる姿も貴重で、音色から迫力までカバーしている。
YouTubeで探すと人間椅子が如何に70年代ロックが好きかよく分かるし、ツェッペリンの「Rock & Roll」は音色がそっくりでギターフレーズもそのままで見事。それにクリムゾンの「21バカ」の完演が凄く、アドリブに近い壮絶なぶつかり合いを見事に三人で迫力を持ってやっている。ついでに「太陽と戦慄 Part.2」もとんでもない演奏で本家と大差ないくらいの迫力と音色なので、当然ながら自分達の作品にも出てくるが、そんな思想を持った人達が「りんごの泪」と可愛い曲を出してくるから、人間椅子のポテンシャルの高さは深い。

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