Tyrannosaurus Rex - Prophets Seers and SagesThe Angels of The Ages (1968):

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 ロック界広しと言えども大半は常人が奏でている世界で、そのウチの一部だけが真の天才達。さらに極一握りの人物だけが狂人と天才の間を彷徨うアーティストでもあるが、その最たるシド・バレットの後に思い付く人物は残念ながら自分の知識にはない。シド・バレットがピンク・フロイド脱退後にトウィンク達とStarsを云々てのもあったけど音は残されてないし、トウィンクもかなり変態だけどまだ常人なドラマーで、他は誰がいるかと思いつつ、シド・バレットのあの音の透明感が好きなので、それならこの人も良いなと。

 ティラノザウルス・レックスのセカンド・アルバム「神秘の覇者」はデビュー作「ティラノザウルス・レックス登場!!」からわずか3ヶ月後にリリースされた驚異的なリリーススパンのアルバムで、1968年作品として知られている。プロデュースは初期デヴィッド・ボウイと同じトニー・ヴィスコンティなのでこの時期の二人の作品はかなり似た雰囲気が掴めるのも面白いが、ただ、ティラノザウルス・レックスの方はマーク・ボランの透明感のあるギターと歌に加えて、精神高揚意味合いの強い呪術的パーカッションが鳴っているので、もっと躍動してくる特徴がある。その意味では全然シド・バレット的じゃないけど、皆が皆何とかしてあの世界への憧れを表現しているみたいな構図からすればひとつの事例で良いかと思うものの、普通に音を聞いているとなかなか面白いサウンドで、ある種唯一無二の作風で、似たような世界の音はあまり聞いた事がないし、そもそも二人だけのユニットでやる人たちも少なかった。

 「神秘の覇者」は元々収録時間や曲数も多くなかったけど早い時期にCDにボーナストラックが多数収録され、それがスタンダードになった感もあるが、自分はアナログの短い方を聴くけど、ホント不思議な音だといつも思う。ギターの音もアコギだけど透明感溢れててマーク・ボランの歌声はクセがないフワフワした感じで、パーカッションだけが妙に血を熱く煮えたぎらせるようでヘンだし、マーク・ボランの場合は狂人よりは魔法使いだからそういうのが出ているのかも。とするとやはり唯一無二な人で、そんなゴシップネタを含めて楽しめるティラノザウルス・レックスの音は好きで面白く、もしかしたらT.Rexの派手な世界よりも好きとも言える。





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フレ
Posted byフレ

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