浜田 麻里 - Soar (2023)

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 今になって浜田麻里さんの名前をこれほど耳にする、目にする機会が多くなるとは思いもしなかったが、ここのところ、どういうワケかYouTubeでも生配信のインタビューをたまたま目にして見入ってしまったり、その流れで割と細かく長々とキャリア統括的に答えていたインタビュー記事も出ていたのでどっぷりと読んでしまったりして、すっかりそうだったのか、と分かった事も多くて悦に入っている次第。時代的にリアルタイムでほぼ通っていたものの、そこまでとことん聴くようなリスナーでもなく、なんとなくその世界の側を聴いていたからいつも名前が隣りにあって聞けているような状況だったが、90年代頃はさすがにそこまでなくてしばらく離れていた感じ。ただ、その後、多分樋口さん亡き後くらいから高崎晃さんがギターで参加するようになり、それもまたヘヴィで速い曲が増えてきたからか、自分的に聞きやすくなったからか、耳にする機会も増えてきた。その頃からアルバムジャケットで見られる姿も、中世のロマンティックな世界観に近かったから好みでもあったのはあるが、それにしてもこのキャリアと年齢で今まだ更に最先端に進んで行きつつ、また尖りまくっている姿勢がカッコ良すぎる。

 コロナ禍でリリースが遅れたようだが、2023年に出てきたアルバム「Soar」も冒頭のシングル曲「Tomorrow Never Dies」からしてこれまで以上に速く重くヘヴィでストレートに突き刺さってくるキラーチューンをカマしてくれるので、いろいろな批評もすべてぶっ飛ばす文句なしの、全くリスナーに叩きつけてくれる楽曲で黙らざるを得ない、パワフルな楽曲。インタビューでも書かれていたけど、昔からヘヴィメタルサウンドをやっていて、ここのところ昔に戻ってきた、と言うような書かれ方もあるけど、そうではない、と言っていた事がよく分かる最新型のヘヴィメタル楽曲とも呼べるスタイルで、原点回帰だったらこうはならないだろうし、今の最先端だからこうなっている音作り。バンドメンバーもプレイヤーの力量も当然文句なしに素晴らしいけど、それをプロデュースして才能を発揮させて自分のアルバムサウンドにしている才覚の素晴らしさも見事に出てきている気がする。それと、インタビューで言ってたので驚いたのは、歌詞を書くのもすべて楽曲もメロディも出来上がった後で、しかも曲のメロディに合わせた母音をベースにしながら言葉を探すような書き方をする、音や旋律に相応しい単語を探して当てはめていくようで、それって物凄い大変、と言うか簡単に歌詞が出来ますって話じゃない気がするので、凄いプロフェッショナル、と言うかそこまで考えて作るから流れるような歌メロに仕上がるのかと、かなり驚いた裏話だった。

 元よりシンガーでもあるソングライターでもありクリエイターでもあるのは分かってはいたけど、ここまですべてをプロデュースして出来上がってくると、以前の作品群の出来映えとの違いも明白になってきて、しかもそもそも他の方の音楽をほとんど聴かないで、自身の中から出てくる音だけで作り上げていると言うから、それでいてこのアレンジや音色って、メンバーのセンスと経験値や音作りの鋭敏さが手伝っているにしても、古くならない最先端のサウンドが出せて歌えて違和感ないのも凄い。なんか、ホント、いろいろプロすぎるくらいにプロで、だからこそ40年経っても最前線にいてシーンに溺れることなく存在感を放っているとしか思えない。そんな事を全然知らなくてアルバムを普通に聴いても多分ぶっ飛ぶレベルの高さとヘヴィメタリックなサウンド、そこに何の違和感もなくハイトーンを重ねてくる素晴らしい歌声を楽しめる傑作アルバム。





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フレ
Posted byフレ

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