WigWam - Out of The Dark (2023)
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2005年にユーロビジョンコンテストに登場して世間に認められてのシーンへの切り込みがきっかけでブレイクしたものの、それまでのメンバーのキャリアからいくつかの確執も深くなっていってしまったのか、アルバムを重ねる毎に本来求められていたバンドの良さから徐々に離れてしまい、挙句にはどうにも収集つかない状況のまま自然消滅状態的にまで溝が深まってしまって2013年には解散の道を歩んでいた。それも後になって知った話で、割と好きで追いかけてはいたものの、シーンで名前を聞かなくなってからも追いかけるほどではなかったのでそういえば聞かないなと思って調べるとそんな状況だったと。ライブを見ても映像を見てもそんなに不仲で確執があるようにも見られなかったし、バンドの音楽性もアルバムを進めていく度に随分とアリーナロック的になり、元来の明るい能天気なロックが減ってきたとは感じていたけど、そういう変化なのだろうと聞いてたのだが、皆で取り組みスタイルから個人プレイへと変わってしまったためどうしても個々人の個性が出てしまうだけの作風が多くなっていったようだ。
その後2021年に「Never Say Die」で電撃復帰してYouTubeでもそのストリーミングライブを見れたが、随分と老けたのは当然ながら、重さと大らかさを纏った本格的なアリーナロックバンドに仕上がってきたと言う印象が強かった。バンドはコロナ禍を経て、そのままもう一枚のアルバム制作に突入して2023年にまたしてもアルバム「Out of The Dark」をリリースしてきたが、随分とギターの音がメタリックになり、パッと聴く限りは冒頭からハードロックンロールのキャッチーなバンドから一気にメタルソリッドなバンドになってしまったかと聞けてしまうサウンドが特徴的。実際曲を聴き進めていくと、アレンジや音色は明らかに現代的なメタルサウンドで些かキンキンした風味があるので耳慣れないが、楽曲そのものは以前のWigWamが得意としていたメロディアスでキャッチーなサビを挟み込んだ王道ロック的なフックのある曲ばかりだ。スケールの大きさを出し切っている作品も多めではあるので、やや芋臭いようなメロディアスな曲は少なめながらも所々でそんな曲が出てくると、さすがのグラムのボーカルの上手さが際立ってWigWamらしさも全開となるから音色に目をつぶれば相当のレベルのアルバムに仕上げてきている。
冒頭のアルバム・タイトル曲から前半はすべてゼクセル全開でぶっ飛ばしているロックンロールばかりで、数回聞けばどれもこれも口付覚める感じのキャッチーさがあるからさすがだ。「The Purpose」でやや白々しいまでの落ち着いた曲のトーンへ移り変わるが、ここでもギターフレーズやソロプレイの音色は現代的メタルサウンドなので、曲と音色のバランスの妙が逆に楽しくもなってくるか。そして以降からまた快速でぶっ飛ばすロックンロールが繰り広げられるので、やや満腹感すら漂ってくるWigWam節満載の快作といえるだろう。
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