Arzachel - Arzachel (1969):
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サイケだスペーシーだと言う言葉が出てくるとやはり60年代みたいな空気があって、あまり深くないので詳しくない。ただ、何年聴いていなくてもジャケットやバンド名を思い出したり、見ると音の記憶は蘇るもので面白い。多分アルバムジャケットと音のイメージだけが格納された記憶にあるのだろう。細かい音はもちろん覚えていないので、インデックス的な記憶の仕方をしている自分の脳を実感する。そんなに何回も聴いてないと断言できるサイケデリック・スペーシー系は何回聴いても覚えられないから、多分数回しか聴いてないはず。
1969年にリリースされたArzachelの唯一の作品「Arzachel」です。もちろん知ってる人は知ってるし、知らない人もバンド名検索すればプログレ系統では有名な作品とメンバーのメジャーさが分かるのでそのヘンは割愛。バンド名で言えばGongとKhanとEggとUrielなどの関係。単純にUrielの再結成版、ただしあまり公にしない謎の一枚的にリリースしよう、それでも小遣いはあげるからという一枚のようだ。おかげでしばらくの間は珍しがられて重宝され、レアもの扱いされたが、一方では無名なバンドなので再発もなく、かなりのプレミア価格で取引されていた一枚でもある。その頃目の前で3諭吉ぐらいで見たが、手が届かないシロモノだった。その後しばらくしてピンク色ジャケットのレコード盤を見つけてどこかの再発かと思って数千円で買ったけど海賊盤だった。しかも前見たのは青色ジャケット盤だし、どちらが本物かと気にしてはいたけど、海賊盤でもレコードがあるのは嬉しかった。音の良い悪いを気にする音楽でもなかったし、結果ピンク色盤はドイツ盤の模倣で、オリジナル英国盤は青色盤だったらしい。その他の国のモノクロ盤もあったようで、それは見たことなかった。CD時代になってからは青色盤を見かけた。
ヒレッジ、モント・キャンベル、デイブ・スチュワート、クライブ・ブルックの1969年の作品だから、サイケデリックな雰囲気且つカンタベリーな淡々としたサウンドで、名盤扱いされます。3コードのロカビリーでさえカンタベリーサウンドだから。一体何でそんなカンタベリーサウンドか?やはりオルガンか。スペイシーな雰囲気も同じくオルガンと無機質なヒレッジのギターによる功績。何とも言えないこの辺りのサウンドは時代性もあるけど、間違いなく実力のある個性派たちの演奏による偶発。ソフツやキャラバンとはまた異なったカンタベリー世界観が不思議。それでも時代に迎合してブルース・ロック的な展開を目論み、そのセンスの良さは当時のロックシーンからも驚異的なハズだが、無名バンドが前提だったので日の目を浴びる場所に出てこなかった。もっと良質な録音と音で聞けたらかなり迫力あるアルバム。

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