National Health - Of Queues & Cures (1978):
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カンタベリーは面白くて、同じようなメンツがちょっとメンバー替えたら違うバンドになり、全然違うメンバーなのに似たような音を出したり、兄弟姉妹みたいなバンドがアチコチにあって、それぞれに影響を与えるからバンド名はその時限りの名称だ。ジャズみたいに個人プレイヤーでアルバム作れば良いのに、と思うがそこがポップ・ミュージックである所。National Healthのセカンド・アルバム「Of Queues & Cures」は1978年リリースだからもう結構な時期で、全くウケなかったとは想像に難くない。だから好きな事やりまくってる。後のヘヴィメタル界とカンタベリーシーンを繋ぐキーマン、ニール・マーレイは脱退している。後期カンタベリーシーンで音的に重要な人物になったフィル・ミラーのギタープレイが心地良く聴ける一枚です。ホーン・セクションも入れての実験的展開もあるが、今更驚く事でもなく、そもそもが実験精神と即興性の場だ。
デイブ・スチュワートも参加してその手の音になるが、面白いのはHenry Cowの面々が参加してくる点。それによって更に即興性が強くなった。しかも今回はベースのジョン・グリーブスが、バンドの屋台骨を支える位置で参加してるからグイグイとベースが引っ張って、グルーブして凄いロックバンドになってる。追随するピプ・パイルのドラムが繊細系なだけにそのギャップはあったと勘ぐってみる。あまり聞き倒さなかったアルバムだから久々に聴いて面白い。硬めな音で更にカンタベリーの深みが楽しめる。苦手な人は苦手だろうけど、素直に音を追ってると楽しいアルバム。インストばかりなので普通ならプレイヤー志向作品になるがカンタベリーの場合はそれでも名曲になる。単なるプレイヤーの自己満足ではなく、そこからリスナーが音楽を楽しめるようになっている。「Squarer for Maud」が最高。

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