Kevin Ayers - Shooting At The Moon (1970):

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 勝手な解釈だが、シド・バレットとケヴィン・エアーズってセンスは似てて、同じ香りがするが、一方は向こうの世界に行ってしまったけど一方は脳天気に同じような世界を披露している。印象だけなのでファンからしたら一緒にしないでくれと言われるかもしれない。

 ケヴィン・エアーズのソロセカンドアルバム「Shooting at the Moon」が1971年にリリースされているが、この時はバンドThe Whole World名義でのリリースで、メンツは今となっては豪華なカンタベリー一派によるもので、David BedfordにMike Oldfield、Lol Coxhill、Mick Fincherに加えてBridget St Johnがゲスト参加と、ソフツの面々もサポートした代物だが、ケヴィン・エアーズの場合はちょっとズレているのでカンタベリー技巧派の音ではない。ただ、「Shooting at the Moon」はケヴィン・エアーズの中ではかなりアヴァンギャルド且つポップな作品で間違いなく、それでもこれだけ聴きやすいポップだから凄い。

 そしてこの頃多分10代だったと思われるMike Oldfieldの才能が光っているし、まだソロデビュー前ながらベースで参加しており、冒頭の超名曲「May I」でも天賦の才能を活かしたベースラインが耳を惹く。曲の骨格を成すベースラインを紡ぎ出しているから凄いし、更に「Lunatic Lament」ではギターで参加しながら、ギターソロがエキセントリック且つかなりクレイジーな音でぶっ飛ぶくらいだから、このMike Oldfieldは何者だ?と当時聴いていた人なら思ったに違いない。ケヴィン・エアーズの歌よりも目立ったアグレッシブなプレイが聴けるMike Oldfieldの裏ソロ名作。

「Shooting at the Moon」で聴けるアバンギャルド性は、明るくてハチャメチャな感じだからドイツのプログレとは違って、英国のお茶目なお遊び感満載。それもセンスだが、あまり気にしないで普通にヘンなポップとして聴けば良いだろう。ところどころかなりヘンで気になるが、更にこのアルバムの魅力は英国フォークの女王の異名まで取っていたBridget St JohnがB面一曲目「The Oyster And Flying Fish」で参加している不思議。曲自体も、相当面白くてケヴィン・エアーズ独特のポップなメロディで「Urah Urah」と歌われるが、ほぼ二人のユニゾンで歌ってて面白く、ケヴィン・エアーズの浮遊する歌い方とは対照的に地に着いた重みのある歌声で良い曲。

 更にこれこそアヴァンギャルドポップスとも言うべきアルバムタイトル曲「Shooting at the Moon」は、題名通り月を射つらしく終盤までポップ的に盛り上がり、Mike Oldfieldが大活躍と、テンション高い演奏が続いて最後の最後には月が爆発する音が入ってて面白い。こういう発想がユニークで、シド・バレットと角度が違うけどセンスが似ているので、実に楽しく明るくなるケヴィン・エアーズの作品の中でも名盤の域に入る傑作「Shooting at the Moon」。





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Posted byフレ

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