Soft Machine - Noisette (2000):

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 カンタベリー一派のライブの殿堂でもあったのか、英国クロイドンにあるFairfield Hallでは盛んにライブが行われていた。あとよく見かけるのはDrury Lane。この辺はライブ盤で出てくる会場。先のCaravanが1974年のライブをリリースしたりRobert WyattはDrury Laneでの1974年のライブ「Theatre Royal Drury Lane」をリリースしているが、同様にライブ盤の発掘が異常に高まっているSoft Machineのライブも出ているし、しかも最高傑作との誉れ文句が絶えない傑作と名高い。

 「Noisette」は2000年に発掘リリースされた一枚で、内容は1970年1月のFairfield Hallに於けるライブの実況録音盤で、しかもこの時期、Soft Machineとしては珍しい5人編成の貴重な時期、アルバムでは「Volume 2」と「Third」の間に当たるので、サイケデリックなポップバンドからジャズな体質へと変化している時期。フリージャズになったSoft Machineが「Third」を前に実験的ライブをひたすら繰り返していた頃の記録として聴く方が賢明だが、「Noisette」ではメンバー編成によってなのか、フリージャズ方面に進んでしまったバンドだが、そこでも面白いのは意図しないまま音楽性が広がってしまった感があり、Lyn Dobsonがいるおかげでサックスやフルートが登場するし、しかもスキャットボーカルまで披露してくれるから面白い。Elton Deanとは明らかに異質な、スタジオ盤だけを聴いているとかなり浮いた感じのあるサックスの音色やフルートは一発で誰これ?と分かるが、更にHugh Hopperの独特のクセのあるベースラインが曲をうねらせ、恒例Ratledgeの鍵盤は相変わらず淡々としているものの音色に変化を付けながらSoft Machineの中枢とも云えるサウンドを奏でていて、この音色を聴くと安心する。

 元々ポップ志向が高いジャズ好きなドラマー兼ボーカリストのRobert Wyattのドラミングも負けず劣らずしっかりフリージャズにハマっている。このバンドのアンサンブルは練習して出来るモノではないだろうけど、メンツが揃うと出来てしまうのか、一時期参加、とはよく見たり聞いたりするけどしっかりプレイヤーの一員として機能しているからミュージシャンだと思う。譜面を読むだけの普通の人間では無理だろうし、ロックやってる人間でも出来ないからやはりジャズメンだが、それでも出てくる音はロックだから面白い。

 90年代中頃くらいから怒涛の如くリリースされているSoft Machineの発掘ライブ音源の数々もいつか全部制覇したいと思いつつ、なかなか後手後手になってしまうのは、多分聴くのに凄く神経を使うし、集中力が必要だからと思う。集中しないと面白くないしこの研ぎ澄まされた感性を受ける方も大変で、しかしあの「Third」の名曲「Moon In June」も歌なしのフリージャズになってるあたりは、こちらがそもそもの完成形で、後から歌パートが加わったのかと思うような出来映え。そこへ持ってきて最後は「We Did It Again」がこれまたKevin Ayersの曲で、こういう面々の時の最後に登場するのも面白い新発見だが、何回聴いても再発見は沢山あるし何よりもこの研ぎ澄まされたライブの緊張感と演奏の熱気は絶品の、確かにSoft Machine史上最高傑作と言われるのも分かる異常にテンションの高いライブ盤。

 同じ年の1970年1月末に行われたライブを更に長く収録した2枚組のライブCD「Breda Reactor」も発掘リリースされているので、こちらにも挑戦しておきたい。またカンタベリー熱に火が点き始めてきた。





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Posted byフレ

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