10cc - How Dare You! (1976):
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十分に有名なハズなのになかなか聴けてないロックバンドの一つで、どこかポップスのイメージを自分で持っているからだけど、ビートルズの再来にふさわしい、とかヒネたポップス、みたいなフレーズが多く見られたのでロック好きな自分には合わないと思って手を出さなかったから遅かったし思い入れも少ないのを認識した上で改めて聴いてみる。そもそも話題としては10CCのバンド名由来からふざけた英国センスは素晴らしく、ある意味The Kinks的に聴けば良かったと後で思ったし、これからも聴けるから楽しみは増える。
ジャケットはヒプノシスでどこでも出てくるので知ってるし、興味をソソられるジャケットなのは間違いないが、表も裏ジャケットもどんな話してるのか分かってしまうくらいにそれぞれの表情とトーンが見事なバックの二人と写真の二人、裏ジャケも含めて、中ジャケは電話の嵐。今の時代は携帯電話だから面白くないかもしれないが、アナログな電話だからこそ面白い。そんな10CCの名盤、最終アルバムとなった「How Dare You」は簡単に言えばソープオペラ=昼メロに近い風情を持ちながらシリアスに歌われているで、歌詞を紐解くと相当シリアスらしいけどまだそこまでたどり着いてません。ただ、音と共に世界観を醸し出したものは聴いているだけで分かるし、それを増長しているのがアルバムジャケットなので重要です。
音世界は、カラフルでアコースティックも効果音も含めて構成も綺羅びやかで華やかに、そしてドラマティックに組み立てられているポップスの世界で、「I'm Mandy Fly Me」は最高の名曲らしきメロウさで、その構成と展開は普通じゃ考え付かない。ちょっと聴いていたいと思うアルバムだから飽きないので自分も日本盤で訳詞付きで手に入れるべきだった。まったく英国でしか出てこない音だし、時代も手伝っているけど素晴らしい傑作でコンセプトアルバムの仰々しいものじゃなく、ストーリーラインに則ったカラフルで楽しめるアルバムだから、なんて面白いんだろう。バンドの内部やメンバーの関係も色々と噴出していた時期らしく、作風やパートも特性が出ているけど、その前に良い作品を作り上げる目的は共通していたからこれだけの作品が出来上がったと思うプロだ。簡単に言うとサーカスみたいに華やかで終わりはシュンと一気に終わる、そんなアルバム。

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