Jean Jacques Burnel - Euroman Cometh (1979):
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バンドに二枚看板は必要か、ないよりある方が良いが、ぶつかる事も多くなるので難しいし、今時のバンドで二枚看板もさほどないから気にしないけど、昔は多かった。ストーンズやビートルズを筆頭に二枚看板が当たり前だったが、徐々にバンドをやる奴も増えてきたから二人の天才が同じバンドの中に留まる事は無くなったけど70年代は結構あった。面白いのは2枚看板がそのまま同じバンドの中でやるならバンドの音はそのままのレベルがキープされるが、片割れがいなくなった場合、そのバンドの主導権争いが赤裸々になる。
The Stranglersの屋台骨ジャン・ジャック・バーネルはバンド全盛期の1979年にソロ・アルバム「Euroman Cometh 」をリリースしているが、確かにバンドの中心を担っていた人物だから、バンドとはかけ離れたニューウェイブな無機質的サウンドを繰り広げている。しかもドラムマシーンを使っての、硬質的でヒュー・コーンウェルと共通する冷徹なサウンドを展開しているが、ヒュー・コーンウェルはThe Stranglersの延長線的な音ながら、ジャン・ジャック・バーネルはバンドの表層からの音の印象。骨の部分はそのままだけど音楽的なトコロはこの二枚看板のどちらがバンドを引っ張っていたか微妙に分かってしまうようで、そういう目線で聴くリスナーもいる中、まったく変わらずのベースを聴かせてくれるし、歌もそのままだから装飾する音が違うだけのひとりストラングラーズな音。
ギタリストは後々のストラングラーズに参加するジョン・エリスでかなり相性良いのか、マッチしたギターを弾いてるし、この音世界にもマッチしているが、ここで聴ける音はこの後のニューウェイブ世代には受けるだろう。どうにも苦手な部類なので好んで聴く音ではないけど、ストラングラーズのジャン・ジャック・バーネルだから聴いておきたかった作品で深みのある芸術作。

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