サンハウス - 有頂天 (1975)
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1960年代の終わり頃、我が国日本でもロックンロールの先駆者達が遠きイギリスのサウンドを聴いて自らの仲間と共に試行錯誤を繰り返して独自のロックンロールを編み出していった。誰が最初でなんてのはもちろんわからないけど、その消化の仕方や取り入れ方、独自のセンスと才能とメンバーの力量などが上手く化学反応を起こしたバンドと言えば絶対に柴山”菊”俊之氏と鮎川誠氏率いるサンハウスになる。
有名な曲はヤードバーズの「The Train Kept A Rollin'」をまんまパクった「レモンティー」だけど。だからといって誰もそれを批判したりするわけでもなく、そういうものとして受け止めているし、それもあり、っていう感じの風潮でもあるところにサンハウスのロックの本質が流れている。色々と聴いているともっともっとそれ以外にもそこら辺のイギリスのロックからのパクリは彼等の作品の中にどっさりと組み込まれているので、好きな人が聴けば一発で元ネタがわかる。でも、だから何?そうやってロックはブルースから受け継がれてきたもので、我が国にもそんな素晴らしき先輩がいるのは凄いことだからこのバンドはどんな作品の、どんなライブでも好きです。リリースされたアルバムでは「有頂天」「仁輪加」くらいがオリジナル盤で、それ以外は全部ベスト盤やらレアテイク集だけど、発掘ライブも結構あるのでマニア的にも楽しめる。前に出たボックスセットも自分では重宝してて、ライブテイクが目白押しでかっちょ良いし、スタジオ盤とは全く異なるアプローチのライブなのでやっぱロック。柴山さんのオフィシャルサイトでご自身がサンハウスの経歴については詳しく書いているので読んでみると凄く面白いけど、やっぱり自分たちが出したかったブリティッシュロックの音はスタジオ盤では上手く反映されていないらしく、それを読んだら実際のライブの時は一体どれだけブリティッシュロックな音を出していたのかが凄く気になる。だからアチコチのボーナストラック的に入っていたライブバージョンはやっぱり凄いのだろう。
書いていくと話がどんどん逸れていくのでちょっと本題へ進むが、結局「レモンティー」のパクリが有名だけど、他にもサンハウスの代名詞的曲でもある「キング・スネーク・ブルース」はもちろんThe Whoの「I Can't Explain」だし、「風よ吹け」はヤードバーズの「You're A Better Man Than I」で、「もしも」もThe Whoがやってたバージョンの「Heat Wave」だからこういうセンスはたまらん。更に、柴山さんの歌詞も超最高のブルースで、どれを取ってもひとひねりふたひねり効いているかっこ良さがまた凄くて、「ミルクのみ人形」もブルースで「僕のミルク飲み人形は…」と来たもんだ。う~ん、素晴らしい。これも、実際サンハウスがデビューする前までは全部英語でしか歌ったことのなかった柴山さんがいきなり書くとこういう風になったって言うから凄いし、やっぱり才能とセンスと好きさ加減だろうか、昔はたまに新宿をフラついているとディスクユニオン辺りで柴山さんを見た事もあって、凄い雰囲気を持ったてかっこ良い。下北沢行くと鮎川さんを見かける事も多かったが、やっぱりロックでかっこ良くて、ああいう自然体でロックな野郎になりたいなどと思っていたものだ。菊さんにはまだまだ頑張ってほしいところ。
R.I.P
鮎川さん
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