Humble Pie - Town And Country (1969):
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60年代のバンドの話は既に骨董品、クラシックの扱いに劣らぬ古さを語ることになるが、それでもきちんと音源が残されているどころか、再三に渡り今でも手を替え品を替えて何かしらリリースされ続けているバンドもそれなりにあるし、主要メンバーが鬼籍に入って、残党が好きにリリースしているケースもあるが、それでもリスナーから見ればありがたい音源を聴けるのは喜ばしい事には違いない。ただ、Humble Pinの場合はちょいと嫌らしさが出てしまうので悩ましく、ドラマーのジェリー・シャーリー自らが古いライブのオーディエンス録音ソースを纏めてオフィシャルブートレッグとしてリリースしているから困る。やはりオフィシャルはサウンドボード音源にしておいてもらいたいと思うが、そもそもオフィシャルがオーディエンス録音ソースのリリースって、自分で録音したテープなのか?と。
Humble Pieの1969年リリースのセカンド・アルバム「Town And Country」はファースト「As Safe As Yesterday Is」と同時期に録音されていたソースから、残った部分を纏めてリリースされたアルバムのようで、言われている程アコースティック、フォーキーな側面の強いアルバムでもないし、冒頭からしばらくフォーキーな世界が続くので、どうにもイミディエイト時代のまだまだデモ段階に近いハンブル・パイのソースと言われるが、しっかりロックしてるのもある。当然ながらそこはマリオットの歌声と楽曲が顕著で、フランプトンの方はフォーキーな世界、しかし美しい英国に根ざしたアコースティック楽曲でグレッグの曲は時代があればこそ、と言える作風でしかない。難しいのはどうしたってハンブル・パイはソウルフルで熱唱型のフランプトン脱退以降のイメージ、もしくはフィルモアのライブのイメージが強いので、最初期の2枚は捉えにくくなるし、その意味ではデヴィッド・ボウイと同じように捉えれば分かりやすいか。
この辺の作品が凄いのはたとえフォーキーであろうとも一定レベル以上の作品を聴けるクォリティの高さで、それがフランプトンのみならずマリオットであっても同じレベルをキープしているし、作風的にはフォーキーな側面とスワンプ調のマリオットとの違いは明白に感じられる。どこからどう聴いても本作はボブ・ディランの影響が大きい事は誰が聴いても分かるだろうが、自分的には好みではないが、デモとして捉えれば、またこれだけの技量を持ったバンドと云う事も分かった点は大きい。フランプトンもマリオットもドラム叩いてるのもちょいとびっくりしたし、ミュージシャンはホントにミュージシャンで、こういう作風を好む方々からしたらかなりの名盤、ロック的ハンブル・パイから入るとちょいとよく分からないアルバムだが、多少なりともバンド名が異なっていれば英国トラッドフォークの名盤に入る作品だったのは間違いなく素晴らしい。

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