Jeff Beck - Flash (1985):

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 80年代にアルバムをリリースしたロック界の大物達はこぞって最先端の音を採り入れて、自分達もその輪の中に入ろうとした作品が目立つが、ボウイやミックのソロ、ストーンズはいつもの事としてもフィル・コリンズもクラプトンもだ。そこでまさかこんな人が別に媚びを売らなくても良いだろう、と思うのにやってしまったジェフ・ベック…もちろん良い事もあっただろうが…。

 1985年リリースの「Flash」は当時「There and Back」から5年ぶりの新作で話題と期待を呼んだ作品だったけど、自分は当時全く聴かなかったし、「People Get Ready」はさすがにPVでよく見たけど、アルバムは分からなかった。改めて聴くとそりゃそうかと思うが、音は80年代のナイル・ロジャースのプロデュースなのであの音だし、そこにベックの革新的なギターサウンドが鳴ってても決してポップでもないし、今考えると何でこのアルバムはボーカルがいるんだ?と逆に思うくらい。かっこ良い、とアルバム全体の感想としてはそう云えるし、シャープでタイトに仕上がっていて、ギターがこれまた斬新なテクニックを聴かせてくれてるし面白く、ベックのベックたるところを期待しているとちょっと異なり、陳腐な曲もあるけど良い。

 ダントツに光ってるのはロッドが歌う「People Get Ready」だけど、このPVでのベックはテレキャスを持って列車の中で弾いているシーンで、ロッドとの再会を大々的にアピールしてたが、歴史を知らないリスナーにとってみると、あのロッドが歌っているから、この曲はロッドの作品じゃないの?となるようだ…。

 往年のファンにウケが良いのがインストの「You Know We Know」で、ベックらしい旋律が奏でられる曲で、バックの音が妙なデジタルサウンドなのがキズではあるが、ギターはさすがに耳を奪われる。バックはカーマイン・アピスやヤン・ハマーも参加しているし、ベックも歌っているが、意外と盲点となっているこのアルバムもこういう流れで聴くとなかなかの逸品。





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フレ
Posted byフレ

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