Salamander - The Ten Commandments (1971):

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 モーゼの十戒と言えば海が真っ二つに割れるシーンが印象深いが、あくまでも映画の演出上の映像で、実際その事象が起きたかは知らないし、あり得ないと思うがインパクトは強い。何かとそのシーンが会話に持ち出されるから、実際映画を見てなくても知っているくらいで、モーゼの十戒はモーゼが神から与えられた十の戒律で、神と人との関係、そして人と人との関係を記したものと言われているが、その十の戒律を曲名としてアルバムをリリースしたバンドがSalamander。

 1971年にヤングブラッドレーベルからリリースされた唯一作「The Ten Commandments」はタイトルもそのままでアルバムの音作りはヤングブラッドレーベルらしい音、即ちJulian's TreatmentやJulian's Jay Savalinのアルバムの音に酷似している。即ち実に美しくプログレッシブに、ドラマティックに叙情的に作り上げられた作品でアルバムを聴くと起承転結がしっかりしたコンセプトアルバムとして作られているから存分にその充実感を楽しめるし、ややボーカルの軽やかさが気になるものの、オルガンやメロトロンも駆使して、ギターもシーンによって歪んだりアコースティックだったりと楽曲のムードを出すために用いられている楽器のひとつの位置付けで、ともすればブラスも入ってくるから面白い。

 昔から気になっていたが、なかなか手に入らずにいたのは自主制作に近いレーベルからのリリースが要因で、同じレーベルのJulian's TreatmentやJulian's Jay Savalinはカウンターフィット盤や再発リリースもあったから聴けたがSalamanderは出なかった。それらと同じくレベルの高い作品なので、聴いても損はしないし、明らかに十戒をテーマにアルバム作りたいコンセプトだけで作られているので、他の作品は見当たらず、そもそもメンバーも他の仕事が見つからない。ヤングブラッドレーベル内の変名によるプロジェクトだったかもしれないが、アルバムは充実した作品に仕上がっている。



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Posted byフレ

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