Richard & Linda Thompson - Hokey Pokey (1975)
0 Comments

1970年前後のフェアポート・コンベンションはもの凄い過渡期、全盛期でもあり白熱度も実験度もロック創世記と同じように英国フォークも革命期で、その旗手だから激しく、そんな時代の中心にいたのがサンディ・デニーでありリチャード・トンプソンであり、伝道師アシュレー・ハッチングスだったり、デイブ・マタックスもその真ん中。要するにその頃フェアポート周辺を支えていた面々は革新的で、様々なミュージシャンが関わってくるが、リンダ・パーカーもその一人でサンディ・デニーと連れ立ってシーンに入ってきた。そこで才能を発揮してゲストやセッションでこれらの面々のアルバムやライブに参加していくけど、同じように稀代のギタリスト、リチャード・トンプソンも刺激を受けており、ここから推測だけど、そんなシーンに一緒にいたから出会いを深めて結婚したらしい。一方リチャード・トンプソンはフェアポート・コンベンションから離脱して自分の音楽性を追求する旅に出ているので、リンダはその旅に一緒に着いていった。
夫婦二人の最初のアルバム「I Want to See the Bright Lights Tonight」をリリースする間にもいくつかのセッション、アルビオンバンドにも参加しつつ、自分の音楽の方向性を模索して見つけたリチャード・トンプソンは翌年1975年にはセカンドアルバム「Hokey Pokey」をリリースして立て続けに三枚目「Pour Down Like Silver」もリリースしているので、今回はそのセカンドアルバム「Hokey Pokey」を取り上げているが、一番軽くて聴きやすい。ファースト「I Want to See the Bright Lights Tonight」は名盤だけど、気負ってる部分もあるし凝り過ぎてて重さがある一方、セカンドの「Hokey Pokey」は一番バランスが良く、冒頭のリンダの歌から聴きやすいし名曲だし、リチャード・トンプソンのギタープレイはいつ聴いても素晴らしい。どうやってあの音出してるのか、普通のストラトだよな、と気になって真面目に追求してないけど、ホント個性的で唯一無二のサウンドプレイ。
他の楽曲群は単なるBGMになっるくらいに軽い曲もあってほのぼのするし、リンダの声も可愛いし、それに参ったかもしれないリチャード・トンプソンの「Geroge On a Spreee」はホントにほのぼのする。参加メンバーもいつもの常連達で気心知れた中でのレコーディングも手伝ってマイルドな作品に仕上げた感じで、夫婦としても一番良かった時期かもしれない。

- 関連記事
-
- Richard & Linda Thompson - Hokey Pokey (1975)
- Richard Thompson - Henry The Human Fly (Remastered)
- Richard & Linda Thompson - Sunnyvista